メイド、夢を見る
異世界ビンゴも読んでください……!
『異世界ビンゴ! 〜3ビンゴするまで帰れません!〜
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「はっ……寝てた?」
飛び起きた意識は、慣れない光景に混乱した。ここはどこだ?
空は禍々しい紫色に染まり、瘴気が渦巻いている。この空気感は、おそらく――魔王城。
視線を左に向けると、複数の人影が見えた。魔王と思しき巨大なシルエットと、その前に立つ三人の人物。暗くて表情はよく見えないが、特徴的な金髪とオッドアイははっきりと視認できた。
(あれは、図書館で見た……第三代勇者パーティー?)
私が状況を把握する間もなく、中央の少女――カンザキが口を開いた。
「ふっ、テヘペロ〜って言ってる場合じゃないね。ごめんね。魔法の発動が遅れたせいで、こんな致命傷……」
その声は、どこか諦念を含んでいた。
「いいんです。気にしないでください」
「うちらには、こういう劇的な終わり方が似合うんや!」
カンザキの隣にいた二人、エマとミラの声が響く。彼女たちの名前まで知っていることに驚く。
カンザキは魔王を見据え、なおも言葉を続けた。
「魔王、あなた強いねぇ。さすが、これまで一度も人間側に勝利を与えなかっただけあるよ」
「ふっ、当然だ。今のところ、おれが最強だからな!
……だが、お前たちも強かった。この俺が認めるんだ、めっちゃ強いんだぞ!」
張り詰めた空気の中、カンザキは笑った。
「じゃあ、私、この世界とバイバイなのかぁ。ちょっと寂しいな」
「来世、また会いましょうね!」
「うん! 絶対会えるわ」
「約束だよ! じゃあ、後はあなたに……ヨル……。」
カンザキは、空の方へ向かって、手を伸ばした。
「え? カンザキさん?」
私は思わず駆け寄り、その手を取ろうとした。だが、私の手はカンザキの体を、まるで煙のように通り抜けた。
「透けてる……? え?」
(もしかして、私、死ん――)
そこで視界が歪み、魔王城の光景は音もなく崩れ去った。
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