メイド、ごはん屋さんに入る
異世界ビンゴも読んでください……!
『異世界ビンゴ! 〜3ビンゴするまで帰れません!〜
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「……なんか、仕事増やしちゃってごめんなさい」
「いいですよ、もう。ルナリスさんで対策は済んでますから」
「……それ、どういう意味ですか?」
「『ギルドにバケモノが二人になった』という意味です。……では、お疲れ様でした!」
受付嬢さんに見送られ、私たちはギルドを後にした。
夜の帳が下り始めた街には、どこからか香ばしい肉の焼ける匂いが漂っている。
「よし、今日は私のおごりで食べに行こう。フェリシアの初依頼達成、お祝いしなきゃね」
「やったー! ご飯、ご飯ー!」
やってきたのは、ギルドと宿の中間地点に店を構える、地元客に人気の酒場だ。
重厚な木のドアを開けた瞬間、熱気と香ばしい匂いが全身を包み込む。
「あ、ルナリスさん! お久しぶりですね」
「元気にしてた?」
「おかげさまで、大繁盛ですよ!」
爽やかな笑顔で迎えてくれたのは、フェリシアと同年代の青年オーナーだ。若くしてこの規模の店を切り盛りしている、街でも評判の苦労人。
「一番奥の五番テーブルが空いてます。どうぞ!」
「ありがとう。フェリシア、行くよ」
「あ、うん……」
圧倒されるフェリシアの背中を軽く押し、賑わう店内の通路を進む。
「おっ、ガチ強(ガチ強)。元気にしてたか?」
左から野太い声が飛んできた。声をかけてきたのは、Bランクパーティーを率いるガタイのいいリーダーだ。
「元気よ。あんたも相変わらず声がデカくて安心したわ」
「ははっ、違いねえ!」
次に右から声をかけてきたのは、さらに奥の席でゆったりとエールを煽っていた銀髪の男。確かAランク。二つ名は「剣技の天才」だったはず。この街でも剣技の五指に入って、ギリギリ三指に入れない実力者だ。
「本当にいるじゃん。おい、ガチ強、今日は客として来たのか?」
「……いや、私はだいたい客としてしかここに来ないんだけど」
上位ランカーたちからの軽い挨拶を適当に受け流しながら、私たちはようやく奥の席へと腰を下ろした。
「ほら、お疲れ様。メニュー、なんでも好きなの頼んでいいよ」
「おぉ、マジ!? 太っ腹やな!」
意気揚々とメニューを開いたフェリシア。けれど、次の瞬間。
彼女はメニューを凝視したまま、彫像のように無言で固まってしまった。
「どうしたの? 怖い顔して」
「なぁ……オーク肉って、これ……ほんまに食べれるん?」
フェリシアが震える指でメニューの一角を指差す。そこには『特製オーク肉のグリル』の文字。
「結構おいしいよ。……そういえば、あんたがここに来てからずっとキノコか野菜生活だったから、魔物の肉は初めてだったね」
「信じるで。ルナリス、うちは自分を信じるからな。絶対に裏切らんといてや……」
「大丈夫だって。ほら、決まった?」
フェリシアは悲壮な決意を固めた表情で、勢いよく手を挙げた。
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