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ライフリング  作者: 羽田憲二
第11章
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国境は血で染まった

ジャン率いるIAS部隊がザラスで市街戦を繰り広げている頃それは起こった。


「敵方より飛行物体多数!!」

ブルーランドとの国境を監視する兵士が報告する。


「全員警戒体制を取れ!無闇に撃つな!分かったか?」


「はい!!」


以前にジャンが派遣された場所とは違う。

国土が広い為国境線が長いのだ。

ここは首都からは大分離れているが、見通しが良い為に国境警備隊の人数や武装には力を入れている。

飛行機や戦車が普及し始めた現在では、対空砲や軽迫撃砲なども配備されている。


「小隊長!あれは翼竜です!」

「何!?そんなバカな!見せろ!」


部下がのぞいている高倍率の双眼鏡を覗き込む。

そこには50頭ばかりの翼竜が群れをなしてこちらに向かって来る。

グアグアとクチバシを上下にして威嚇している。

徐々に高度を下げて警備隊に向かって来る!


「敵兵はいないが構わん!対空戦闘用意!」

対空砲や重機関銃を兵士たちは構える。

一般兵はAKMやRPKのタンジェントサイトを高めにして対空射撃の姿勢を取る。


グアー!!グアー!!

バサバサと翼を羽ばたかせて襲いくる!


「撃て!!殺せ!!」

ダダダダダ!!

ボン!ボン!ボン!


小銃や機関銃の音に混じって対空砲の鈍い発射音が響く。翼竜はスピードが早い為なかなか当たらない。


「対空砲!左翼に弾幕を張れ!歩兵は各子に撃て!」


翼竜が散り散りになりつつも左翼側から降下して来る!

集団でしかもこれほどの数を相手にするのは世界を見渡してもココだけだろう。


昼の青空に黒い翼と赤い閃光が広がる。

対空砲の威力と小隊長の奮闘により10数頭を撃ち落とした。地上で悶えている翼竜にはAKMやRPKがすかさずトドメを指す。


「負傷者はいないか!?弾持って来い!」

なんとか戦線を維持しようと努力する。

まだまだ翼竜はいる。


一部の翼竜は対空砲の射線や旋回速度を見切って避けたり、歩兵が多いエリアを狙い始めた。

小銃などは本来対空戦闘や怪物の撃破には向かない。

「うわ〜〜!!」

「来るな!この野郎!!」


兵士が銃を近距離で乱射する。

運良く目玉や口内に弾を当てた兵士はなんとかなったが、そうでない兵士はクチバシで身体を貫かれたりした。酷い者は負傷したまま鉤爪で持ち上げられて上空から落とされた。


ジリジリと戦線に穴が空き始めた。

「緊急事態!国境にて翼竜襲撃!死者多数!維持出来ない!撤退する!」


「何!?おい小隊長!返事をしろ!おい!」


その後傷ついた兵隊は何とかして後方まで逃げて来た。助けを呼ぶ仲間を見捨てながらの撤退は涙が枯れそうになった。

「これは戦争なのか‥畜生!!」


国境線は翼竜に占領されてしまった。

何故だかそれ以上は攻めてこない。


小隊長は機関銃のグリップを握り締めながら息絶えていた。


即日すぐにブルーランドに向けて抗議をした。

そもそもあのエリアに怪物などが出た事は無く集団などありえないからだ。


返答は関与していない、だ。

見え透いた嘘を並べるのが奴らの手口だ。

しかしこれを口実に戦争が始まれば開戦当初から世論的に不利になる上に、ウッドランドからの援助も期待出来なくなる。

事実、敵兵はいなかった。


「困ったものだ‥ザラスの戦闘は目眩しか?なんて奴らだ。どちらも首都じゃないあたりが小賢しいな」

ストーナー司令にも連絡が来ていた。

マックは報告に驚いている。


「ジャンより連絡です。無事にザラスを解放。捕虜もいるそうです」


「わかった。こちらは片付いたな。ご苦労!」


「どちらへ?」


「やはりきな臭いからな。秘密警察に直接出向く」


デザートストーンとブルーランドは長年に渡り戦争を繰り返してきた。

お互いに兵器の性能を高めていった結果、これ迄に無い戦争の姿が浮かんで来た。

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