メイド、宿を探す
空腹を満たし、人心地ついたところで、次なるミッションは今夜の拠点の確保だ。
(狙うは一泊百ローズ以内……!)
意気揚々と宿場通りを歩き始めた私だったけれど、現実はそう甘くはなかった。
軒先に掲げられた料金表を見れば、百五十ローズ、百七十ローズ。私の全財産が、たった二晩で霧散してしまうような価格設定ばかり。
(……嘘でしょ。今日も、あの冷たい地面で夜を明かすしかないの?)
諦めと絶望が混じった溜息をつき、トボトボと裏通りへ入りかけたその時。
視線の端に、古びた、けれどどこか温かみのある看板が飛び込んできた。
祈るような思いで看板を凝視する。
「一泊、百二十ローズ……」
(うわぁ、惜しい……! 絶妙に予算オーバーじゃん……)
ガックリと肩を落とした、その瞬間。
下の方に書かれた小さな追記が、私の目に希望の光を灯した。
『二泊なら二百ローズ!』
(……二泊で二百ってことは、一泊あたり百ローズ! ギリギリ、予算ぴったり!)
私は人目も憚らず、その場で思いっきりのガッツポーズを決めた。
扉を開けると、そこでは太陽のように明るい笑顔を浮かべたおば(あ)さんが迎えてくれた。
「あら、珍しいお客さんだねぇ」
と笑いながら、彼女は焼き立ての香ばしいパンを一つ、おまけだと言って手渡してくれた。
案内された部屋は、お世辞にも豪華とは言えない。壁には染みがあり、床も歩くたびにミシミシと鳴る。
けれど、昨日の「魔の森」での、いつ魔物に襲われるかわからない野宿に比べれば、ここは天国のような安らぎの地だった。 まぁ、知らなかったんだけど…。
私はおばさんからもらったパンを大切に噛みしめると、最低限の荷物整理だけを済ませ、吸い込まれるようにベッドへと倒れ込んだ。
布団から漂う、わずかな日向の匂い。
深い安堵感に包まれながら、私の意識は瞬く間に夢の底へと沈んでいった。
こんにちは〜、元気ですか〜? 活動報告とか書かないといけないですね……。
コメントとか、お願いします〜! ではまた次回!




