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第三話 ちょうどいいヤツ
しかし。頭のネジが何本飛んでいようと、王様は王様です。この国で一番えらい人なのです。王様の命令によって、『需要を減らす』政策の準備は着々と進んでいきました。
あとは作戦の指揮官を決めるだけ。王様は宰相を呼び出して尋ねました。
「ねえ宰相。誰かちょうどいいヤツいない?」
宰相は口ひげを撫でながら答えました。
「はい。適任の者を存じております」
「あ、そうなんだ。よかった。じゃあ、後は任せるわ」
「畏まりました」
謁見を終えると、宰相はおつきの者に命じました。
「エルヴァを呼べ」




