表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

episode9 ゴーレムロンド

お互いが元宮廷魔術師だとわかったリベールとベガは意気投合し、新しい魔法の開発に乗り出す。

ベガと俺は一通りお互いの技術を確認した後、

協力してある魔法を開発することにした。

その名も『ゴーレムロンド』。

単体で出すのがやっとのゴーレムを

小さくするかわりに、複数体出す大型魔法だ。


苦心を重ね、眠れない夜を過ごすこと一ヶ月。

ついに魔法が完成した。そして、その魔法を試す機会も

早くやってきた。


「ちょっと!アルがまた村にやってきたわよ!」

俺とベガが燃え尽きた顔で紅茶をすすっていると、

ジェシカが駆け込んできた。

「来たか。いい機会だな。」

「いい機会ね…」

不気味に笑う2人にジェシカはドン引きするのだった。


---------------------


広場に行くといかにも盗賊団って感じのゴロツキどもが、

わぁわぁ騒いでいた。こんなのが役人だから世も末である。


「お前ら何の用で来た!」

集団に向かってそう叫ぶと、アルがこっちを見てゆっくりと

歩いてきた。


「これはこれはリベールじゃねえか、元気してたか?」

アルは気持ち悪い笑みをニヤニヤ浮かべる。

「おかげさまでな!」

怪我をした腕を見せつけるとアルは嬉しそうに笑う。まさに人間のクズだ。


「俺様が可愛がってやってた村が最近性懲りも無く、復興してるってんで

 ちょっと見に来てやろうと思ってな。」

言い終わるとアルは懐から一枚の紙を取り出した。

(ラヌゼルタ村の徴収命令…か)

どこから手に入れたのか王様のサインまでついた徴収命令書だ。

税率は現資産の100%と内容はめちゃくちゃな内容である。


「死にたくなかったら全財産をよこしな!」

言い終わるとアルとその仲間は武器を引き抜き威嚇し始める。

家に隠れている住民からは思わず悲鳴が漏れる。


「そうはさせん!『ゴーレムロンド』!!」

詠唱と共に地面に杖を突き立てると、ゴーレムが17体現れ、アル達を囲んだ。

「ヒィッ…」

逃げ場を失ったアルとその手下はダラダラと汗を流す。

ゴーレムはジリジリと間合いを詰め、さらに追い詰めていく。

すっかりゴーレムに包囲されたアルたちはついに両手を挙げて叫ぶ。


「わかったわかった降参だ!」

「許してやってもいいが、二度とこの村に立ち入るなよ?」

「わかったって」

そうしてアル達は退散して行った。

「あいつらまた来るんじゃない?」

ベガは汚物を見るような目線でアルたちをにらみつける。

「そうだな、今度は地方騎士とから連れてきそうだ。」

俺とベガは腕組みしながら、逃げていくアルを見守った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ