第三話・戦闘&過去
あたしは上月愛華。
今から彰吾と――正確には彰吾の部下と―――戦うことになっている。
彰吾はあたしを見下している。だから、あたしはこの戦いであたしは変わったと認めさせてやる!
あ、きたみたいだ。あれが彰吾の部下・・・・ええっ!!!
「あんたたち、何でそんなもん持ってんの!?」
そう。彰吾の部下たち――――覆面、サングラス、バンダナ巻き、ロンゲ、ガングロ野郎、キャップかぶりの計六人の男たち、BAKKURUZは、なんと!
鉄パイプ、椅子、ジャックナイフなど、暴力団が通りすがりの男性をカツアゲする道具に等しい道具を持っていたのだ!!!
なんて卑怯な輩!!
「これはなぁ、師匠――――彰吾さんが持ってけ、って出してくれたんだよ」
「これでアンタをボコボコにしろってなぁ!!」
ふうん、ほんとーに卑怯なのは彰吾ね。
「じゃ、はじめますかっ」
まあ、こんな奴が道具を使うのは慣れてないはず・・・
「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ってすんごい慣れてるしーーー!!ま、慣れてるモンは仕方ないっと。
「とりゃっ!」
「うぎゃっ!!!!」
あたしの回し蹴りで覆面の男が吹っ飛ぶ。弱くねこいつ?
「うりゃああ!!!」
「おりゃっ、と」
「・・・・!? ぎゃああ・・・・・・」
こんどはかかと落とし炸裂。バンダナまきが崩れ落ちる。
「うらあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
「ほざけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
今度は前後同時にロンゲとガングロ野郎が鉄パイプとジャックナイフ片手に襲い掛かってきた。
どっちをよけても危ないわね・・・・
そう考えたあたしは、二人が何十センチぐらいかに来たところで、体を右に引いた。
すると、男たちはあたしの前後にいて、同時に襲い掛かったから、真ん中のあたしが消えると、男たちが衝突することになる。
「あがぁぁぁ?」
「いたぁぁぁ・・・・・?」
同時に鉄パイプとジャックナイフきり付けを食らった二人は倒れた。自業自得ね。
そう思ったあたしの背後に、今度はサングラスの男!
「おらおら、油断してると危ないぜ、とりゃ!!」
「え・・・?うそ!えいやっっっっ!!!!」
「ぐはぁぁぁ?」
間一髪、あたしのパンチが相手のみぞおちに。当然相手は倒れる。ふう、危なかった。
「なかなかやるな。だが、俺はそうは行かない・・・・」
「よいやっ」
右足引いて、
「さあっ!!!」
回し蹴りー!
「ぐほぉぉぉぉ・・・・・?!」
無駄口たたくぐらいなら攻撃しなさいよ、まったく。
でも、これで全員倒した。あたしは言った。
「あんたたち、人間には表と裏があるって知ってる?」
「表と・・・・・裏?」
「そう。」
あたしは、冷酷な微笑みを浮かべていった。
「表では友達ぶってても、裏ではその人の悪口を言う。そんな人がこの世界にはいっぱいいる。でも、表しかない、とってもいい人だっている。それがあたしだった。」
あたしは昔を思い出す。幼稚園、小一、小三・・・といじめられてたころを。
「表しかない人はいじめられる。みんなと違うから。それだけでいじめられる。脱出するには裏を知るしかない。しかし、あたしは裏を知りすぎて、またいじめられた。」
そういえば、裏を知らないあたしに裏を教えてくれたのは、絵美奈だったっけ・・・・?。
「そのうちに、あたしは裏の世界から出られなくなった。表でいじめられるあたしにとって、裏しか居場所がなかったんだ。そうしてあたしは・・・」
そこでいったん言葉を切った。あたしを裏の世界に追い込んだ、彰吾が憎いと思ったからだろう。
「裏の世界に追い込んだ彰吾を、恨むようになった。だからあたしは、変わったの。」
きっと、あたしが変わらなきゃいけないことは、決まってたんだね。その思いを込めて、彰吾への怒りと憎しみ、恨みを入れて、あたしは冷たく言い放った。
「復讐を遂げるファインティングガール――――暴力少女に。」
あたしの目もいつしか、復讐を誓う冷たい目に変わっていた。
「あっそうそう、BAKKURUZUの皆さん。」
あたしは倒れている男らに優しく言った。
「もう、彰吾の部下なんて、止めたほうがいい。そして、もっといい人を慕うのよ。そのほうが、あんたたちのため。」
「「はい!!!」」
なんかやけに元気なのは、どうしてだろう?
「それではいつかまた」
あたしは後ろを向いて、振り返った。
「貴方たちが誰かに暴力を振るったときに会いましょう?」
ゾクリ。彼女の顔を見た男たちに、寒気が走った。それもそのはず。
彼女の顔は、もう笑ってはいなかったのだから。
その顔は、復讐を遂げようとする鬼のように、恐ろしかったのだから。
書いてから気づいたんですけど、BAKKURUZUって、いったい何歳なんでしょうか?
小五の部下で、鉄パイプやジャックナイフ持ってるから、きっと成人男性ですかね?
彰吾、恐ろしや〜!!