新•外務大臣
裏稼業では散々やらかしていたエリアスだが、表稼業はかなりの腕だったらしい。
外交は我が国の肝だ。確かに頑張れば自給自足出来ない事も無いが反乱が起こるだろう。
急遽新しいポストに据えられた人物がいる。
ジョディ議員。これより外務大臣として活動する。
年齢39歳。俺より少し歳上だ。
鋭く整った顔立ちに政治家とは思えないスタイルの良さだ。パンツスーツが似合う。
元は領事館長を務めるなど国内外の事情に詳しい。
まぁしっかり仕事してくれれば文句はない。
「今度の外務大臣、ヤバいらしいぜ?」
「呆れたね、事実ならアタシはゴメンだよ」
「よく分からんが、ジャン気を付けろよ」
3人して何を言うんだ。俺は揶揄われているのか?
しかし本気で心配しているらしい。
まだ護衛についた訳では無いが一応警戒しよう。
しばらく任務から解放だ。
久々に家族団欒だ。
出来ればダンも交えてやりたい。
「パパ何処にも行かないで‥」
「どうしたケイト。行かないよ」
寂しがるなんて可愛い娘じゃないか。
レベッカも何故か心配している。
「貴方のおかげで暮らせているわ。でも私も心配なの。何故だか分からないけど‥」
「どうしたお前まで?らしくないぞ。ダンに手紙でも書いてやるか?土産も添えてな!」
「ありがとう‥離れないでね?」
「おいおい、どうしたレベッカ‥」
一体何なんだ?俺に何が起きている?
その理由が分からないまま時が過ぎた。
また数日してダンから手紙の返事が届いた。
《お兄さん、お手紙ありがとうございます。相変わらず元気にやっています。最近は鉱山護衛の全体的なリーダーになれました。忙しいですが、以前より給料も増えて余裕が出来ました。それから交際している女性がいます。後で姉さんたちにも合わせたいです。それよりも嫌な予感がします。何故だか分かりませんがお兄さんに関係しているみたいです。縁起の悪い事を言ってすみません。お身体に気をつけて》
ダンより
ん?アイツまでなんで俺を心配しているのか。
よく分からんが気をつけろという事だな。
そうらしいな。
多分な。
…まさかな‥
それからまた日が経ち、ジョディ議員の護衛をする機会が訪れた。
なんだか朝から3人が俺に遠慮している。
まるで介護だ。
俺はまだ老耄ちゃいないぞ?
「護衛班。到着致しました」
バートが気持ちよく挨拶する。
「あらそう。宜しく。それより早く彼に会わせて」
口調は落ち着いてるがその眼力たるやオーラが凄い。
「は、はぁ。では連れて参ります」
バートは申し訳なさそうに俺たちに振り返った。
「ジャン。お前が外務大臣専属になる。俺たちはその他護衛だ。スマン、俺にはどうにも出来ん!」
!?は!?
この間と今日で何なんだよ!
それからまだ護衛まで時間があると言うのに俺は1人でジョディ大臣のいる執務室へ向かった。
さぁて‥どうなる?




