鞍上の星河、威厳を纏いて
深みを帯びた堅木は、あくまで自然な風合いを残して削り出され、そこに無数の細かな純銀の鋲が散りばめられている。それはまるで、夜空の天の川をそのまま馬の背に縛り付けたかのようで、凛とした気高い光を放っていた。
張親方は、鞍の下に手を伸ばし、その感触を確かめた。そこには分厚い敷物が当てがわれている。最上級の西域産の毛織物を七層にも重ね、その一層一層に特別な燻蒸と圧縮を施したものであることを、彼は知っていた。指を沈めると、ふわりと柔らかく、それでいて確かな弾力が返ってくる。
脇には、手綱が静かに垂れている。深紫に染め上げられた上等の絹糸を、三つ撚りにした逸品だ。
革細工師が丹精込めて花の形に揉み出した革が、馬の額を華やかに彩る。鞍の両脇に垂れる幅広の泥除けには、爪と牙を剥き出しにした異獣の紋様が躍っていた。
張親方が選んだのは、最も純度の高い隕鉄だった。炉の火で数千回にわたり折り返し鍛え上げ、不純物を排し尽くして、鉄の強靭さを極限まで高めたものだ。
最後に、張親方は馬の胸前と両脇を飾る房を丁寧に撫でつけた。最も繊細なヤクの尾毛を用い、墨色に染め上げたものだ。その重みのある垂れ具合は絶妙で、一本一本が水から引き揚げたばかりのような、濡れた艶を帯びている。
張親方は確信していた。明日の大典、装具を完全に纏った御馬が万衆の視線を浴びて現れる時、人々は乗り手の威厳と皇室の栄華に、ただ息を呑むことだろう。




