メイド、手紙を読む
こんにちは〜 色々とひよっこなので、温かい目で見守ってくれたら嬉しいです〜
『やっほー! うちは神のサキです! すんごい突然だけど、色々あって君を魔法が使える異世界に転生させることにしました! テヘペロ★』
「…………は?」
思考が真っ白に塗りつぶされた。手にした紙の、あまりにも軽々しいインクの文字が視界を滑っていく。
どうやらこれは、自称・神からの「通告」らしい。
『あなたの名前は ルナリス・リメス!
アニメとか漫画で使っているスキルが使えるようにしておいてあげたから、頑張って生きてね! (ちなみに、不老だけど魔物とかで普通にちゃんと死ぬから、油断は禁物。www)
言語はあなたが使っている言語だから安心して〜。基本的なことは「うっすい本」に載ってるよ!』
ツッコミどころの豪雨に、脳の処理が追いつかない。「やっほー」に「テヘペロ」、そして文末の「www」。
ルナリスは、自らの意思とは無関係に眉間に深い皺を刻み、呆れ果てた表情を浮かべた。
これが、世界を統べる者の言葉なのか。
この軽薄な存在が万物の頂点として崇められているのだとしたら、その宗教画にはぜひとも「テヘペロ」の文字を添えてほしいものだ。冗談、あるいは太刀の悪い悪夢であってほしかった。
何より、「色々」とは何だ。その2文字に、私の二十数年の人生と、死と、この不条理な変貌をすべて詰め込んで済ませるつもりか。
説明を、もう少しだけ血の通った言葉を尽くせと言いたくなる。
こめかみの奥で、プツンと音がした。
内心、本気でキレかけている。けれど、ここで虚空に向かって叫んだところで、失われた呼吸も、元の世界も戻ってはこない。
やってしまったことは、変えようのない事実なのだ。
…許したくないけど。 許したくないけど!
ルナリスは震える指先で、神のふざけた手紙を乱暴に折り畳み、リュックの底へと押し込んだ。
「そんな事を言ってもしょうがない。 まずは生き延びないと!」
私は情報を得るため、「うっすい本」を開いた。
『ポーションの作り方:ちょっときれいな水にそこら辺にある草を入れて、「生成」って言う。』
そこら辺にある草ってなんだよ…。 なんでもいいってことなの…? まぁまぁ、次。
『魔法の使い方:技名を唱える 基本はアニメとか漫画と一緒!(一部は演唱をやるよ〜)』
『お金:単位はローズ! (ローズとかかっこいいし!) 消費税とかめんどくさいのはないよ!』
…あまりにもざっくり。 ケセラセラということか!?
※ケセラセラ:なるようになるさという意味がある。
その先には、白紙のページが10ページほど続いていた。
「いきなり異世界転生した件」と「情報が少なすぎる件」。
現実離れしすぎた状況に野宿とかはどうでもよくなってしまい、硬い地面にそのまま寝てしまった。
こんにちは〜 エピソード3,どうでしたか? 読んだ感想をお待ちしております! それではまた次回!




