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○○と僕  作者: とりあたま
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アニメと僕

 この歳になっても、好んでマンガを読むくらいだからアニメも勿論嫌いではない。子供の頃は、結構な本数を見ていた。


 僕が幼い頃はテレビというものは家族で共有するものだった。自室にテレビがあるなんていうのは、子供に甘い親がいる裕福な家庭くらいだったのではないか。


 その上、僕の親は厳しい方だったのだろう。好きな番組を見ることが出来る時間には、制限がかけられていた。その時間は何と1日30分だ。さすがにこれは小学校を卒業するまでだったけれど。

 時間制限がある上に、野球中継やN○Kの番組を見たがる父親とのチャンネル争いまである。


 当時は不満ばかり感じていた。しかし、今振り返ってみると、どの番組を見るかを子供ながらに真剣に考えることは、そんなに悪い経験ではなかったように思える。


 また、録画機器など一般の家庭にはまだ普及していなかったから、一度見逃すと大変だ。

「ガン○ムが始まる」と土曜の夕方、習い事から全力で帰宅していたことを今でも覚えている。


 とりあたま少年が好んで見ていたのものは、やはり男の子の心をくすぐるロボットものが多かった。

 そしてファーストガン○ムとの衝撃的な出会い以降は、サンラ○ズ系の作品をよく見ていた。


 特にエキセントリックな言動で有名な某お禿監督にはお世話になった。まあ子供なので、ストーリーよりメカに魅力を感じていたのだが。

 お禿様は今でも好きで尊敬している。この方について書くと長くなりそうなので、ここで触れるのは止めておく。


 小学生の頃は、このようにアニメをよく見ていたのだが、中学生以降になるとあまり見なくなっていった。


 原因は色々あるが、当時アニメ好きな中高生に対するイメージは今よりも酷いものだったというのが最大の理由だろう。それを一言で表現すれば「気持ち悪い」というのが適切だろうか。

 色気づく年頃だし、周囲の視線も気になる。「アニメが好き」なんて格好悪いし、何より女の子にもてない。

 今考えてみればしょうもないのだが、この年頃の男なんて、リビドーに支配された猿みたいなものだ。仕方がないのであった。




 再びアニメを見るようになった転機は、大学進学による一人暮らしだ。


 自分で自由に使えるテレビとビデオがある。当然エロがメインなのだが、レンタルビデオ店で懐かしのタイトルを見つけて、ついでに借りるようになったのがきっかけだった。

 人目も気にしなくてよければ、時間制限もない。ビバ(死語ですな)一人暮らしとばかりに、結構な数を見た覚えがある。


 まだ見ていない面白そうなものを探すのは楽しかったし、子供の頃に見たものを見直すのも面白かった。

「よくあんな時代にこんなもの作ったな。お禿様はやはり凄い」と、ザ○ボット3を見直して衝撃を受けたのは良い思い出だ。


 そして現在に至ると言いたいところだが、最近は滅多にアニメを見なくなってしまった。

 アニメを観賞する為の環境は、幼い頃とは比較にならないほどなのに。やはり年齢なのか。いい歳してアニメなんか見てどうすると本能が止めているのか。




 別にどうでもよいことなのだが、何故なのか考えてみた。本当にしょうもないが。


 僕はどんなものを好んで見ていたのか、振り返ってみて気付いたことがある。それはオリジナル作品が多いということだ。


 ジャ○プの黄金時代に掲載作品が次々とアニメ化されたのだが、あまり関心がなかった。Dr.スラ○プやド○ゴンボールや北○の拳、キ○肉マンというようなメジャーなものすら碌に見ていない。

 これらは作品が嫌いな訳ではなく、原作(マンガ)は好きでよく読んでいた。


 そう言えば最近のアニメは、マンガやラノベを原作としたものが多い。

 僕はどうも原作付きのアニメが苦手らしい。あまり意識したことはなかったのだが。


 つい最近N○Kにチャンネルを合わせていたら、3月のライ○ンのアニメが流れ始めた。この作品は原作(マンガ)は好きで、単行本も購入している。

 なんとなく眺めていたが、その内見る気はなくなりテレビを消してしまった。だって、わざわざアニメを見なくても、その先のストーリーはもう知っているのだ。

 これが僕が原作付きの作品を好まない主な理由なのだろう。


 それに加えて、原作(マンガやラノベ)の登場人物は動かないし、喋らない。これを自分のイメージで補完する。このイメージとアニメのそれが一致することは、僕の場合はあまりないのだ。


 子供の頃、大好きだったマンガのアニメ化を楽しみにしていたら、第一話を見てガッカリしてしまったことを思い出した。主人公の声があまりにイメージとかけ離れていた上に、映像もお粗末に感じられたからだ。

 原作付きのアニメには、既に原作を読んでしまった人が築いてしまったイメージとの闘いがある。大変ですな。




 過去に「社会現象」とまで言われた作品を思い返してみる。


 地上波放送なら「ガ○ダム」や「エヴ○」、最近なら「ま○マギ」も入るのだろうか。皆アニメがオリジナルだ。映画も付け加えるなら、「君○名は」も含まれるだろう。


 オリジナル作品をリアルタイムで観ている場合には、妙な先入観はないし、「この先どうなるのか」というワクワク感がある。これが視聴者の熱狂を煽る一因なのは否めないだろう。


 だからと言って、原作付きのアニメを否定したい訳ではない。


 原作を未読でアニメから入った人は、原作のイメージに左右されることもないし、先のストーリーも知らない。オリジナルと同義だ。

 また商業作品なのだから、アニメを足掛かりにして原作を更に売ろうとするのも何らおかしなことではない。

 それに僕は既に知っている原作を、わざわざアニメで観たいとは思えなくなっているが、自分の好きなキャラクターが動いて喋るだけでも堪らない方も多数いるだろう。


 どんな分野でも、その人なりの楽しみ方がある。それは各々の自由だから好きに楽しめばよいのだろう。

 ただ僕には最近のアニメは合わないから、見なくなっていただけのことだ。本当にしょうもない話だ。


 オリジナル作品は好きだが、まだ「君の名○」は観ていない。わざわざ映画館に足を運んでまで、直ぐに観たいとは思えないだけのこと。どうせ嫌でも地上波で流されるだろうし、その内お金さえ払えば、自宅で映画館より安い金額で観ることができるようになる時代だ。


 便利な世の中になったものだが、不自由だった頃を懐かしむ気持ちもあるのだ。

 子供の頃は、制限された環境で見る番組を選んでいたからこそ、その作品が本当に面白く感じられたのかもしれない。

 なんて思いながらも、では昔に帰りたいのかと問われれば、当然のように今の方が良いのである。


 人間なんて勝手なものである。


 しょうもない話をつらつら書いていたら、お禿様についても書きたくなってきてしまった。


 次回があれば、多分「お禿様と僕」になるだろう。


 断っておくがお禿様はしょうもなくはない。凄い人である。少なくとも僕にとっては。



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