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伝説の話

窓から差し込む日光に照らされ、ゆっくりとまぶたを持ち上げると、背中に軽い痛みが走る。

椅子の上で寝るとこうなることはわかっていたのだが、アリシアがベッドで寝てしまっていたのだから仕方ない。

「おはようございます。昨日は勝手に寝てしまって、すみません」

意識が浅い中でアリシアが謝罪をしているようだったので、あくびをこらえながら笑みを作ってみせる。

「今日はちゃんと稼いで、お金返しますので」

思春期の俺からするとその思わせぶりなセリフはドキリとするのだが、なにかこの世界には金を貸せぐ方法が存在するのだろうか。

『稼ぐって、なにか方法があるのか?』

頭の上に疑問符を浮かべる俺の顔を少し不思議そうに見つめるアリシアだったが、口を開いた。

「レンさん、知らないんですか?剣晶石を取りに行くんですよ」

剣晶石という聞きなれない単語に戸惑う。

『剣晶石ってのはなんだ?』

「私も詳しくは知らないですけど、私たちが持っている精剣に使われる石みたいです。種類もたくさんのあって、石ごとに出来上がる精剣も全然違うみたいです」

皆が手にしている精剣と呼ばれる剣には、何やら特殊な石が使われているらしい。

『でも、なんでみんなが精剣を持っているんだ?争いをしない人たちだっているだろ』

中央の道で店を出していた女性でさえも小さな精剣を身につけていた。

「それはこの世界に存在する全ての人々は、剣晶石を身につけていないと呪いによって命を奪われてしまうのです。それを精剣という形で身につけるようになったのです」

呪いや催眠術などという類のものは信じない俺だったが、この世界に来てしまったからには信じないわけにもいかなかった。

『なんでそんな呪いにかかってしまったんだよ』

「1000年以上昔の話です。このグラムで最初に生まれた精剣、〈エクスカリバー〉と呼ばれるこの世界の神、オネイロス様の精剣を求めて起こった戦争があったのです。エクスカリバーはグラムに眠る伝説の剣だと言われていました。いくつもの国が兵をあげて、たくさんの命が奪われていきました。それを見たオネイロス様は、自らエクスカリバーを破壊したのです。その時、エクスカリバーに宿っていた力が流れたし、このような呪いとして姿を残しているんです」

オネイロスそんなに偉大な神だったのかと、昨日の出来事を思い出してしまうが、そんな出来事があったなど想像もつかなかった。

しばらく暗い顔をしていたアリシアだったが、本来の目的を思い出したのか、張り切っているようだった。

剣晶石は洞窟内に眠っているらしい。そしてその洞窟内には凶暴なモンスターが生息しているらしい。

アリシアと軽い朝食を終えた後に早速洞窟へと向かった。

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