〜リベンジ〜
宿を出た俺は鍛冶屋と服飾店を目指していた。
(さて、あいつらの装備だけどトムは俺が持っていた剣に、あと壁役をこなしてもらいたいから防具を整えれば良いか。
アティは魔力が高いから魔法使いに適してるけど自分と被るから、軽装で状態異常魔法を覚えさせて敵の近くで囮になりつつ邪魔もするウザいシーフ職でも目指してもらうか。
ついでに服も買って好感度上げだ。サイズは心眼スキルで確認済みだし)
鍛冶屋を見つけて入ると中には背が低いが筋肉質の髭が濃いおじさんがいて、武具が雑多に並べられていた。
(ドワーフか。初めて見たな。
店内は壁の目立つ所に掛けてあるのが上級装備で高い物、樽や台に置かれてるのが安い初心者向けの物や使い捨てって感じだな。
本当は細かいことを店員に聞きたいけど、ドワーフって気難しい職人が多いっていうし、自分から店員に話しかけるのはハードルが高いな。
こういう時に役に立つのが…)
俺は心眼スキルを使って安いけど品質がそれなりにあるものを選んで購入して店を出る。
同様に服飾店でも店内に置かれていたマネキンを参考に数日分の二人の服と下着、そして、道中の露店にあった髪色材を購入して宿に戻ることにした。
宿に戻ると二人は汚れが落ちてサッパリとしていた。
俺は清潔感が出ていることに満足する。
「おかえりなさいませ。ご主人様」
「おかえり、なさい、ませ。ご主人様」
アティは敬語を使い慣れていないのか、言葉が少し突っかかっている。
「ああ…。早速だがこの服に着替えてくれ」
買ってきた物を二人に渡し、着替えさせた。
アティは女の子だから、着替え終わるまで部屋を出るべきか悩んでたが二人は気にせず服を脱ぎ始めたのでそのままでいることにした。
着替え終わった二人を見るとトムは街でよく見かける服装だが清潔感も相まっていかにも好青年という感じだ。
アティには袖に軽いフリルの付いたシャツに黒のスカートだ。
今までスカートを履いたことがないのか、その場でクルクルと回って楽しそうにしている。
(ここまで変わるなんてエリクサーってホント凄いアイテムだったんだな。
トムを買った時はすごい軽かったのに今では腹筋も割れている。これなら肉壁として使えそうだ。
アティは女の子の裸が見れてはじめは役得だと思ったんだけどガリガリなうえに未成熟で興奮しなかったな。
やっぱり胸は大きいのが正義だな。
あっ、そういえば…)
「二人に命令する。
アティはこの髪色材を定期的に使用すること。
トムは護りしものの対象を常に私にして発動し続けること」
そう言って俺はアティの髪と尻尾を白く染めるために髪色材を振りかける。
異世界だからか液体を数滴垂らすと、あっという間に色が全て変わった。便利である。
ふと、トムのほうを見ると気味の悪いものでも見たかのような顔をしてこちらを見ていた。
(どうしたんだ、コイツ?
ああ、もしかして染めることって珍しいのか。
確かに数滴で全部真っ白に変わったら普通驚くよな。
この後、どうしようかな。
依頼の場所は街からそんなに離れてないから今からでも行こうと思えば行けるんだよな。
でも、トムはともかくアティはあの体じゃ、冒険に耐えられるか不安だな。
今日は冒険をやめてご飯をたらふく食べさせるとするか)
俺はそう結論づけて、2人を連れて食堂に向かうことにした。
注釈:トムはこの時、知る筈のない自分のスキルの情報をクロウが知っていることに不信感を募らせています。
一階に下りると、食堂は賑わっていたが空いているテーブルがあったので其方に座って、給仕に三人分の札を渡す。
暫くすると料理が運ばれてきてテーブルが一杯になる。
「さて、食事にしようか。二人とも、遠慮なく食べてくれ」
「俺達も良いんですか?」
「かまわないよ」
二人は最初は遠慮がちだったが、次第に掻き込むようにして食べている。
俺はその様子に笑みを浮かべる。
(よし!これで二人の好感度は上がったな。
これで、俺のために必死で魔物と戦ってくれることだろう。
しかし、異世界には米は極東にしかない決まりでもあるのか。
パン、煮込み料理、パスタ、揚げ物、酒、魚、露店にはクレープっぽいお菓子もあったのに米だけ何故ない‼︎
まだ大丈夫だが、絶対に米は恋しくなるから情報収集は今のうちにしておくか…)
食事を終えると二人に話しかける。
「二人とも、聞いてくれ。
私達は明日から冒険者として魔物と戦ってもらう。
装備は既に用意してある。
トムにはタンク役として前衛で戦ってもらう。
アティにはシーフ役として敵の索敵と撹乱をしてもらうつもりだ。
私は後方から弓と魔法で二人のサポートをする。
ここまでで聞いておきたいことはあるか?」
「アティも戦闘に参加するのですか?」
「ああ、何か問題はあるか?」
「…いえ、ありません」
「では、次に戦闘に関するパーティ間の陣形や合図についての話をしよう」
その後は、冒険のほかにも二人に守ってもらう決まり事を伝えて明日に備えて早めに寝ることにした。
朝になると俺達は装備を身に付け、ワーウルフの討伐に向かった。
森に入ると、アティに周囲の警戒を任せ、奥の方へと進んでいく。
暫くすると、アティが合図を出し、前方の茂みからワーウルフが二体出てきた。
トムは前に出て盾を構え、魔物を挑発する。
アティは片手に短剣を構えて、ワーウルフに向かって投げナイフを投擲する。
俺は弓に矢をつがえた状態で、火魔法を唱える。
「《ファイアーボール》」
火球はワーウルフの一体に命中し、のたうちまわりながら息絶えた。
もう一体はトムの盾に噛み付きながら足止めをくっており、その隙にアティが短剣で弱らせてトムがトドメを刺していた。
無事、魔物の討伐出来て俺はほっと胸を撫で下ろして二人が黒焦げと血塗れになったワーウルフから牙や毛皮、尻尾を剥ぎ取っていくのを離れたところから眺めつつ、今の戦闘を振り返る。
(上手くいったな。
護りし者のお陰で落ち着いた状態で戦うことが出来たし、二人も問題なく使えそうだ。
装備も強化していたから、アティのパンチラを見ながら戦闘を観察する余裕も出来た。
ロリの下着は興奮しないが、将来、美少女になった時に際どい衣装を着せて楽しめるよう今からスカートでの戦闘に慣れさせておこう【セクシーキャラの光源氏計画】始動だ。
勿論、他の人と行動する時はスパッツかズボンを履かせるが…)
その後は日が沈むまでワーウルフを討伐し、街に戻る事にした。
注釈:
装備品(付与前)
クロウ
ショートボウ
レザーアーマー
革の靴
トム
ロングソード
銅の盾
レザーアーマー
革の靴
アティ
ショートソード
投げナイフ(10本セット)
胸当て
革の靴
装備品(付与後)
クロウ
ショートボウ(攻撃力強化:弱)
レザーアーマー(防御力強化:弱)
革の靴(俊敏性強化:弱)
トム
ロングソード(攻撃力強化:弱)
銅の盾(防御力強化:弱)
レザーアーマー(防御力強化:弱)
革の靴(俊敏性強化:弱)
アティ
ショートソード(衰弱付与:弱)
投げナイフ(10本セット) (毒付与:弱)
胸当て(防御力強化:弱)
革の靴(俊敏性強化:弱)




