女の子ってわからない
ようやく最新話更新する事が出来ました!!
ブックマークを外さないでここまで読んでくださった皆様に感謝です!!
俺はいま帰路についている。だが珍しく一人ではない。なんと女の子、しかも美少女二人と一緒に帰っているのだ。
はたから見ると両手に花という言葉が浮かんでくるだろう。実際に状況だけを切り取るとそういう感じになる。
だが実際はそんなかわいい言葉では表せないほどに空気が重い。
はぁ、なんでこんなことになったんだよ。
♦ ♦ ♦ ♦
「どういうことかな?」
「どういうこととは...」
大鳥さんと一緒に帰る約束をしていて図書室で待っていると東雲先輩も用事があるといって図書室に来た。そこで話していると大鳥さんが部活が終わったらしく図書室に来た。
...別におかしいことはないよね?
「な、なにがですか?」
おそるおそる尋ねた。
ひぃっ!笑顔なはずなのに目が笑ってないというか体から黒いオーラが出ているような...。
「和也君?」
「はい!」
「今から二人で楽しくイチャイチャしながら帰るのかしら?」
「イチャイチャって、別にそんなことはしませんけど」
「なら私も一緒に帰っても問題はないよね?」
「...え?」
「ないわよね?」
先輩の綺麗な顔がすぐ目の前まで迫ってきた。
近くで見ても綺麗な顔だなーと場違いな事を考えていた。
「な・い・わ・よ・ね?」
「な、ないですけど」
そう言って大鳥さんの方をチラッと見る。未だに状況が理解できていないのかあたふたしているだけだった。まぁ俺も理解できないんだが。
「お、大鳥さんにも聞いてみないと...」
「なぜ彼女に聞く必要があるのかしら。私は君に聞いているんだけど」
大鳥さんに振ることで逃げれるかと思ったがなかなか逃がしてはくれない。
どうするんが正解なんだろうか、と思っていると大鳥さんが話しかけてきた。
「わ、私はいいですよ!三人で帰りましょう!」
助け舟を出してくれた大鳥さんは天使のように見えた。
♦ ♦ ♦ ♦
こうして冒頭のように三人で帰っている状況になった。
もっとこう会話が弾んで家に着くまでがものすごく早く感じるものだと思っていたがそんなことはないらしい。ものすごく長く感じる。
「そ、そういえば大鳥さんは何の部活に入っているの?」
何とか会話をしようと話題を振ってみる。
「私はテニス部のマネージャーをしています!」
「そうなんだ」
「マネージャーに興味があったので」
こんなにかわいい子に応援されてるんだからテニス部も頑張ってるんだろうな。
「先輩は何の部活に入っているんですか?」
「俺?俺は帰宅部だよ」
「...何も入っていないってことですか?」
「いや、帰宅部に入ってるよ」
「は、はぁ」
この人は何を言っているんだろうかみたいな目で見られた。
「いかに効率化を極めて安全に気を配りながら無駄なく帰ることが出来るかを検証する部活なんだよ」
こんなことを言っているが実際は「学校から一緒に帰る友達もいないからボッチになり道端にいるリア充に目を付けられないように気を配りながらいかに疲れないように家にたどり着けるか」となる。
「す、すごい部活なんですね」
大鳥さんは若干引いていた。
言った俺自身もちょっとないなと思った。
「それに人助けをしたこともあるんだよ」
そう言うと大鳥さんがなぜか過剰な反応を見せた。
「そ、それって具体的には...」
大鳥さんが何かを言おうとしたら東雲先輩が割り込んできた。
「その高尚な目標を掲げている部活には新入部員の募集はやっているのかな」
「...新入部員ですか」
そもそも俺専用に作られた部活だからそんなものは当然ない。
「部員の募集は...」
やってないですねと言おうとしたら
「わ、私入部希望です!!」
と言われた。いや、だからね部員の募集は
「私も入るわ!」
...やってないんですよ。人の話を聞かない。
「大鳥さんはもうすでに部活に入っていますよね?兼部は認められていないんですよ」
「そういう会長さんも部活に入っていますよね?」
「生徒会役員は部活に入らなくてもいいことになっているから私には入部資格があるんですよ」
二人して笑顔で言い争っている。いや、そもそもだ。
「部員の募集なんてものやってないんですよ」
そう言うと二人は渋々といった感じで言い争いをやめた。
そうこうしていると家についた。二人を送り届けようと家はどこかと尋ねた。
二人して家の方向を指さした。...今来た道を指していた。
なんでここまで来たんだろうか、不思議だな。
送ろうとしたら大丈夫と言われてしまった。そのまま二人は笑顔のまま来た道を帰っていった。
本当に大丈夫なんだろうか。そう思いながら二人の背中を見送った。
翌日、学校につくとある話題で盛り上がっていた。
「おい、見たか!」
「見たぞ!会長と大鳥さんが二人で仲よさそうに話してたよな!」
「女神と天使の戯れ...」
「尊い...」
男子達が楽しそうに盛り上がっていた。
そんな光景を俺は昨日のあれは何だったんだろうかと心の中で思って眺めていた。
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