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第八話 悪魔のつぶやき
「そうか。君には病に伏した母親がいるのか。大変だな」
「いえ、それほどでも――」
「早い内に孝行するのだぞ? 母上が生きておられる間にしかできないのだからな。あ、今のは別に深い意味とかないぞ?」
「は、はあ……」
「おお、故郷には妹も残してきているのか。王都とは随分離れているから心配だろう。もし彼女に何かあっても、すぐには知らせがこないしな。あ、これも別に深い意味とかないぞ?」
「……」
「さて。念の為にもう一度だけ聞いておこう。この計画を君に指揮してもらいたいのだが」
「ぜひ私にやらせてください」