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選ばれた若者は罪人  作者: ツクシ
1/2

サツジン

またやった…


機能しない頭を働かせながら、今日もSNSを開く。



【殺人鬼】


恐らく生きた中では飽きるほど見たであろうこのワード、目に焼きつきては忘れまいと脳が働きそれを読み込んでいく。



『関係ないじゃすまないんだよなぁ。』



寝癖がついた髪をかいてぼやく。______だが今回は“はいそうですか”とも言ってられる問題でもない。



【的確に心臓を撃ち抜かれた死体】



ここ最近で、8件以上起きているこの連続殺人。犯人は見つからず、今も東京都内を騒がせている。


無理もない。


この男を誰が疑おうか…側からみれば一般市民といわれる類のこの男を。





その世間を騒がす連続殺人の犯人などと。




__________________________


殺人と一言で言っても、悪意のあるもの、他者を守らんがための行動。言い換えれば様々な捉え方ができる。


この男もまた、理由があっての行動に含まれるのだろう。




【一週間前】

〜渋谷・スクランブル交差点にて〜




男子「____!カラオケ寄ってこーぜ!」


『おお!いいな!カラオケなんて久しぶりだ!』





なんでなんだろうな…。


世の中は常に、理不尽・エゴで溢れかえってる。

どれだけ、普通に生きてこうと理不尽は人を選ばねえ。


まあ要するに、日常に溶け込んでいる奴を狙ってくる。



こんな風にな…





その日は、雨がずっと降ってたな…

俺と学校の奴らでカラオケ行こうって話になってさ。ちょうどスクランブル交差点を歩いてたわけ。

そん時だった、変なおっさんが話しかけてきてさ〜。最初夏期講習かなんかの誘いかと思ったから、構わず行こうとしたんだけど…



【パァン!】



どっかから銃声がした。

悲鳴が聞こえて、そしたら急にうなじが熱くなったんだ。そりゃもう燃えてんじゃないかってくらいな。

そんでやっと気づいた。

俺が撃たれたんだって、周りは俺をみて一歩二歩と下がった。俺が浮き彫りになった状態、すげえ惨めだった。



意識がもっていかれる前に、そのおっさんが

《楽しめよ…理不尽を。》

なーんて、寒い捨て台詞吐いてどっか行っちまった。


それっきり…

意識のない俺を、野次馬の誰かが呼んだ救急車に運ばれて一命をとりとめたってお袋が後で教えてくれたっけな?



まあここまでは余談、ここからだ本題は。


夢を、見たんだ。


____馬鹿げてるよな…意識がないはずなのに…夢を見れるっつう事は、意識があるって事と同じ。(頭の弱い俺でもそんくらいわかる)____



誰かがどんどん死んでく夢。

悪夢だぜ、ありゃ。


血溜まりの中にな、妹がいた。

人間にとって一番大事な、心の臓が止まった状態の妹が…。



【ドクン…ドクン…】


動悸が激しくなって、何かが切れる音がした。


そして気がついた時、辺り一面燃えていた。死体も何もかもが焼けて、変な匂いがしたけど…



?「まずは一人、貴重な鍵だ。大切にするんだね。」



そこで目が覚めた。

何故か自分の名前だけ抜け落ちた、中途半端に記憶のない“オレが”。



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