口実
七瀬に責められているこの状況。誰か助けて...。
「まぁまぁ結ちゃん。和也君も反省していることだしさ。許してあげてよ」
すると店長が助けてくれた。
さすが店長!略してさす店!
「でも...」
「まぁまぁ」
そう言って店長は七瀬に何か耳打ちしていた。すると七瀬は目を見開き驚いた顔をしていた。
何を話しているんだろうか。
話し合いが終わったのか二人して俺を見てきた。
「まぁ、今回は許してあげる」
許してもらえたらしい。
「あとで一発、ね」
そう言いながら右ストレートを繰り出していた。
やっぱり許してくれないらしい。
その後、俺も着替えを終えて接客に出る。すると店長が近づいてくる。
「さっきは災難だったね」
「よくよく考えると店長のせいですよね」
「そうとも言えるね」
許すまじ、店長。
俺は店長を睨みつける。
「まぁまぁ、そんな怖い顔をしないでくれよ。今度何か買ってあげるからさ」
「...ゲーム」
店長はやれやれといった感じで二本指を立てた。
よっしゃ!これで新作のゲーム二本分のお金が浮いた!これはかなり大きいぞ。
そんなこんなで働いていると急に店長に買い出しを頼まれた。
店長から買い出しのメモ帳を渡されたので中身を確認せずにそのままポケットに入れた。
「七瀬はどうしますか?」
「結ちゃんももちろん一緒に、ね」
ということだったので七瀬に教えようと思ったらもう既に準備が終わっていた。
「何してるの、早くいくよ」
「早いな。ちょっと待って」
俺も急いで準備をする。七瀬は珍しく買い出しだというのに私服に着替え直していたので俺も合わせて着替えた。
「それじゃあ、行ってきます」
「気を付けてね~」
店長に見送られて二人して店を後にする。
さっきのこともありどこかギクシャクしている感じがある。
チラチラと横目で七瀬の表情を確認する。
すると七瀬が話しかけてきた。
「さっきから何?」
「え、いや、別に何にもないけど」
「ふーん」
そう言ってスタスタ歩いていく。置いていかれないように後ろについていく。
ある程度歩いたところで急に七瀬が立ち止まった。いつも買い出しに行っているところまではまだだいぶあるはずだが。
「ついた」
「え?」
見てみるとそこには一軒のカフェがあった。ここは最近できたばかりの話題のお店としてテレビにも特集されているほどのところだった。
ここに何の用なんだろうかと思っていると急にお店の列に並び始めた。
「お、おい!買い出しはどうするんだよ!」
「和也、店長からのメモ帳見てないの?」
「メモ帳って...」
ポケットにいれたメモ帳を取り出して見てみるとそこには『最近話題のカフェの偵察をお願いね~』と書かれていた。
買い出しじゃなかったのか。
「そういうことだから」
そう言っている七瀬の顔が少しニヤけているように見えたのは気のせいだろう。
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そして次回!
みんなが大好きなあの人の登場ですっ!お楽しみに!