借金魔術師は出勤中
初投稿!
ガラガラ・・・
下宿の前の道を荷車の通る音がする。
朝市に品物を運んでいるのだろう。
「朝か・・・ 」
下宿のベッドからゆっくりとおり、鏡を見る。
「寝癖がひどいな。」
19年間見慣れた、目つきの悪い、黒髪の男が鏡に映っている。
水瓶の水をすくい、寝癖を直す。
「朝飯を食って、仕事に行くか。」
自分の部屋を出て、階下の食堂に向かう。
食堂に行くと、食事の盛り付けをしている女性と目があった。
やさしげで、おっとりとした感じの女性だ。
アマーリエさんという、この下宿の女将だ。
この下宿は下宿代が朝食代込みになっている。
「アマーリエさん。おはようございます。今日の朝ごはんも美味しそうですね。」
「ジェイクさん。おはようございます。」
「なにか軽くつまめるものはありますか。食べながら、仕事に行きますので。」
「いい卵が手に入ったので、たまごサンドにしましたよ。」
「いただきます。あとミルクをください。」
「用意してありますよ。」
アマーリエさんがテーブルの上を指差す。
ミルクの入ったコップがあった。
一気に飲み干して、たまごサンドを受け取り、下宿を出る。
仕事場まで、たまごサンドをかじりながら、向かう。
仕事場は探索者ギルドだ。仕事は探索者だ。
探索者は迷宮にもぐり、魔物を狩る。
魔物は体内に魔石を持つ生き物だ。
基本的には魔物は迷宮にしかおらず、魔石は売れる。
迷宮の上に探索者ギルドの建物が建っている。
(最近、ゴブリンばっかりで、実入りがいまいちなんだよなぁ)
などと、物思いをしていると、探索者ギルドに着いた。
中に入り、あたりを見回す。
パーティメンバーを見つけた。
あちらもこちらに気付いたようだ。
「おせぇ!」
ファイターのボルカンが声を荒らげている。
俺と同じくらい目つきが悪い、黒髪の男だ。
ファイターだけあって、体格ががっしりとしている。
「おはよう。」
同じく、ファイターのリンダが挨拶をしてくる。
タレ目がちの女性で、髪は金髪だ。
表情はボンヤリした感じだが、体は引き締まっている。
「おはよう。そんなに遅くもないと思うけど。」
エレメンタラーのエリザだ。
目が少し細く、黒髪の女性だ。
背が低く、肉付きのいい体格をしている。
「おはようございます。」
プリーストのジェシカだ。
目が大きく、髪は赤味がかっている。
探索者をしているので、一般人よりは鍛えられているのだろうが、他の3人に比べると華奢な感じだ。
「4つ目の鐘は鳴ったのか。4つ目の鐘がなるまでに集合と言う約束だったと思うが」
ちなみにおれはソーサラーだ。
「鳴ってねえよ!だが、てめぇが一番おせぇ。」
「約束は守っている。そんなに怒られても困る。」
「最近、稼ぎがわりぃんだよ。少しでも早く、長く潜って稼がないといけないだろ。」
「確かに。最近はあまり稼げていないな。ただ、探索者に焦りは禁物と言うぞ。それと、長く潜るのは危険だ。疲労で集中力が切れて、ミスしやすくなったするし、エリザ、ジェシカ、俺は魔力が切れたら、ただの人だ。」
「だ〜、呪文使いどもはすぐこれだ。魔力が、魔力が。あ〜、時間が勿体ない。もう、いい、いくぞ。全員装備に着替えてこい!」
装備は整備の関係や、町中を剣をぶら下げて、歩くわけにはいかないので、探索者ギルドに預けてある。
・ボルカンの装備
・バスターソード
・ハードレザーアーマー
・リンダの装備
・サーベル
・ハードレザーアーマー
・エリザの装備
・ショートソード
・ソフトレザーアーマー
・バックラー
・ジェシカの装備
・アイアンロッド
・ソフトレザーアーマー
・ラウンドシールド
・俺の装備
・アイアンロッド
・ハードレザーアーマー
「うらぁ!!稼ぐぞ。」
ボルカンが吠える。
「ぼちぼちいきましょ。」
これはリンダ。
装備に着替えて、探索者ギルド地下の迷宮へと入っていく。
描写細かくすると、テンポ悪くなるなぁ。