プロローグ
前々から書いてみたかった悪役令嬢物です。
悪役令嬢物として良いのかはちょっと悩んでいます。
「婚約を破棄させてもう!」
うわぁ。
そう内心で思いながらもポーカーフェイスを崩さないながら王太子。……一応とはいえ自分の婚約者を見据えていた。
豪華絢爛なパーティー会場。
学園の卒業生の新たな門出を祝うそのパーティー。
新たな生徒会長になる予定の王太子、アーサ様の言葉に言われた当人である自分は内心では呆れていた。
いや。こうなると聞いていたとはいえ本当にそうするとは……。
輝く王族特有の金色の髪の毛にエメラルドのような緑の瞳。両親の良いところをバランス良く配合させたような顔立ちはやや偉そうな印象を与えるが間違いなく美形。
あまりの美しさに世の乙女達がため息をつかせてしまうと言われる美貌の持ち主。
確かに『おとめげえむ』というもので『攻略対象』の基本になる人物なだけはある。
そう内心で思っている中で、
「理由は簡単だ」
黙っている理由をどう考えたかは知らないが宣言を続ける。
ざわめく視線を感じるがそれは仕方が無いだろう。
戸惑いや困惑の視線は甘んじて受け入れるが嫌悪や怒り、自業自得という視線は不快だ。「お前は卑劣にもルナを虐めていただろう。
それだけではなくその闇の魔力を使い国に仇をなそうとしていたな。
オレ様への愛ほしさに嫉妬に狂いいじめをする。
さらに国を滅ぼそうとするような卑劣な魔女!
そんなのと結婚なんて断る!
お前は処刑だ!」
そう主張する王太子。
いろいろと思うところはある。
虐めていたという証拠はあるのか? そもそも愛ほしさにってなんだ?
国を徒なそうとしていたという証拠は?
魔女って魔法を使えるのはこの場にいる生徒も教師も全員だ!
そもそも処刑とか王太子が決めることではない。
いつからここは裁判所になったのだ?
とにかく言いたいことはあるが、一番の感想は、
「本当にこの世界は『おとめげえむ』の世界らしいんですねぇ。
でもこれは現実なんですが……」
思わず口からでた感想に王太子は虚を突かれそのそばにいるルナはぎょっとした顔でこちらを見ていた。勘違いしている様子だが別に『てんせいしゃ』とやらではないのだが……。