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手を繋ぐ

四宮先輩が保健室に行けって言ってくれたので俺たちは保健室に向かった。


「姉貴、手は痛くないか?」


俺の後ろでずっと俯いたままの姉貴。

痛いだろうけど、怪我をした右手からはもう血は出ていなかった。


「ちょっとだけ、痛いかな。

悠希、ごめんね?大事な大会前の練習だったのに抜けさせちゃって」


悲しげに笑う姉貴は自分の怪我より俺の事を気に掛けてくれていた。


「別に良いって。後で練習量もっと増やすだけだから」


「そう?悠希って優しいね。

…ねえ、お願いがあるんだけど」


立ち止まる姉貴


「何?」


んっと、えと…

って急にどもる姉貴。

しかも気のせいか顔が赤い気がする。


「てっ」


「て?」


「手を繋いで欲しいなーって」


段々小さくなって聞き取り辛かったけど意味は分かった。


手を繋いで欲しいな?

俺、本当にこの人が姉貴って信じられなくなってきた。

それに姉貴という事を抜きにしてこの人を見ると、今の俺は


「美少女に手を繋げとお願いされてる(涙目で超うるうるした目で上目遣い)」

という男子高校生にとってはご褒美に遭遇している


ルパンが不二子ちゃんに飛びつくのと同じくらい皆飛びつく所だが流石俺。

弟だからこそ、このご褒美という罠

(後で思い出し恥ずかしくなって死ぬ)にはのらない。のらないんだ!


「悠希?やっぱり嫌だよね…

ごめんね、変な事言って」


…罪悪感!罪悪感が半端ない。

そんな捨てられた子犬みたいな目で見られたら俺は、俺は!!


一分後


「悠希、ありがとう!」


さっきの泣き顔どこ行った?

と聞きたくなるほどの笑顔な姉貴

と俺の右手に絡んだ姉貴の左手


そう、一分前の俺は繋いでしまった。……ええ、繋ぎましたよ!何か文句有るか!

だってどうしようもないだろ!

あんな顔されたら!


「ほら、保健室着いたし。手を離そうか。ね?」


「やだ、まだ手繋ぐの」


まっったく手を離してくれない。こんな所誰かに見られたら俺は恥ずかしくて学校に行けなくなる!

そして姉貴、アンタ本当に高二か?


「ほら、早く消毒しないと痛くなるから。さ!入ろうぜ!」


何かに目覚めてしまう前に、強引に姉貴を保健室に押し込んだ。


「あら、青木さん。どうしたの?って何その手!」


先生が慌てて姉貴に駆け寄る。


「消毒でもっと痛くなるけど頑張ってね」


消毒液を傷にかける先生…って先生?消毒液かけすぎだろ!


姉貴も、「んっ」とかなんかエロい!痛いからしょうがないけど!


そんなこんなで手当も終わった。出血こそしたが、傷は浅いそうだ。


「当分は右手は使わないように。パックリで血が出るかもだから」


という注意をいただき、俺らは保健室を出た。


「悠希にまた全部押し付けちゃうね」


全部というのは家事の事だろう。


「別に前はそれが普通だったし、姉貴は怪我してんだからしょうがないじゃん。」


「だから、早く怪我治してよ。」


「…悠希」


はず!俺は馬鹿か!

何恥ずかしい事言ってんの!


あまりの恥ずかしさに耐え切れず俺は走った。

ごめん姉貴!今日の晩飯は姉貴の好きな奴作るから!


「あ、ちょっと悠希!」


後ろから姉貴の声がするけど関係無い!本当にごめん!


もう姉貴が見えなくなった後、


「全く悠希ったら」


「青木!怪我は大丈夫だったか!」


「四宮君!大した事無いってー

さっきは本当にありがとう!

また、家でご飯食べない?

悠希のご飯美味しいよー」


「悠希が?料理出来るのか?」


「うん、焼売とハンバーグが美味しいの!」


「そうなのか…じゃあお邪魔させてもらうわ」


「分かった。じゃあ行こっ!」


って会話が有ったの事を俺はまだ知らない

イチャイチャ出来てるんでしょうか…

作者には妹が居ますけど、こんな仲良くはないですね。羨ましいです。

お姉ちゃん、姉ちゃん、姉さん……いつかは呼んで欲しいです。

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