メイド、メイドの分身と戦う
異世界ビンゴも読んでください……!
『異世界ビンゴ! 〜3ビンゴするまで帰れません!〜
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「……ス? ルナリス? 起きて、ルナリス!」
身体を揺すられる感覚に、私は強制的に意識を引き戻された。
ぼやけた視界が焦点を結ぶと、そこには心配そうに覗き込むフェリシアの顔があった。
あぁ……なんだ。さっきのは、ただの夢だったんだ。
「大丈夫? ルナリス、めっちゃぐったりしてうなされてたんやで」
「……ごめん。もう大丈夫、ちょっと深く眠りすぎちゃったみたい」
(さっきの、何だったんだろう。ヨルって人、誰だろう……。)
胸の奥にざらりとした感触が残っていたけれど、現実の光を浴びた途端、その夢の記憶は砂のように指の間からこぼれ落ちて、すぐに忘れてしまった。
「それより見てや! うち、結構頑張っていっぱい狩ってきたねん!」
「え? でも獲物が一匹もいないけど……あ、もしかしてアイテムボックスを習得したの?」
「そうやねん! あの『レアスキルの本』に、備考としてこっそり書いてあった魔法なんや! それでな……ルナリス、一回うちと勝負せぇへん?」
フェリシアが不敵に笑い、細剣の柄に手をかける。
その真っ直ぐな瞳の熱に押されるように、私は即座に頷いた。
「……いいよ。」
「マジ!? やった!」
「でも、私は動かないよ。雷属性、コピー・アバター。」
パチパチと青白い火花が散り、私のすぐ隣に、私と寸分違わぬ容姿をした「分身」が形作られた。
「えぇっ!? なにこれ、自分が増えた!?」
「この子が私の代わりに戦ってくれるから。私はここで観戦させてもらうね。
……もしこのアバターを倒せたら、次は私直々に相手をしてあげる」
「おぉ〜! 俄然やる気出てきたわ! 見といてや、ルナリス!」
フェリシアが盾を構え、戦闘態勢に入る。私は丸太のような木の根に座り直し、分身へ冷徹に命じた。
「アバター。……遠慮はしなくていいよ。徹底的にやって」
アバターは無機質な瞳でフェリシアを見据え、音もなくその場に構えた。
二ヶ月前には素人だった少女と、私の分身。
静まり返った北の田畑で、火花散る模擬戦の幕が切って落とされた。
「フェリシア、準備はいい?」
「いつでもええよ!」
「……それじゃあ、はじめ!」
私の合図が響いた瞬間、フェリシアが地面を蹴った。
「雷属性――スピード・スター!」
バチバチと足元に電光が走り、彼女の加速が跳ね上がる。まずは機動力を強化して距離を詰める算段か。なかなかいい判断だ。
フェリシアは一気にアバターの懐へと踏み込んだ。だが、私の分身はそれ以上に冷静だった。
「空間属性――テレポート」
アバターが高く響くような、アイドルの声を発したかと思うと、一瞬でフェリシアから遠く離れた位置へ転移した。
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