〜魔女〜
〜タクヤside〜
増援が居なくなってしまったウンディーネは善戦するもローザに敗れてしまった。
「ふ〜、梃子摺ったけどこれでお終いね。
後は盛大に仕上げといきましょう〜」
ローザが魔法を唱えると泉に蓋をする様に巨大な魔法陣が展開され、禍々しい光を放っていてその光はだんだん強くなっていった。
ウンディーネが魔法陣を止めようとするも、体を碌に動かせずにもがいている様を楽しそうに眺めているローザ目掛けて雷魔法が放たれる。
ローザはそれをひらりと躱すと魔法が放たれた方向を見る。
そこにはエリーとタクヤの二人がいてこちらに向かって走ってきている。更にその後ろには数人のエルフの戦士達もいた。
「早かったわね〜。運良く近場に転移する魔法陣にかかったのね〜。でも、フィナーレまでもう少し時間があるの。
だから、次の策」
泉の周囲を囲う様に透明で強固な壁が出現する。これにより行手を阻まれ、更に弓や魔法による援護ができなくなってしまった。
これで作業に集中出来ると視線を戻そうとすると、またしても雷魔法が飛んでくる。
「また〜。一体誰よ?」
そこにはエリーが居た。
「あら?あなた、何で壁の内側にいるのかしら?」
「教える訳ないじゃない」
「エリー‼︎」
「タクヤ!時間は稼ぐからその壁を何とか突破して‼︎」
「分かった‼︎」
エリーとタクヤがこの場にいれたのには理由がある。
ローザは魔法を唱える度に魔法陣も展開する。
エリーはそれを全てではないにしろ読み解いているのである。
はじめの転移の時も回避することが出来ないと悟ると転移する距離が比較的短い魔法陣に隣に居たタクヤを掴んで飛び込んだのである。
壁も発動される魔法が攻撃魔法でないことにいち早く気づき、展開が遅い箇所を目掛けて滑り込んだのである。
(注釈:転位陣の時、クロウも魔法陣を心眼スキルで読み解こうとしたが数が膨大で時間が掛かってる時にエリーがタクヤを掴んで突込んだせいで別々になってしまい、生存フラグは遠ざかるわ、主人公君の活躍をが見れなくなるわでエリーへの好感度は下がってます)
ローザとエリーの一騎打ちが始まる。
「いくわよ!【サンダースピア】【魔法陣】!」
「ふーん、魔法陣で貫通力を底上げしているのね。でも、構成が甘いわね。お手本を見せてあげるわ。
【サンダースピア】【魔法陣】」
二人の魔法がぶつかり合うと直ぐにエリーのほうが押し負けてしまい、ローザの魔法がエリーに当たる。
「あら、ごめんなさいね〜。あなたに合わせて威力を抑えたつもりだったけど強すぎたみたい。
まだ戦える〜?時間に余裕があるから魔法陣について勉強させてあげようと思ったのだけれど今ので終わっちゃったかしら?」
「ぐっ、舐めんじゃないわよ!【サンダーレイン】【魔法陣】!」
「あら、今度は複数の雷の軌道を変えて躱しにくくしているのね。発想は良いけどこれもまだまだ甘い。こうやるのよ。【サンダーレイン】【魔法陣】」
エリーの魔法は簡単に躱されてしまい、ローザの魔法だけが当たる。
その後も似たような展開が続いていく。
「これが単体の魔法を複数にする魔法陣ね」
「ぐっ」
「これは魔法速度を変える魔法陣ね」
「がっ」
「これは…」
エリーは抵抗を続けていたが、MPが尽きて魔法が撃てなくなってしまった。
「魔力切れね、魔法使いなら常に自分のMPには気を配っていなさい。
それじゃ、お勉強の時間がおしまいね〜。
それじゃあ、さようなら。【ダークフレイム】【魔法陣】」
巨大な闇色の炎がエリーに襲い掛かる。
「エリー‼︎させるか‼︎【ホーリーウォール】」
結界を破ったタクヤがエリーの元に飛び込み、聖属性の防御魔法を唱える。
光の壁が出現し、闇魔法と衝突する。激しい音を立てて壁にひびが入るもののローザの魔法を防ぎ切ることに成功した。
「あら?もう結界を突破してきたの?
さすがは勇者といったところかしらね。でも残念、時間切れよ。
それでは皆さん、さようなら〜」
ローザが転移魔法でこの場から消えると泉の水面にあった巨大な魔法陣が発動される。
泉が全て吸い上げられ、その後は周りの木々が黒く染まって枯れてゆく。
「そんな!聖なる泉が!」
「エリー、無事かい?立てるか?」
「悔しい、何も出来なかった」
皆が絶望する中、近くまで来るも間に合わないと傍観を決め込んでいたクロウだけは違った。
(ふははは、ありがとう、エリー!今ほど君に感謝したことはない。
無駄な抵抗を続けてくれたおかげでローザの魔法陣を心眼スキルでじっくりと観察することが出来た。
おかげで手探りで魔法陣の研究をしているお前と違って魔族だけが知っている魔法陣の方程式をかなりの数、記録することができた。本当にありがとう!)
クロウが一人喜びに浸っている中、他の皆は枯れた湖をなす術なく眺めていた。




