メイド、転生する
こんにちは〜 何もかもが初心者なので、温かい目で見守ってくれたら嬉しいです〜
「あれ・・・・・・・、ここは・・・・・・・」
微睡みから覚醒した視界に広がったのは、見知らぬ森だった。
頭上を覆う深緑の葉の隙間から、木漏れ日が筋となって差し込んでいる。
湿気を多分に含んだ土の匂いが鼻腔をくすぐり、頬を撫でる空気はひんやりとしている。
周りには誰もいない。喧騒も、生活音も、気配すらもない。圧倒的な静寂だけがそこにあった。
「……夢?」
混乱しながら、寝ぼけた頭で咄嗟にお腹を殴りつけてみる。鈍い痛みが走る。
(…痛い。これは、現実。)
昨日まで寝落ちしていたはずの、硬い敷布団の感触が脳裏に蘇る。
どうしてこんな場所にいるのか、思考が追いつかない。
ふと、足元にできた水たまりが目に入った。
そこに映り込んだ「私」の姿を見た瞬間、全身の神経と五感が一瞬にして凍りつき、失われていたはずの感情が一気に吹き戻された。
「えぇ! 嘘でしょ・・・・・・!」
水面に映っていたのは、私のデフォルトとはほど遠い、まるで作り物のような美貌。
大きく見開かれた目には、驚きと戸惑いの感情が揺れている。
サラサラと流れる長い髪は、光を反射するほどの鮮やかな金髪。右目はピンク、左目は紫――。
宝石のような煌めきを宿したオッドアイだ。
身につけているのは、フリルで豪華に飾られた白と黒のメイド服。
パニックになりながら立ち上がると、スカートの裾がふわりと揺れた。
その下、太ももに奇妙な「重み」を感じる。メイド服の生地に張り付くように固定されていたのは、革のカバーに収まった三本の短剣だった。
(なにこれ・・・・・・。どういうこと…?)
状況は意味不明だ。
他の服はどこにもないし、ましてやこんな大掛かりなカラコンやコスプレ衣装を用意した覚えもない。
思考を放棄しかけたその時、ふと背中に感じる見慣れた感触に意識が戻る。私は慌てて、いつもの重たいリュックの中身を確認してみた。
「水、非常食のご飯、レトルトカレー、サバの缶詰、ライター、毛布、軍手・・・・・・。良かった……」
見慣れた防災グッズの数々。予備として常備しておいた、昔の私の慎重さに感謝した。
だが、その安心感はすぐに消え去る。
「あれ、これは?」
いつもなら定位置にあるはずのスマホがない。
代わりに、入れた覚えがまったくない、A4サイズのクリアファイルに入った一枚の紙と、絵本くらいの薄さの古びた本が収まっていた。
「…これは何?」
私はしかめっ面で、恐る恐るその紙を手に取り、読み始めたーー。
やっと始まりました〜、オッドアイメイド! 次回もぜひぜひお楽しみに!




