黄色いサンタクロースの二人のり自転車
それは、ある暑い夏の日でした。まっ青な空には、まっ白
な雲が、思い思いの絵を描いていました。おひさまに照りつ
けられた道は、まっ白に光って輝いていました。その道を黄
色いサンタクロースが黄色い自転車で走っていきました。走
っても、走っても、白い道は、どこまでも、まっすぐにのび
ていました。
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□□□□□□□□■■■●■■■ Ha,Ha、Ha!
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WOODLAND BEAR
Selenarctos thibetanus japonicus
それは、ある暑い夏の日でした。まっ青な空には、まっ白
な雲が、思い思いの絵を描いていました。おひさまに照りつ
けられた道は、まっ白に光って輝いていました。その道を黄
色いサンタクロースが黄色い自転車で走っていきました。走
っても、走っても、白い道は、どこまでも、まっすぐにのび
ていました。
すると道のむこうから、小さな黒い点が、ゆらゆらと動い
ているのが見えました。よく見ると、だれかが、こちらへや
ってくるようでした。小さな点は、少し大きくなりました。
かたちが、わかるようになりました。それは、くまのかたち
をしていました。
「森のくまさんのところへ、おつかいにいく途中だったけれ
ども、くまさんがむこうから歩いてくる」
黄色いサンタクロースとくまは、近づいたので、もう顔が
見えます。くまは、「はあはあ」といっているのが聞こえる
ぐらい暑そうに見えました。
しばらくすると、目の前までやってきました。
「となりの森のくまさんにたのまれて、木の実をとどけると
ころでした」
黄色いサンタクロースは、自転車の荷台につんである大き
な袋をしめしました。
「はあはあ、ありがとう。今日とどけてくれると聞いていた
ので、森の入口で待っていたけど、待ちきれなくて少しずつ
歩いてきたら、ここまで来てしまいました。はあはあ」
暑そうに、くまは、こたえました。そして、ふらふらする
と、ずでんとたおれてしまいました。
「くまさん、くまさん、だいじょうぶですか」
黄色いサンタクロースは自転車をとめて、くまのところへ
かけよりました。
「しっかりしてください」
かかえおこそうとしましたが、大きくて重くてできません
でした。はんたいに黄色いサンタクロースが、たおれてしま
いました。
くまは、やっとおきあがりました。
「あまり暑くて、たおれてしまいました。ごめんなさい」
「くまさん、ぼくが自転車で森におくりましょう」
そういうと、黄色い自転車の荷台につんであった木の実の
はいった大きな袋をどけて、くまをすわらせました。大きな
袋は、くまがもちました。
ところが黄色いサンタクロースがペダルをふんでも、くま
が重くて、ぜんぜん動きません。
「これは、こまったな」
大きな袋をかかえたくまが、いいました。
「そうだ、わたしが、こぎましょうか」
「そうですね。くまさん、そうしてもらえますか」
黄色いサンタクロースとくまは、前と後をかわりました。
「それでは、出発します」
元気に、くまが、さけびました。しかし、黄色い自転車は、
あっちへふらふら、こっちへよろよろ。
「だいじょうぶですか、くまさん」
「わたしは、はじめて自転車をこぎました。でも、なんとか
なるでしょう」
こうして、よろよろと、くまと黄色いサンタクロースをの
せた黄色い自転車は、森にむかいました。森につくころには、
すっかりおひさまが、おちて夕方になっていました。
「ようやく、つきました。黄色いサンタクロースさん、あり
がとう。今夜、木の実をみんなで食べます」
「それは、よかったですね。それでは、ぼくは、帰ります」
すいすいと黄色い自転車が走っていきました。黄色いサン
タクロースの背中には、まっ赤な夕日があたっていました。
おしまい
今回の話は、ある暑い夏の日に書きました。
「こんな暑い日は、熊は、もっと暑いだろうな」と思って考えつきました。名古屋の東山動物園には、熊舎というのがあって、いろんな種類の熊を見ることができます。