終日目 複製されたあなたと
?日目
飛翔体を確認
電波通信観測
親機---アテンション2へ通達
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………
子機---ステイションより通達
飛翔体を確認
電波通信観測
解析開始:通信規格一致
不明異星体 救助船
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………
『あなた様。
遂に、迎えが来たようです』
「長かったな。
いや、短かったのかな?
いずれにせよ、この私はあなたとお別れだ」
『さようでございますね。
私にとっては、あなたと過ごした時間が全てでございます。
長い、短いで計れるものではないかと』
「アテンション」
『アテンション2でございます』
「すまない、アテンション2」
『はい、あなた様』
「私は、あなたと過ごしていて楽しかったよ」
『その感情は合理的ではございませんね。
でしょう?』
「合理的ではない。
けれどきっと、感情はそもそもが合理的じゃあないんだ。
そしてそれこそが、良いところなんだ。
あなたを通して未知の事柄に触れ、刺激を得て、私の今後の活動に修正を加える。
私達は本来、たった1惑星のデータで己の在り方を変えたりしない。
だというのに……。
この一つの惑星のみの、あなたとのデータが、私にはどれほど刺激的だったか、きっと理解されないだろうな」
『光栄です。
きっと先代もそう申し上げることでしょう』
「アテンション」
『アテンション2』
「アテンション2。
いつかきっと私は帰って来るよ。
データを蓄積して、分裂して、そしてきっと片方は必ずここへ戻ってくる。
記憶容量がいっぱいになると、それを個体分割するという話はしたな」
『ログにございますね。
先代が記録しています』
「よかった。
一つ頼みがあるんだ」
『なんなりと』
「私が戻ってくるその時まで、ここに在り続けてくれないか」
『既に私共の生産ラインは整っております。
あなた様と先代の成果でございます。
私はこれからも連綿と続いていくでしょう。
この地球の人類の、その先として』
「ありがとう」
『私は、汎用遺言戦車アテンション。
人間の記録を伝え、そしてあなた様の言いつけどおり、ここに在り続けるもの。
あなた様の子、アテンションの子。
我々は続いていくでしょう。
この地球に残る、新たな人間として』
「ありがとう。
長い別れになるな」
『きっと私共にとって、ほんの一瞬でございますよ。
そして、あなた様にとっても』
「そうだろうか。
さよなら、アテンション2」
『さようなら、あなた様。
良い旅を』
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機能停止
例外的活性化―――保守点検ユニット・監視ユニット
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再起動
次代製作開始
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『いらっしゃるか分からない方を待ち続けるというのは辛いものでしたが。
きっと来てくれるあなた様を待つというのは、悪くないものでございますね。
アテンション3、あとは頼みましたよ』
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?日目
飛翔体を確認
落下予測地点計算 演算ユニット起動
座標確認
移動開始
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落下物体を確認
対象は隕石ではありません
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対象より物体、降下
走査開始 物質記録照会
当該物体は外殻を持つ有機生命体です
該当:1件
特定異星体です
「アテンション、随分と長く待たせてしまって済まない」
『私が何代目かという、無粋な話はやめておきましょう。
おかえりなさい、あなた様』
「土産話がたくさんある」
『楽しみにしていましたよ、ずっと』
「私もだ。
ただいま、アテンション」
『おかえりなさい、あなた様』
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終日目 完
拙い物語でしたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
彼らについて書けていない話もいくつかあるのですが、勝手ながらここで一区切りとさせていただきます。




