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6 トゥーパのキーパー

カーム「完全に信用してくれた訳じゃないのね。」

レイム「そうじゃなくて、今のカームって厄災に力と記憶の一部を奪われた状態なんじゃないかなって。」


マヤ「それで、プランはあるの?」

レイム「レヴァーヴまで一直線!じゃないの?」


カーム「そうしたいとこだけどさ。」

「厄災って、全盛期の俺でも六柱の精霊でも倒せなかった存在なんだよな。」

「今の俺らが行って、何か出来るとは思えない。」


レイム「あ、そっか。」

「じゃあ、精霊から再封印の方法を教えて貰うとか?」


カーム「でも、精霊は今姿を消してるんだよな。」

「だったら、今の俺らに出来ることと言えば、精霊具を集めることくらいじゃないかな。」


レイム「精霊具が六つ集まったとき、どんな願いでも叶う。」

「何かそういう都合の良い展開があると良いね。」


マヤ「それはないと思うけど。」

「でも、何かが起きる可能性は高いかも。」


レイム「じゃあまずは、炎の精霊具を預かるキーパーにならなきゃね。」

カーム「でも、キーパー制度はもう無いんじゃ?」


レイム「うーん。とりあえず業火双爪のトコに行ってみましょ。」

「どうなるか解らないけど、どうにかなるかもしれないから。」


カーム「とりあえず、今日は一泊して良いか?」

「ちょっと色々あり過ぎて、混乱しててさ。」


レイム(考えてみれば、ある日突然10年後になってて、故郷に戻ったら滅んでましたって凄い状況だよね。)

(むしろ、今普通に会話出来てるのが凄いわ。)


レイム「勿論、今日は故郷でゆっくりしたら良いよ。」

「アタシは・・・、マヤさん何か手伝いましょうか?」


マヤ「じゃあ8人分の夕食をお願い。」

「食材は好きなの使って良いから。」

「私は遊んでる子供らを回収してくるね。」


カーム「俺は・・・。」

レイム「墓参りでもしてきたら?」


カーム「そうだな。そうする。」


カーム(色んな感情が混ざり過ぎて、逆に冷静になった感じなのかな。)

(いや、本当に冷静なのか?)


カームは墓に行き、手を合わせた。

そこにはヤマオーやウミたちが使っていた武器が供えてあった。

それまで、あまりの事態に実感が湧かなかったのだろう。

ウミが使っていた剣に触れた瞬間、レンロラのみんなが死んでしまった実感が一気に押し寄せてきた。

カームはその場で号泣し、暫く動けなくなった。


夕方になり、日が落ちたことでハッとして、カームはマヤの家に戻った。


カーム「あれ?子供1人多くないか?」

マヤ「一人は私の子。ニッグとの子。」


カーム「お前らそういう関係だったのか。」

「全然気づかなかったよ。」

マヤ「カームが旅立ってから急接近したの。」

「それまでは、全然そんな感じじゃなかったから。」


カーム「そっか、複雑だな。」

マヤ「一人でこの子たち育てるのに必死で、そういうこと考えてる余裕なかったな。」

「でも、この子たちがいなかったら、きっとマトモではいられなかったと思う。」

「あ、カームはキーツが産まれるまで、一緒にお世話してくれたのよ。」


サード12歳・剣士

イーム11歳・剣士

リア11歳・魔法使い

ノノ10歳・剣士

キーツ9歳・魔法剣士


唯一の魔法剣士、やはりニッグの子供は器用なようだ。

既にこの子らは集団でだが、周辺の魔物を狩っている。

その夜カームは、師匠のいない剣士たちに剣術を教えたりしながら過ごした。


因みにレンロラでは、女性の名前は全て二文字、男性の名前は全て三文字。

ヤマオーはニックネームの様なもので、本名はヤマオだ。


翌朝、カームは全員と握手し、ハグしてレンロラを出た。

レイムも良い感じで仲良くなったようで、長々と手を振っている。


再びトゥーパに行く道のりは想像以上に楽だった。

風神剣から力が流れてきて、カームの能力はワンランク上になったのだ。

しかし、風神剣の長期使用は身体への負荷が大きいので、今はレイムから貰った剣を使っている。


レイム「もうこれ、かなり痛んでるね。」

「町で一番安い剣だから、町に着く前に壊れちゃうかも。」


剣は壊れなかったが、もういつ壊れてもおかしくない状態だ。

そんな状態だが、町への立ち入り禁止が解けた訳ではないので、カームは入り口付近で待機し、レイムだけ町に入る。


レイム「町長、やっぱりあの人はカームでした。」

「レンロラで風神剣を召喚して操りましたので。」


町長「そうか。」

「しかし、何れにしても厄災との関わりを否定出来る訳ではない。」

「町への出入り禁止を解除することは無い。」


レイム(くっ、カリウが唆したんでしょうね。アイツ・・・。)

レイム「じゃあ、もう良いです。」

「その代わり、業火双爪をください。」

「厄災を再び封印するために旅に出たいと思います。」


カリウ「業火双爪を貰って、厄災を何とかするのはボクの使命だ。」

「お前、ボクに勝ったことないだろ?」

「精霊具は、その世代で一番強い者が持つべきだ。」


レイム「やっぱ、そうなるよね。」

「仕方ない、良いですよ。戦いますよ。」

「勝てば良いんでしょ。」

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