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深海の駅  作者: NiO
おまけ
13/13

プリティエスト美幼女☆あかりちゃん!

『プリティエスト美幼女☆あかりちゃん!』から読み始めた読者様へ。


『プリティエスト美幼女☆あかりちゃん!』は本編の重要なネタバレを大量に含みます。


しかも本編読んでいないと、話の内容が全く分かりません。


本編から先にお読みいただくことをお勧めします。

 俺の名は餌野(えさの)ゴカイ。


 プロのライセンスを持っているボクサーだ。


 毎日毎日、人を壊す練習をしている。


 いつもストイックな俺に、ジムの奴らも一目置いていることは、その対応で丸分かりではある。


 しかし、彼らは知らない。


 俺には、人には言えない趣味があるのだ。


 それは……闇に紛れて(・・・・・)女子供を(・・・・)力いっぱい(・・・・・)ぶん殴る(・・・・)と言うものだ(・・・・・・)


 もちろん、足が付くような馬鹿な真似はしない。


 絶対誰にも見られないように、絶対に証拠が残らないように。


 そうやってストレスを発散することで、俺は厳しい練習や減量をこなすことが出来ていた。


 それにしても、今回の減量は、本当に辛い。


 ストレス発散が、したい。


 ストレス発散しないと、耐えられない。


 よし、今日、やろう。


 もう我慢できない。


 俺はそんなことを考えながら、来るべき夜に備え、拳を握りしめ、サンドバッグを叩くのであった。



#############



 真夜中の、誰も通らない可能性もあるほどの、暗くて人気のない道。


 俺はそこで、誰か来ないか、ウズウズしながら待っていた。


 もしも誰も通らなかったら、どうするか。


 普段であれば諦めてまた明日、という安全策を取るのだが。


 今日の俺は、我慢なんて、絶対にできない。


 バレても良いからどっかの家にでも忍び込んで、住人をボコボコにしてやろう。


 そんなことを考えていると。


 スタスタと、足音がした。


 ……小さな子供だ。


 女の子。


 非常に可愛らしく、ランドセルなんかを背負って鼻歌を歌っている。


 胸の中に残ったわずかな良心が呵責してくるが、猛り狂った本能は、もう止められない。


 顔の形が分からなくなるまでボコボコにしてやろう。 


 最悪、殺してしまっても、構わない。


 俺は最速のステップで少女へ駆け寄り。


 問答無用で全身全霊を込めた渾身の右ストレートを振り抜いた。




######################




「も~。


 きゅうにおそって、こないでよ~!」



 少女は「ぷんすこ!」と怒っている。



 しかし、そんなことを言っても、襲ってきた相手は、聞く耳(・・・)など持たないし。


 少女の言葉を聞くような、素直な頭(・・・・)も持ち合わせていなかった。


 少女の言葉に対して反論するつもりの()も無かったし。


 更に付け加えるならば見る目(・・・)が無かったとも言えよう。





 ……えーっと(・・・・)比喩的に(・・・・)と言うか(・・・・)




 物理的(・・・)()





 と言うわけで、頭部の無くなった男が(・・・・・・・・・・)、重力に負けて倒れるのを見ながら、少女は


 「あ~じめんが、ちだまりになった~……さすがにばれるよね~……」


 と、しょんぼりしていた。


 人気が無くて、良い場所だったのに、これでは釣り場を移動しなくてはならない。


 ああ、どうしてこんなことになったのか。


 溜息を吐く少女の背後の暗闇で、バキバキボリボリと、何かを噛み砕く音が、聞こえた。


「せんそうのじだいは、よかったなぁ……」


 何しろあの時代は食料(・・)が、毎日食べきれないくらいに、いくらでも転がっていたのだから。


 しかし戦争が終わってからは、だんだんと治安が良くなっていき、食料採集(・・・・)がすっかり難しくなってしまった。


「うう、ぜんぜんたりない、よぉ~」


 いつの間にか消失した首なし男が遺した血だまりの前で、少女は可愛らしくお腹に手を当てる。


 食事の機会が少なすぎて、ここ数十年は慢性の飢餓に苦しんでいた。


「……なにか、あたらしいほうほうでも、かんがえてみないと、だめなのかも……」


 がっくりと肩を落として、そう呟くと、少女の背後の暗闇が、『ゲップ(・・・)』と、ひと哭きしたのであった。





 ……少女が。


 『黄泉比良坂駅』に出会うまで。


 ……あと3日。

流石はプリティエスト美幼女☆あかりちゃん!悪いヤツは、ひとかじり!(善い人も


因みにこのタイトルが、新規読者様にこの小説を読ませるための疑似小体(チョウチン)である、というオチ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] わあ! めっちゃ面白くて怖くて頭良くなってプリで大変でした!((((;゜Д゜))) [一言] 石河さんの割烹からきました。 めちゃ面白かったです!
[良い点] よく練られた斬新なお話でした。 脱出ゲームのようで面白かったです。
[良い点] きゃ~! あかりちゃ~~ん!! [気になる点] プリティエスト美少女☆あかりちゃん の続編 [一言] いやー一体何人の読者《しんし》が|あかりちゃん《ぎじえ》と仲良くなるのだろう。
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