表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

ダンジョンの力

俺は今日もダンジョンに足を運んだ。

みたところアリシアの姿は見えない。

今日からアリシアのいった通りファクトを狩るのだが、ファクトはダンジョンの奥に入っていかないと生息していない。

だが、奥に行けば行くほどファクトは強くなってゆく。ダンジョン内は縦にも長く、深いところには純度の高い剣晶石が眠っているために、そこに生息するファクトも強くなるという。

俺はファクトとの戦闘はおろか、俺はこの世界に来てから行った戦闘は男との一回のみだ。そんな俺にとってはお試し程度の戦闘を望んでいた。

俺は少し入ったところでファクトを探した。すると、昆虫型の小さなファクトが現れた。俺がファクトを見たのは初めてだ。

昨日アリシアが見せてくれた写真にも写っていた。

昆虫といっても現実の世界ではありえないような大きさで、膝のしたくらいの大きさの昆虫がこちらに向かって来ようとしていた。

ギリギリをかわすと、右手に握った剣を振る。すると、「ギギギーー」という蝉のような鳴き声をあげて転がるファクトにもう一撃をくらわせる。

動きを失ったファクトは小さな光に包まれ、一つの剣晶石が転がった。

昆虫型のファクトの心臓ほどの剣晶石は、深く青に輝いていた。

その後も俺は戦闘を繰り返した。

ネズミのようなファクトや、犬のような素早いファクトとの戦闘も多く、少しづつ腕を上げていった。

持っていた袋がいっぱいになり、一度ダンジョンを出ようと出口へ向かった。

外へ出ると、門の近くに用意された小さな休憩所に入ろうと辺りを見回した。

休憩所を視界にとらえた瞬間に、門の内部に大きな警告音が響く。

突然のことに戸惑い、入り口付近をウロウロしていると、放送が入る。

「ただいま、ダンジョン深部に生息するファクト、ケルベロスが入り口に向かっているとのことです。危険ですので避難してください」

そんな放送が耳に入った時にはもう遅かったようで、背後に荒い息を感じた。

奥からは悲鳴が響き、背中に衝撃が走った。

ケルベロスが大きく振った腕が、背中にかけた剣に当たった。

前のめりに吹き飛ばされ、顔を押さえながら振り返ると、そこには三つの頭で声を上げるケルベロスの姿があった。

周りの人々は門へと次々に走っていく。

そんななか、俺は擦りむいた顔を拭き、剣を抜いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ