14 精霊の正体
ボナス島は直径1キロほどの小さな島。
何か打開策はないか、島を探索したが、目ぼしいものは何もない。
レイム「どーしよっか。」
アディル「レイムの同郷のカリウだったか。」
「彼が助けに来てくれることに期待するしかないか。」
レイム「いやー。それは期待できないかな。」
「そもそも、アタシらレベルでもココに来れないでしょ。」
カーム「可能性があるとすれば、氷のキーパーくらいか。」
「それより、俺らには本当にもう打つ手ないのかな。」
バルト「我バルトなら、カームを元に戻すことも可能だろう。」
一同「!!!」
いつの間にかカームたちの輪の中に見知らぬ男が立っていた。
レイム「誰?どうやって出てきたの?」
レイーユ「小精ね。」
「人形スライムより上等な存在。」
バルト「あんな赤子と一緒にするな。」
「我は精霊たちと同時に生まれた大小精ぞ。」
「さっきまで精霊と同様に自然と同化していたのだ。」
アディル「で、どういうことですか?」
「カームを元に戻すって?」
「あなたはこの世界で起きていることをどれだけ知っているんですか?」
バルト「この世界は、元々人が住めるような星じゃなかったんだ。」
「それをどうにかするために、神は6つに分裂したんだ。」
「分裂した神が、お前らもよく知る精霊さ。」
「我は、その時の偶然生まれた切れ端の様な存在だ。」
「だが最近、レヴァーヴのヤツが精霊を吸収しやがった。」
「ヤツは恐らく、神に戻ろうとしている。」
「レンロラ様ではなく、自分の人格の神に。」
アディル「住めるような星じゃなかった何かのことを厄災と言うのだろうな。」
「それはどういうもので、どうして分裂したら回避出来るんだ?」
バルト「それは知らぬ。」
「精霊ならその辺りも知ってるのだろうが、我は所詮切れ端なのでな。」
カーム「大体この世界で起きていることが見えてきたな。」
「でも、神や精霊の戦いで俺たちに何か出来ることがあるんだろうか・・・。」
バルト「こういう事態をレンロラ様が丸っきり想定していないとは思えない。」
「キーパー6人が集まるって発想は、間違ってないと思う。」
カーム「今は何柱の精霊が吸収されて、何柱の精霊が無事なんだ?」
「レンロラ様は無事なのか?」
バルト「地と雷と氷の精霊が吸収された。」
「レンロラ様とトゥーパは、自然と同化している。」
「レヴァーヴに狙われるから出現出来ないのだろう。」
「もう戦っても勝てないからな。」
アディル「隠れてるのは、何かを待っているのか?」
「元のカームなら何か知ってるかもな。」
「本当に戻せるのか?」
バルト「我は切れ端とは言っても始祖たる小精だ。」
「魂回帰を使えば、カームを元の状態に戻せると思うぞ。」
レイム「ちょっと待って、もし魂回帰をしたら、今のカームは?」
バルト「昔のカームと統合されるのか、丸っきり消えちまうのか。」
「今の状態が意味不明だし、勿論前例もないから解らないな。」
カーム「でも、元のカーム、本物のカーム。」
「みんなが求めてるカームはそっちなんだよな。」
「その魂回帰、受けるからさ。」
「明日まで待ってくれないかな。」
「やっぱ、怖いんだよ。」
バルト「良いんじゃないか?」
「我にも準備があるしな。」
「最後の夜を仲間と楽しみな。」
仲間たちは複雑な気持ちで無人島で夜を過ごした。
意図して関係ない話で笑ったりするが、何処か無理をしている感じ。
結局、これは今のカームを世界の為に犠牲にするようなものだ。
そうと解りつつも、気づかぬふりをするしかない。
皆が寝静まった頃、カームは一人で抜け出し、海辺で震え、声を出して泣いた。
そんなカームをレイムは静かに見守っていた。
そして、翌朝。
バルト「じゃあ、やるぞ。」
「準備は良いか?」
レイム「ちょっと待って!」
「この状況ってもしかしてレヴァーヴの思惑通りなんじゃないかな。」
「アイツがアタシらをココに送り込んだ。」
「で、ココに潜んでたバルトに元に戻して貰う。」
アディル「レヴァーヴの罠ってことか。」
「言われてみれば確かに。その可能性はあるな。」
バルト「むぅ。少なくとも、元のレヴァーヴは我のことを認識していなかったハズ。」
「ただ、今のヤツは気付いてる可能性があるな。」
カーム「だとしても、今のままじゃこの島を出れない。」
「小精なら、何か出来ないのか?」
バルト「我が直接何かをすれば、確実にレヴァーヴに察知される。」
「それは避けたい。」
「それより、精霊の試練を受けるか?」
「キーパーは、精霊具に認められて封印を維持する者になる。」
「そして、6つの試練を終えると故郷を守護する者に。」
「更に4つの試練を終えると、世界を守護する者になる。」
レイム「精霊の試練はアナタにも出来るの?」
「だったらそっちの方が全然良いじゃん。」




