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卵鑑定所『エッグ』  作者: ニラ玉
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01

第一話 領主の息子さんからの卵


 とある国の外れにある街。

 そこから更に少し離れた場所に、卵鑑定所『エッグ』は存在していた。



「ふう……今月も数件か。先代の叔父さんから受け継いだけど、こんな場所まで来る人あんまり居ないんだよな」



 小さい頃からの夢である卵鑑定士になり、憧れの卵鑑定士であった叔父さんから鑑定所を譲り受けたはいいけど……来てくれる卵鑑定依頼は少ない。

 ここに来る卵鑑定の依頼は、叔父さんの頃から定期的にやって来てくれる、街の生物研究者のオーバさんと、たまにくる別の卵鑑定所からの依頼だけだ。

 それ以外は全くない。



「はぁ、なんでここまで少ないかな。ま、まさか……!?」



 ここまで依頼が少ない理由は、俺の実力不足……か?

 ……いや!それだけではないはずだ!

 そもそも、街から離れている立地の悪さも理由のはず!……そうだよな?決して俺の実力が低いから、卵鑑定の依頼が来ないわけじゃないよな?



「くっそ〜!このままじゃ、卵鑑定の依頼だけじゃ食べていけなくなる!こ、こうなったら、卵鑑定以外の副業でも考えて……」


 カランカラン


「すまない。ここが卵鑑定所『エッグ』か?」

「へ?ええ、そうですが?」



 今後のことについて考えていたら、鑑定所の扉が開いて背の高い男性と低い男性の2人が現れた。

 背の高い方の男性は、腰に剣を携えており、軽装ながら防具をつけている。

 一方、背の低い男性は一切武装しておらず、上質であろう服を着て、何やら大きめの物を布に包んで抱え込んでいる。

 ……お偉いさんとその護衛、って感じかな?



「よかった。まあ、周りにこの建物以外なかったので、ここで間違いないだろうと思ったが……おっと!話しが逸れたな。実はお願いがあってここに来たのだが……」

「お願い……ですか。一体何でしょうか?」

「ああ、実はコレの鑑定を依頼したくてな」



 お偉いさんだと思われる男性は、抱えていた大きめの物をカウンターの上に置くと、布を解いた。

 するとそこからは、透き通るような淡い水色をしている卵が現れた。

 タ、タマゴ!?つ、つまり……これは!



「この卵は、近くの海岸に打ち上がっていてね。一体、なんの卵なのか気になって、街の生物研究者であるオーバに聞きに行ったんだ。すると、卵のことについてなら、街外れにある『エッグ』に行けと言われてね。それで、この卵の鑑定をお願い……」

「もちろん!引き受けましょう!」



 オーバさん!お客さんのご紹介ありがとうございます!!

 新しい卵鑑定の依頼キタ〜〜〜!!


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