お客さん
あの後、俺はボロボロになりながらも帰宅した。
何で俺が悪役っぽくなってんだよ、
悪いのは姉貴じゃないか。これで、
「どうしたの悠希、その傷!誰かに虐められたの?」
なんて言われたら俺は姉貴を全力で殴りたくなりそうだ。
「どうしたの悠希、その傷!誰かに虐められたの?」
何で全く同じ事言ってんだこの人は!
家に入ってすぐこれかよ…
殴る、とか言ったけど呆れ過ぎて
「お前のせいだよ!」
の一言も言う気になれなかった。
「ただいま、そんなんじゃないから。
それより今日の晩飯は?俺腹減った」
別に大した怪我でもないし、それより腹が減り過ぎて餓死しそうだ。
すると、姉貴が「あ」とか呟いて下を見た。
つられて俺も下を見ると、俺や親父のじゃない靴が置いてあった。
「あのね、悠希。今日はお客さんが居るて一緒に晩ご飯食べるの」
お客さん?母さんも親父も居ないこの状況でお客さんって誰なんだ?
「とりあえず、中に入って。悠希も知ってる人だと思うから」
言われるままに中に入ると、
「よう、悠希。遅かったな」
そこに居たお客さんとは、
姉貴と同じ学年でサッカー部のエース。
おまけに学校の人気者ランキングが存在すれば5番内には入る、
「何で居るんですか?四宮先輩」
四宮新先輩が居た。