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ライフリング  作者: 羽田憲二
第10章
112/140

血染め丘 前編

一泊後に全員が目的地へ着いた。

群れはまだ見えないが畑などが大分荒らされている。


「大臣のリカードです。駆除立会と視察を兼ねて参りました」


「ありがとうございます。ご覧の通り酷い有様です」

農夫の代表が低いトーンで話す。



かつて畑だと思われた場所は足跡と糞と毛だらけでめちゃくちゃになっていた。

元は区間分けなどをしていた腰丈の柵はバラバラになり意味がない。


畜産エリアに移動すると凄い事になっていた。

数頭の牛や羊が息絶えており、その他は傷だらけで疎に歩いている。


そしてその少し向こうの丘に黒い群れがひしめいている。


「あれがバイソンか‥」

「生命が幾つあっても足りないですよ‥」


2本の太く短い角だけがギラリと光っている。

体長は3メートルほどか。全身毛だらけで瞳も体毛も同じ色だ。全体的に筋肉質で威圧感がある。

その群れが眼前に広がる。


「奴らは何処から?」

リカードとバートが尋ねる。


「去年の話では100キロ以上北のエリアにいたみたいです。南下して今に至ります」


「討伐はこれまであったのですか?」

ハンター代表が聞く。


「200キロ北の人々が長年対処していました。しかし、国の発展に伴って首都に少しずつ流れて行きました。年々数を増やす一方でどうにも‥」


生態系というのは人間も絡んでくるという事だ。


「銃弾は通用しますか?」

軍の指揮官が一番聞きたい事を言った。


「ピストル以上の物なら‥しかし数発撃たなければなりません。それにスピードが早く反撃される可能性もあります。何より数ですよ!」


一同が農夫の家で作戦会議を開く。

「指揮官はSPの私だ。軍もハンターも従って欲しい。これは大臣命令だ」


「了解!」

「承知!」


「意見具申宜しいか?」

軍の指揮官が言う。


「どうぞ」


「我々の人数は5人。新型の対物ライフルは2人一組だ。それに小銃が一丁。下車戦闘になる為配置をよく考えて欲しい」


「その対物ライフルを確認したい」


「アレを持ってこい!」

「はい」


2人の兵士が抱え上げるようにして持ってきた。

農夫のリビングが狭く感じるほどのデカさだ。


「ラハティ対物ライフル。セミオート10連発。最新式です」


外観はこれまでの対物ライフルより一回りデカい。

特に銃身周りやコッキングハンドルが大砲みたいだ。

目を引くのは上部に取り付けられた大きな弾倉だ。

口径は20mm。

それを聞いただけで凄まじい威力と分かる。


「我々SPとハンターは装甲車と馬で移動しながら戦います。軍にもトラックはありますがその装備では難しそうですね」


「ええ。決して協力を拒む訳ではありません。我々のトラックはいざという時の脱出用にしましょう」


「了解です」


それから地形や人数、武器配置など指揮官同士で話し合っていた。

俺たちは一応話を聞いているが話す機会は無かった。


人数が多い為各部隊のリーダーと大臣以外は外で野宿だ。テントやトラックもあるし問題は無い。


ハンターたちがSPと兵隊を野外鍋に誘ってきた。

ご丁寧に大きめの鍋を馬に乗せてきたらしい。

部隊の垣根を越えて楽しく集まる。


「コイツは何の肉だい?」

ザックとマチルダが聞く。


「へへっ!クサリヘビだ!」


「なっ!!」


俺は以前よりダンから勧められていたから問題は無かった。2人は面をくらっていた。


バイソンの群れは意外と静かだ。

昼に動き回るのならこちらも安心だ。


美味い飯を平らげていよいよ準備にかかる。

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