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第一章 エピローグ
思い返してみれば、それがきっかけで俺は恋をしたのだろう。
公爵家の人間。
ただし余命もあとわずか……。
そんな俺が抱いた恋心。
俺はその思いを伝えることを諦めた。
表向き令嬢をしているというのもある。
幸いにも友達になる事は出来たのだ。
公爵子息がたとえ、傘下とはいえ年頃の少女と友達になる。
それは難しいのが本音。
何よりも俺はその頃、長生きを諦めていた。
これもまた運命だ。
そう思っていた。
短い生涯、彼女に愛を伝えたらどうするか?
振られて気まずい空気になった結果……。
短い生涯を彼女との思い出を少なくしてしまうのか?
それは嫌だった。
だからこそ、この恋心を伝えないと言う道を選んだ。
だが、彼女……アリスはさらにいろいろと考えていたのだった。




