市街戦
暫く進むと武装した保安官や交通誘導の姿が目に入る。住民の殆どは避難したみたいだ。
目的地からは散発的に銃声が聞こえる。
「停車!」
俺の指示で車列が停まる。
全員を下車させて保安官の代表と挨拶する。
「お待ちしておりました。ザラス保安官のカインです」
「IAS隊長のジャンだ。状況は?」
「首都への道と隣町への道は我々が完全に包囲しています。敵は重武装ですが、車両で逃げる気配はありません。完全に籠城しています」
「何か要求は無かったか?あまりにも無謀だ」
「暴れるだけ暴れてそれから篭りっきりです。拡声器で呼びかけは続けていますが、返ってくるのは銃弾です」
「こちらは強硬手段しか取れない。銃火器の使用許可は得たが、人質や逃げ遅れはどうなっている?」
「力及ばず、先程1人‥」
「そうか‥ここからは我々が対処するが、道の封鎖と検問はまだ続けて欲しい」
「はい!‥御武運を」
それから比較的安全な道まで車列を進めた。
スーパーが見えるエリア手前で輸送トラックのみ停車させた。この場所を後方とする。
M113を盾にして戦闘員20人が進む。
俺は小銃は持たずにガバメントと双眼鏡を手に移動する。横には通信兵がいる。
2両からやや離れてバズーカ部隊もついて来る。
敵もキャタピラの音で勘付いているだろう。
例のエリアに来た!
双眼鏡で辺りを見まわした。
「擲弾兵、煙だ」
GP25射手に指示を出す。
ポンッ!
少し離れた道にスモークグレネードを数発撃ち込む。
敵はやけに静かだ。
煙が敵の視界を奪い始めた頃。
「前進!」
キャタピラの音に続いて警戒しながら俺たちは進む。
ズザザザザザ!!
ボボボン!ボボボン!
まずはスーパーの屋上と1階からの攻撃だ。
M60とARが激しく抵抗する!
カキーン!ピキーン!ピュン!!
装甲に無数の銃弾が降り注ぐ。
ドドドドドド!!
ダダダン!ダダン!ダン!ダン!
負けじとM2とAKMが反撃する。
シュバ!!グアっ!
屋上にいたM60射手がM2の弾丸で吹き飛んだ。
肉片が飛び散る音がハッキリ聞こえた。
「まずはスーパーだ!!突っ込んで制圧しろ!」
上からの攻撃を沈黙させた後にM113で突撃する。
バリバリ!!ガシャーン!
残されたガラスや壁をブチ破る。
それに便乗して戦闘員も突入する。
敵兵の一部は裏口からアパート方面に逃げたが、殆どを制圧できた。
「通信兵!こちらへ」
「はい!」
「こちらジャン。スーパー制圧。更に前進する。後方部隊はスーパーまで前進。バズーカ部隊はこちらに合流せよ!」
無線で後方部隊がくるまで待つ。
おそらくこの間に敵はある程度体制を立て直しているだろう。道路は封鎖している為、焦らず進む。
「隊長!」
「よし来たな、行くぞ!」
スーパー駐車場にトラックを停めて俺たちは先に進む。もしかしたらトラップがあるかもしれない。
護衛1人を連れて偵察に行く。
アパート以外にも敵はいるはずだ。
曲がり角に近づいた。かなり怪しい。
歩道沿いを警戒しながら進む。
ズダーン!!ズダーン!!
アパートとは対角線になっている住宅から狙撃された。護衛が反撃するが離れた距離だ。
それと同時にアパートからはM60やARの銃声が響く。かすかに人の叫び声も聞こえる。
十字砲火だ!道は狭く曲がり角は装甲車にとって危険だ。まずは狙撃兵をなんとかしなければならない。
素早く引き返す。
「隊長!大丈夫ですか?」
「あぁ大丈夫だ。バズーカ部隊前へ!」
肩に担いだ筒が目立つ。
「アパートの対角線上に狙撃兵がいる。恐らくセミオートだ。こちらで隙を作るから家ごと吹き飛ばせ!」
「はい!」
M113では曲がり角に出てしまう為、戦闘員6人にバズーカ部隊の援護を任せる。
「よし!撃て!」
民家や外壁を縦にしながらAKMを撃ちまくる。
GP25も大体の位置に榴弾を投射する。
ボーン!!ボーン!!
ズダーン!!ズダーン!!
うあっ!!
我が部隊に初の負傷者が出た!
通信兵の無線を借りる。
「衛生兵前へ!弾薬も持って来い!」
その間に2人がかりで負傷者をひきづった。
ボシュッ!!ボーン!
バズーカにより敵狙撃兵は沈黙した。
その後アパート以外の建物からも銃撃を受けた。
恐らくコチラを誤魔化す為だろう。
負傷者を衛生兵に任せたのちにに弾薬の補充をする。
曲がり角を通過する前に手鏡でアパート側を確認する。
丁度道路の正面がアパートになっているが駐車場や看板などでややズレて見える。
光の反射に気づいたらしく狙撃兵や機関銃手が撃ってくる!
素早く角に身を潜める。
可能であれば回り込みたい。
そういえば敵兵の一部は別の道を通って合流していたな?これは使えるぞ!
「お前たち10人は1両を縦にして奴らが逃げた方へ進め!片付いたらアパートの裏から攻撃しろ!」
「はい!」
「残りは俺とこの角を進む。装甲車前へ!!」
キャタピラが道を傷付けながら曲がる。
同時に凄まじいお出迎えが来た!
ズザザザザザザザ!!ボボボボボボン!!
全力射撃でコチラを攻撃してくる。
M2やAKMで応戦しながら進むと道の左右が爆発した!
仕掛け爆弾だ!2人が足と腕を負傷した。
「ハッチ開けろ!」
装甲車に2人を押し込んで戦闘を継続する。
最後尾にいたバズーカ部隊が火を吹く!
ボカーン!!ボガーン!!
扉や窓ごと敵を吹き飛ばす。
人質は諦めるしかない。
なんとか駐車場付近まで到達した。
まだ敵の発砲が続いている。
そうしている間にアパートの後ろ側からキャタピラの音が聞こえた。
戦闘員の1人が敵の死角からハンドサインを送る。
俺は装甲車の影に隠れながら突入しろと合図を送る。
注意を引くためにアパートめがけてこちらの部隊が凄まじい連射をする。
GP25の榴弾もじゃんじゃん使う。
アパートの壁や扉はアート作品のような酷い有様だ。
突入部隊が階段を登り切るまで援護した。
「撃ち方やめ!!」
素早く隊員が突入して各部屋を制圧する。
ダン!ダン!
小刻みにAKMの発砲音が聞こえる。
制圧完了。負傷者の手当をさせつつ、敗残兵がいないか街を調べる。
後方部隊と保安官に連絡をして手伝って貰う。
後から3人の敵兵がボロボロになって見つかった。
素直に投降してきた為捕虜にした。
負傷者を出しつつザラスを解放した。
人質は全員死亡した‥




