↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/16

最終話・暴力少女・後編〜戦・空しき暴力少女〜

少しグロイです。


「お楽しみも、これからだよ……!」


カイがそういった瞬間、二人は天井にぶつかる。しかし床を蹴った力が相当だったため、天井を破り、屋根の上に出てしまった。

無論、屋根を破ったため頭をぶつけてしまったが。


「暴力少女、君は友達を助けようとしているようだが……なぜかい?」


「決まってるでしょ、親友だからよ!」


愛華がそういうと、カイは瞳に不思議な光を宿した。


「その親友は、僕によって洗脳されている。『愛華という親友なんかいない。君は僕の妹だ』とね」


なんというロリコン精神!


「絵美奈は洗脳されるはずがない!あの子は人一倍気が強い子よ!」


「気が強いのと洗脳はわけが違う。信じられないようなら……証拠を見せようか。惣実、おいで」


「はい、お兄ちゃん」


聞きなれた声。この声は……絵美奈。


「え?」


そして図書室の窓を突き破って出てきたのは、絵美奈その人。


「お兄ちゃん、この人が悪い人?」


幼い子供のような口調で聞く絵美奈。彼女はもう、絵美奈であって絵美奈ではない。


「ああ、そうだよ。お兄ちゃんを困らせているとっても悪い人」


「じゃぁ、殺すね!」


「じゃあね!」というような話し方で言われた死刑宣告。


「え……絵美奈?」


「惣実、戦う」


そういった絵美奈はもう絵美奈ではない。


目つきは鋭く、冷酷な光を宿している。


口には微笑を浮かべている。


まるで、二人目の暴力少女だった。



「がっ………!?」


気づいたときには空中に浮いていた。


それは絵美奈―――惣実が、さっき突き破った天井の穴に向かって、愛華を突き落としたからだ。


「きゃ、きゃぁぁぁぁ!!」


天井は低いといっても、結構な高さはある。まして下にはマットなんかない。


死ぬ確率のほうが高い。


「あ、がぁぁぁ!!」


絶叫。床に強くたたきつけられた愛華を、さらに惣実とカイがクッションにし、床に到達する。



新たな体重がかかり、愛華はついに意識を失った。

意識を失う直前、カイが言った。


「君はもう、永遠の暴力少女だ」






目が覚めたとき、病院だった。


「上月さん、大丈夫ですか?」


看護婦さんが声をかけてくれた。

しかし愛華は無言で首を縦に振る。


「なにかあったら、気軽に声をかけてくださいね」


優しく声をかけてくれるが、やはり無言だ。


ただ何か、体に違和感を感じる。


傷つけたい。


ただなにかを傷つけたい。殺したい。暴力を振るいたい。


「うらぁ!!!」


看護婦さんを殴る、蹴る。


「上月さん!?上月さん!?どうしたんですか!?上月さん!?」


愛華は取り囲まれる。しかし、その人たちをすべて蹴散らし、入院患者をも襲おうというギリギリの所で取り押さえられた。



愛華は完全に、暴力少女と化していた。


もう永遠に暴発し続ける。



『誰よりも強く』



「うがぁぁぁ!離して!上月さん!離してください!…ぁがっ!!」


「ぁあ!?うがぁぁぁぁ……」



『誰よりも冷酷(クール)で』



「ねえ、ここから出しなさい!」


「駄目だ!上月さんは暴発する!あぁっ!?」




『誰よりも空しい 独りぼっちの 暴力少女に』




終わり

その後、惣実とカイの行方を知るものはいません………


いままで愛読ありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。