若いね~
うまくいってるといいな。
事務作業をしながらあることを考えていた。バイトの子たちについてだ。
一人は和也君といってここの近くの高校に通っている男の子。もう一人は高校こそ遠いものの家がこの近くにある結ちゃんという女の子。
ここだけの話、結ちゃんは和也君のことが好きみたい。
いつもシフトを決める時にこっそり和也君のシフトを聞いてくる。
最初はなんでだろうと思っていたがその後に提出した結ちゃんのシフトを見れば一目瞭然だった。
出勤希望日が和也君と全く同じ日なのだ。
まぁ、当の本人は気が付いてないみたいだけど。
だから今日の出来事はいいきっかけになったと思っている。
さっき和也君に頼んだ買い出しを口実に結ちゃんと今人気のお店のある商品を一緒に食べて来てもらっている。
結ちゃんに提案した時はものすごく喜んでたしこれである程度進展してくれたらと思っている。
そんなことを考えているとお客さんが入ってきた。
「いらっしゃ...あれ?」
出迎えてみるとそこには和也君と結ちゃんともう一人見たことの無い大人な女性がいた。
結ちゃんの表情は今までに見たことの無いほどさわやかな笑顔だったが反対に和也君の表情は意気消沈といった感じだった。
「どうしたの?もう帰ってきたんだ」
「少し用事が出来まして。店長、あそこのテーブル使ってもいいですか?」
「え、いいけど」
「ありがとうございます」
そう言って三人は移動する。どうしたんだろうか。
ほかのお客さんの相手をしながら三人の会話に耳を傾ける。
「で、二人はどのぐらいの頻度で会ってるの?」
「だからこの人は...」
「なに?」
「なんでもありません」
和也君完全に委縮しちゃってるよ。
「頻度で言えば平日毎日会ってるな」
「ま、毎日!?時間的にはどうなんですか!!」
「一日一時間ぐらいだな」
「勝った!」
結ちゃんが質問して女の人が答えるという構図。
和也君をこちらに呼ぶ。
「どうしたの?」
「行ったお店で知り合いにばったり会ってしまって」
「あぁー、二人はどういう関係なの?」
「俺の学校の先生でして」
「なるほど」
あの人は和也君の先生らしい。結ちゃんはきっと和也君の話を聞かずに勝手に暴走しているって感じかな。
恋は盲目っていうけどほんとだね。
「それで和也とはどこまで進展しているんですか!!」
今も必死になって先生を問い詰めている結ちゃんを遠巻きに眺めている和也君はどこか疲れている。
いやー、若いっていいね。
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タイトルは『後輩がかわいすぎて怒ってもいいですか?』 です。
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