緊急事態
いつもの様に講義と実技を終え帰路に就こうとする。
ウゥーーーン!ウゥーーーン!ウゥーーーン!
緊急事態発生!緊急事態発生!
生徒は講習室に全員集合!繰り返す…
射撃監督である俺はいわば教師の様なものだ。
事務員から状況確認をして生徒に伝える。
「デザストン上空に翼竜が現れた。歩哨からの連絡だと間も無く街に飛来する。安全になるまで絶対外に出るな!!」
各々が生返事をする。翼竜なんて戦争中ですら見かけた事が無い。ハンターは辺境で卵の抜け殻や巣を見つける事はある。生態がよく分かっていない化け物だ。
翼を広げると20メートルもある巨体らしい。
古い文献では気性が荒く飛ばない時は温厚らしい。
「念の為戸締まりと装備の確認をしてくる。それまでは事務員に従うように!」
射撃場には俺以外の監督や事務員が数名いるがあまり多くない。射撃は資格取得や部活動に近い部分があるためだ。まぁだから職案に募集があるんだろうな。
銃が普及すると独学で学ぶ者もいる為興味と金のある者は来る感じだ。
銃器係からライフルを受流する。念の為だ。
口径は7.92ミリ。8ミリと略す者もいる。
モーゼルライフルだ。このモデルはフルサイズとカービンサイズの物がある。前者は精密射撃や狩猟と言った用途に使われる。単眼鏡を取り付けるマウントが標準装備されている。
後者は歩兵や衛兵に大量配備されている。取り回しが良く、400メートル前後を射撃出来る。
デザートストーン正式採用小銃だ。
幾つかの国にも採用されているが、このモデルは握把に独特な滑り止めがついている。
荷物入れのバックから単眼鏡を取り出す。
受流したフルサイズのモーゼルに取り付ける。
ゼロイン調整をする為に屋内射撃場に向かう。
使用弾薬は通常の物より強力な狩猟用を選んだ。
皮肉にも戦場では人に向けてこの弾が使われている。
事務員が血相を変えて走って来た。
「ジャン先生!生徒が1人飛び出しました!」
全くもってダメだな!生きて連れ戻したら説教だ!
翼竜はプテラノドンみたいな奴です。
登場したモーゼルライフルは実際の物とやや異なるオリジナルです。




