第十三話 ナナ=バルトシュタイン
今更ながら、一言。
この話は予めプロットを組んでいるわけではありません。その場の思いつきで日々更新しています。
なので設定にブレが出ることも多々あります。前回とか。平和な国なのに街中に武器屋があったりするのは何でかなぁ。これは致命的じゃないかなぁ。……ええ。反省しておりますとも。
まあ、細かいことはギャグのギミックとしてごまかしながら、今後も頑張って行きたいと思います。
腰まで伸びた艶やかな黒髪に宝石のような紺碧の瞳。愛くるしい顔立ちやふりふりのドレスが似合う小柄な体躯からは想像もつきませんが、これでも十五人もの女の子を誘拐し、彼女らの人間性を破壊した、真性の凶悪犯罪者です。
彼女は名をナナ=バルトシュタインと言いました。
今は犯した罪を問われ、王宮の一室に監禁されています。といっても、どうして大人しく捕まったのかが不思議なくらい、彼女は強大な力を持つ魔法使いです。なので機嫌を損ねないよう、囚人とは思えないほど豪奢な部屋が与えられていました。怒らせるとどんな惨事になるか分かりませんからね。
しかし、それも今日まで。とある計画への参加を条件に、ナナ嬢は釈放されることになったのです。
そろそろ指揮官が現れる頃でしょうか――と、言っている傍から控えめなノックの音。
お迎えが来たようです。




