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大罪の魔神王  作者: ひなた 奏
序章 新たな魔神と新たな勇者
8/21

8話 勇者に与えられた力

不定期更新です

 食堂にいる者全てが今入ってきた2人に視線を向ける。だが、その視線に違いがあった。礼音たちは誰かはわからないが服装が豪華なので失礼にならないようにしていたが、勇者たちは明らかに尊敬の意を込めていた。


「あの、失礼ですがどなたでしょうか?」


 光が一歩前に出て尋ねる。


「私は、アルバスタ・フォン・アステカ。【アステカ王国】の国王を務めておる者だ」


 国王と聞いて礼音たちは驚愕した。同時に、慌ててもいた。何せ礼音たちは少し前までただの高校生。国のトップに立っている人物と相対する時に相応しい礼儀などは知らなかった。


「申し訳ありません。私たちはただの学生でして。どのような礼儀をとったらいいのかわからないのですが」


 恐る恐るなるべく平穏を装いながら今度は礼音が尋ねる。

 すると、アルバスタは穏やかに笑いながら答えた。


「ほっほっほ。よいよい。礼儀など。お主ら勇者は私と変わらぬ、それどころか私より高い地位を持っておるからの」


「あの、それはどういうことでしょうか」


「お主らをはじめ勇者たちはこれから戦いに身を投じてもらうことになる。それも、一般の兵士とは比べ物にもならない程の激闘に挑み、文字通り命を懸けて戦ってもらうことになる。勇者とは力の象徴。兵士や戦えない者たちの希望となるのが勇者というもの。そのような勇者たちと私のようなただの為政者を比べていいはずもない。だから、勇者は国王よりも高い地位を持っているのだ。もちろん、その地位を持っているからこその振る舞いに気を付けてもらわねばならないがの」


 説明を受けて礼音たちは納得できた。だが、同時に戦いに身を投じなければならないことも理解できた。


(やはり、戦わなければいけなのね。でもそれは召喚された時に予想できていた。ならば、死なないために強くならなければいけない)


「立ち話もなんですからとりあえず座りませんか? 礼音様たちも、お父様も」


「そうだな」


「そうですね」


 礼音たちはセイリュウの隣に光、礼音、アリス、咲良、神威、穂乃花の順に座った。

 フィリナは長テーブルの左端に、アルバスタは右端に座った。丁度フィリナとアルバスタが向き合う形だ。

 天使のような女性はアルバスタの右後ろに控えている。


 アルバスタは礼音たちが座ったのを確認してから話を始める前に料理を進めた。


 「さあ、勇者たち。料理を楽しんでくれ。王宮の料理人が腕によりをかけて作ったものだからな。きっと満足するはずだ」


 確かに、アルバスタの言う通り料理はとても美味しかった。


「おいしい! ――ッ! すみません」


 穂乃花もついつい大声を出してしまった。その後、そのことについて謝罪したが、アルバスタはそのことを許した。


「よいよい。子供は元気なのが一番だからの。……さて、食べながらでよい。お主らを呼んだ理由を始めるからの。まず初めに、セイリュウ殿たちを呼んだのは【アステカ王国】の意思ではない」


「は……!? じゃあ、誰が呼んだんだよ」


 エンの当然の疑問に天使のような女性が答えた。


「あなた達を呼ぶよう頼んだのは私です。それに、礼音さんたちの召喚にも私は関係しています。私は女神族の一人、正義のミカエルといいます」


ミカエルは礼音たちの方を向きながら続ける。


「そして、神の使徒でもあります」


 正義のミカエル。彼女こそがアステナが礼音たちに言った神の使徒なのだ。

 ミカエルは神の使徒としての仕事を始める。


「まず、謝らせてください。この度は【カルゲン】の事情で関係のないあなた達を召喚して申し訳ありませんでした」


「それはもう過ぎたことですから」


 礼音たちは諦め半分この状況を受け入れていた。


「ありがとうございます。……では、説明を始めたいと思います。【カルゲン】の勇者たちは少々お待ちください。では、まず礼音さんたちのステータスを見せてもらっていいですか?」


 礼音たちは心の中でステータスと念じて透明の板みたいなものが出現する。

 ミカエルはそれを魔法で拡大し、頭上に映す。

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 種族:人族

 名称:ヒカル=ツキヨミ

 職業:勇者

 レベル:1

 魔力:350

 【スキル】

 〈聖剣術Lv.1〉:聖剣の扱いが上手くなる。聖剣の切れ味と速度に極大補正。勇者専用スキル。

 〈聖剣召喚Lv.1〉:スキルレベル×1本の聖剣を召喚できる。勇者専用スキル。

 〈上限突破〉:レベル、ステータスの上限を解放する。

 〈全属性(極)〉:全属性を扱える。魔法の威力に極大補正。魔力消費量半減。ヒカリはその中で聖属性に最も適性がある。

 〈言語理解(全)〉:全ての言語を理解できる。

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種族:人族

 名称:レイネ=オトナシ

 職業:賢者

 レベル:1

 魔力:400

 【スキル】

 〈魔法適性(極)〉:【カルゲン】に存在するあらゆる魔法を習得できる。賢者専用スキル。

 〈上限突破〉:レベル、ステータスの上限を解放する。

 〈全属性(極)〉:全属性を扱える。魔法の威力に極大補正。魔力消費量半減。レイネはその中で水属性に最も適性がある。

 〈言語理解(全)〉:全ての言語を理解できる。

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 種族:人族

 名称:アリス=アラガキ

 職業:創造師

 レベル:1

 魔力:1000

 【スキル】

 〈創造神〉:魔力によって万物を生み出せる。創り出すものに限りはないが、複雑なものや特殊なものになればなるほど魔力が必要になる。

 〈上限突破〉:レベル、ステータスの上限を解放する。

 〈全属性(超)〉:全属性を扱える。魔法の威力に超大補正。魔力消費量大幅軽減。

 〈言語理解(全)〉:全ての言語を理解できる。

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 種族:人族

 名称:サクラ=クルシオ

 職業:剣神

 レベル:1

 魔力:180

 【スキル】

 〈神剣Lv.1〉:剣の切れ味と速度に極大補正。剣神専用スキル。

 〈上限突破〉:レベル、ステータスの上限を解放する。

 〈全属性(超)〉:全属性を扱える。魔法の威力に超大補正。魔力消費量大幅軽減。サクラその中で雷属性に最も適性がある。

 〈言語理解(全)〉:全ての言語を理解できる。

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 種族:人族

 名称:カムイ=シンドウ

 職業:武具召喚師

 レベル:1

 魔力:1000

 【スキル】

 〈武具召喚Lv.1〉:魔力を消費して武具を召喚する。Lvが上がるにつれて武具のランクも上昇する。武具召喚師専用スキル。

 〈完全適応〉:あらゆるものに適応できる。

 〈上限突破〉:レベル、ステータスの上限を解放する。

 〈全属性(超)〉:全属性を扱える。魔法の威力に超大補正。魔力消費量大幅軽減。

 〈言語理解(全)〉:全ての言語を理解できる。

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 種族:人族

 名称:ホノカ=サキヤマ

 職業:弓神

 レベル:1

 魔力:250

 【スキル】

 〈神弓〉:弓の貫通力と飛距離に極大補正。弓神専用スキル。

 〈上限突破〉:レベル、ステータスの上限を解放する。

 〈全属性(超)〉:全属性を扱える。魔法の威力に超大補正。魔力消費量大幅軽減。ホノカはその中で風属性に最も適性がある。

 〈属性付与(超)〉:武具に属性を付与できる。付与の持続時間と威力に超大補正。魔力消費量大幅軽減。

 〈言語理解(全)〉:全ての言語を理解できる。

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 その場にいた者は例外なく戦慄した。


 礼音たちのステータスがあまりにも規格外だったためだ。


 ミカエルは礼音たちのステータスを見て満足そうに頷いた。


「レベル1でこれほどとは。それだけの魔力とスキルがあるのです。鍛えれば世界最高レベルの実力を手に入れられるでしょう」


 【カルゲン】では魔力量とスキルがその者の実力に直結する。

 つまり、礼音たちの実力はすでに超人的だと言っていい。

 ちなみに、【カルゲン】の一般的なレベル1の魔力は二桁前半、スキルは1、2個だ。


「次にレイネさんたちが一番知りたいであろう帰還について説明します。結論から言うと、レイネさんたちは元の世界に帰ることができます」


 その言葉に礼音たちの表情は明るくなる。


「しかし、しばらくは無理です」


『えっ!?』


 礼音たちが静止する。


「心中はお察しします。しかし、勘違いしないでいただきたいのは『帰さない』のではなく『帰せない』ということです。礼音さんたちが元の世界に帰るには世界を渡る必要があります。それには時と空間を司るアステナ神の力が必要不可欠です。しかし、アステナ神の力は元々弱っており、礼音さんたちを召喚はできても帰す力までは残っていないのです」


「それで俺たちは何をすれば帰ることができるのですか?」


 光が単刀直入に尋ねた。何かをしなければいけないことはわかった上での質問だった。


「今から言うことはレイネさんたちだけに向けてではありません。セイリュウさんたちにも共通していることです。しかし、それを話す前に伝えなければいけません。勇者が生まれるきっかけになった神話のことを」


 そうして、ミカエルは神話を語り始めた。

読んでくださりありがとうございます。

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