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私に必要なのは恋の妙薬  作者: 冬馬亮
第六章 続編のヒロイン来たる
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ヒロインの謎行動



「部屋に閉じこもって神官との対面を拒否している・・・? ヒロインが?」


「そのようです。大神官、主神官、平神官の誰との面会も拒んでいると」


「・・・どういう事かな、いきなり話が違ってるんだけど」



 国王エルドリッジの執務室。



 協力者である平神官アムナスハルトから送られてきた情報に、エルドリッジは顎に手を当て考え込んでいた。



 光の柱が立ってから5日。


 ナナの身柄は神殿が保護していた。だがそれ以上は動けないようで、聖女宣言も出されないままだ。


 と言うのも、冒頭にあった通り、ナナが与えられた部屋に引きこもってしまったから。



 本来の『アデ花』では、ヒロインは光と共に降臨してすぐに神殿に保護され、数日のうちに大神官により聖女と宣言される。

 その後、大神官は自身の息子である主神官ラムロスをヒロインの伴侶にすべく近づかせる。この機に、神殿勢力を増やす為だ。


 そんな神殿側を押さえ込む為、王家は王城で聖女を預かろうと強引に事を進める。


 神殿と王家の間の溝が深まる中、王城に迎えられたヒロインは王太子オスニエルと出会い、愛を育んでいく。



 ―――というのが『アデ花』の前半の流れだ。


 もちろん、エルドリッジはヒロインを王城に連れて来ない。


 ヒロインは神殿に任せ、アムナスハルトを通して監視、および間接的に関与していくつもりだ。なんならラムロスの代わりにアムナスハルトをナナにあてがうのも一つの手と考えている。



 エルドリッジの目的は、あくまで原作の通りに展開しないよう邪魔すること。そうして、自分の国と家族を守ること。



 だからあれこれと対策を考えていたのに、こちらが介入するより早く、ヒロインが物語とは違う動きを始めた。



 部屋にこもり、頑なに神官たちとの接触を拒んでいるというナナは、大神官はもちろん、主神官、平神官に至る全ての神官との対話を拒否したのだ。


 男性に警戒しているのか、この5日間でナナが室内に入れたのは、神殿下女のアネロナのみ。

 と言っても、アネロナと親しくなった訳でもないのだ。食事の運搬や掃除などの仕事がある時限定で、部屋の中に入れるだけだから。

 

 ふむ、とエルドリッジは呟いた。



「ヒロインに何か理由が・・・? 国王である僕が面会を要請してみるか? 駄目だ、男性に警戒してるっぽいし・・・ここで下手に動くと神殿と余計に拗れそうだし」



 ナナの行動に、エルドリッジは判断に迷う。


 徐々に物語の展開から離れていく状況は想定していたが、まさか初っ端から違うとは。



「まさか、こちらに来た人物は物語のヒロインではない・・・? いや、それはないな。じゃあ何だ・・・?」



 アムナスハルトの報告にあった人物の容貌は、まさにエティエンヌが言っていたそれと同じ。


 目の色、髪の色、髪型や長さ、体型、身長、現れた時の服装に至るまで、ぴったりだ。これで別人を疑うのは現実的ではない。


 ―――ならば、この齟齬はどうして?



 その答えをエルドリッジらが知るのは、まだもう少し先のこと。



 けれど、それより前に、エルドリッジにとってもっと重大な事態が起きてしまう。



 ずっと引きこもっていたナナが、12日目になって遂に、対面の相手にエルドリッジの側妃ジュヌヴィエーヌを指名したからだ。








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