第十一話・「兄貴」
「峰崎……カイ……」
こんにちは、愛華です。
今、自分の部屋のベッドにねっころがって、「峰崎カイ」さんのことを考えていたんですが・・・
「あの人、一体何者なんだろうか・・・」
あの人のことはすべて謎。全身が謎のヴェールに包まれてるんです。
あの人について分かってることは、
・名前
・容姿(まぁ、当然だが)
・彰吾の兄ではない。
・自分がいるところには、いることが多い。
これだけしかないのです。
でも、気になることが。
四番目の、「自分がいるところには、いることが多い」ということ。
ストーカー・・・なわけないですよね。じゃぁ、何だろう……?
「本人に聞いてみるしかないかな・・・」
でも、あの人はどこにいるのだろうか?
「う〜ん……」
謎は尽きません。
「彰吾!嬰汰!」
「「兄貴!?どうしたんですか?」」
「ん、愛華ちゃんをこれからどうしようかなーと、こうして遥々ここまで来たわけ」
「遠いところからご苦労様ですね、兄貴。え、上月愛華を……?で、どうするおつもりで?」
「まだ考え中ー」
「………兄貴ぃ」
「……兄貴は意地悪ですねー。ドSでしょ」
「愛華ちゃんをいじめてた彰吾に比べちゃ、まだいいほうでしょ」
「………う」
「ぁ、ちょっと一人にしてくれるかな。ちょっと考え事したいから」
「あ、分かりました。兄貴」
この「兄貴」と呼ばれる人物は何者なのか?
そして、愛華は一体どうなるのか?
まだ、この結末は誰にもわからない。
わかるとすれば、ただ一人。
「上月愛華……さて、まず如何しようかな……?」
愛華に何かを起こそうとしている、張本人だけだった。
そろそろ、完結かな?
あと二〜四話ですね、きっと。