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異世界から転生したけど出戻りしました。  作者: 阿弥陀
1章 出戻り英雄譚の始まり
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3話 説明してよ聖女様 後編

はい、後編です。そういえば一人称の呼称なのですが、恵美と香織はわたしで、アルールはわたくしです。

どうでもよい情報でした。

どうでもよい情報ついでに勇士の名前の由来は勇者の(ゆうし)ゃです・・・・

安直です、ごめんなさい・・・・

この世界を救って欲しいと言うアルールに勇士は、


「この世界を救うとは一体?ラノベよろしく魔王とやらを倒して欲しいとか?」


「いいえ、ラノベという物は存じませんが、魔王はこの国の友好国ベリエライア魔族連合国の代表の方の総称です。なので魔王は倒してもらっては困ります。それに魔王とは個人的にも親交があるので私が全力で止めさせていただきます」


そうなのだ、この世界では異世界物らしく多種多様な種族がいながら殆どの種族間に諍いなく、それぞれ国どうしで連盟を組んでいるほどだ。

しかし前世がこの世界出身の俺でさえ、何故他の世界から人間を喚んでまで事に当たらないといけないのかが分からない。この世界の脅威は殆ど前世の時に駆逐され、平和になっていたはずなのである。


「ですが何かを倒して貰いたいという意味ではあっているのかもしれません。倒して貰いたい物それは・・・・魔神です」


魔神、そんな物は前世の時代にはいなかった。

俺がいなくなってから何が起きたのか?何故この世界のルールに外れた存在がいるのか堂々巡りと化した思考をリセットするため、俺はアルールに尋ねる事にした。


「魔王とやらは倒さなくていいのはわかった。だが魔神とやらってのはなんだ?もしかしてこの世界の神とやらか?」


「いいえ、この世界には魔神という名前の神は存在しません。丁度よいのでこの世界『グランディア』の神話をお話しましょう」


そう言うとアルールは周りに控えていたローブの魔術師達にこれから先は立て込んだ話になるので下がってくださいとだけ言い周りの人間をさげさせた。

魔術師達は何も言わず部屋からでていく所を見ると最初からそういう段取りだったことが伺える。


「さて、この世界の神話をざっくり説明させていただきます。この世界には7柱の神が存在し、この神々は世界に無という概念しかなかったときに顕現したと言われております。このうち2柱の神は同時に顕現したと言われており、この2柱の神を二極神といい、光を司る光の女神、闇を司る闇の女神といいます。この世界に光と闇、朝と夜、あらゆる出来事に対となる対極をもたらしたといわれています。そして後に4柱も同時に顕現しました。この4柱を四元神と言い、火を司る火の女神、水を司る水の神、大地を司る地の女神、風を司る風の女神。この四元神は世界に生物の住める場所を用意したと言われております」


そこまで言い切って一息ついたアルール。

そんなこの世界の生い立ちを勇士達は真剣に聞いている。

俺は知っていることなので魔神とやらの考察の続きと、今後の身の振り方について考えていた。

そして息を整えたアルールは続きを語りだした。


「そして最後に説明する神、この神は先に説明した神々より先に世界に顕現し世界に概念を制定し、無から有を創りだしました。その過程で補佐をするために二極神、四元神が顕現しました。しかし主神と眷属神という関係ではなく、神々達はあくまで対等な存在だったらしいです。そして神々はそれぞれ眷属を創り、この世界に生命が誕生しました。そしてここまでを神話の第一折で創世紀といいます。しかし時は流れ私の遠い祖先が現れ始めた頃でした。なんと二極神と四元神は争いを起こし始めたのです。理由は分かってはいません、しかし世界を巻き込む程の壮絶な争いだったらしいです。大地は割れ、炎が地の底から吹き出し。海は荒れ狂い、嵐は絶えず、朝か夜分からないほど光と闇は世界を覆い尽くしたと言われいます。そうして世界は荒れ果てこの世界の生命の存続に危機が及んだ時、それまで何故か静観していた最初の神も世界と生命を護るため争いに参加したのでした。しかしそれは争いとは言えないほど最初の神は圧倒的でした。それぞれ闘っていた6神ですが最初の神が現れ、その圧倒的な力に共闘を余儀せざるをえなかったほどでした。しかし共闘虚しく負けた6柱は最初の神に断罪を受け、世界に再び平和が訪れました。この期間を第二折、暗黒紀と呼ばれています。しかし争いの爪痕は凄まじく世界は歪み荒れ果てしまっていました。最初の神はその歪みを解消すべくその歪みを獣に換えるシステムを創りました。二極神と四元神は荒れ果てた世界を癒すために尽力しました。しかしその歪みから生じる獣は世界の膿とは言え世界の物。消滅させるため再び力を振るい世界が荒れることのないように神々はそれを魔獣と呼び、人々に悪として討伐させることにしました。この時に人々に魔術が授けられたと言います。そして最初の神はそのシステムの構築を最後に世界を他の6柱に任せ消えてしまいました。これもまた理由は分かっておらず、この時から第三折、消神紀しょうしんきと呼ばれ、現在1062年まで続いています。そしてこの時から神の時代から人々と魔獣との闘いの歴史が始まりました。最初は強大な歪みから生じた魔獣は魔術を授かったばかりの人々では成す統べなく、討伐すると言うよりは精々見を守るのが精一杯でした。それを見兼ねた6柱はそれぞれ自分の眷属たる人々に神器を授け、人々はそれを元に魔道具を造りだし、魔術を極め魔獣を駆逐し始めました。しかし最初に生じた魔獣は倒せませんでした。手傷を負った魔獣はこの世界のどこかで眠りにつきました。これでこの世界の神話は終わりです」


言い終わったアルールは話し疲れたのであろう、ふぅ・・・・と艶っぽいため息をついた。


「この世界の歴史は分かったんだけどさぁ、肝心の魔神の説明は?」


話し疲れたアルールに涼子が容赦ない指摘が入る。


「すみません、久しぶりに神話を語ったもので力が入りすぎたようで忘れていました」


素で忘れていたのだろう、恥ずかしさに頬を赤く染めるアルール。

美少女の赤い顔は同じ美少女にも有効らしく、


「そ、そうごめんなさい急かしてしまって落ち着いたらでいいから教えて頂戴」


吃る涼子。

そしてばれないようキリッとしているがアルールを見てソワソワしている勇士、それの勇士を見て慌てる水鳥。

こんな時にもマイペースにのほほんとしている榊。

真面目な話だったのにいきなりカオスな空間になる。

俺?俺はこう思っていたさ、リア充爆発しろってな。


「・・・・こほん、脱線してしまいすみません。それで魔神なのですがここ最近小規模だった歪みが突然拡大を始め、大量に魔獣が発生し始めました。数が増えるだけでしたら私達だけでも対処が可能でした・・・・しかしその歪みの拡大は眠っていた最初の魔獣を起こし、その魔獣は他の魔獣を統率し歪みの発生地から進攻を開始しました。指揮する物を得ても所詮獣、私達はそう侮り各国の軍隊、冒険者から参加を募り連盟軍を組み立ち向かいました。結果だけ見れば進攻は跳ね退けられました・・・・しかし連盟軍はほぼ壊滅、生き残った人々は口を揃えてこう言いました。あいつは魔獣なんてものじゃない神だ!魔獣の神、魔神だ!と・・・・そして私達はその魔神を討伐できる、最後の手段として召喚魔術によって魔神を倒せる可能のある異世界の者に頼る事にしたのです・・・・どうか私達を救っては頂けませんか・・・・」


最後のほうは自分達では解決できない悔しさからか、恐怖からか声が震えてしまっていた。

そしてそんな美少女の顔を見た勇士は当然、


「・・・・そうですか。そんな事情があったんですね・・・・・分かりました!俺にそんな力があるか分かりませんがやります!いや、やらせてください!」


主人公体質野郎の勇士はこう言うに決まっている。

そしてハーレムメンバーも、


「そう、勇士ならそう言うと思ったわ!やってやろうじゃない!アタシとしてもアルールの助けになりたいし」


「勇士君はいつも困っている人に手を差し延べてきました。そしてその手に助けて頂いた私が今度は勇士君の力になれるのなら是非やらせていただきます」


「魔術って言うの~使ってみたいし~大賛成~」


「・・・・!!皆様ありがとうございます!いきなりこんな不躾な事を言って本当は断られるんじゃないか不安でした・・・・あっ!威神様は何も言っていませんが平気なのですか?」


色良い返事に嬉しさから花を咲かせたような笑顔から一転、俺が何も言ってないことにきづいたアルールはすぐ顔に影が差す。

勇士達の無言の圧力に屈した訳ではなく、魔神の正体に合点のいった時から俺は決めていた言葉を言う。


「しょうがねえな、勇士達がそう言うなら向こうの世界ではこんなかで一番闘える俺が逃げたんじゃ格好悪いからな。やろうじゃないかその魔神退治」


「ありがとうございます威神様!皆様本当にありがとうございます・・・・」


感極まり目に涙が溜まるアルール。そしていきなり、嬉しさからか俺にジャンプで抱き着いてきた。

勇士はそれをうらやましそうに見つめ、涼子はヒューヒューとか言っているし、水鳥は顔を真っ赤にして手で顔を隠す。勿論指の隙間からバッチシこっちを見ている。榊はパチパチと拍手までしている始末。

お前らは少しでもシリアス挟んだらこれか!ブレイクか!と内心ツッコミを入れつつ、押し当てられる胸に役得を感じでいた。

しかしアルールは他の皆に聞こえないよう耳元に口を近づけ小声で言ってきた。そしてその一言に柔らかい胸の感触に浮かれていた俺は冷や水をかけられる思いをしたのだった・・・・


―――――――――


「あ・な・た・な・ら、そう言ってくれると思っていました」


今までとは違う妖艶な声をだすアルール。やはりさっきの嫌な予感は当たっていたらしい。

ということでアルールは勇士ハーレムではなくヒロインでした(パチパチ)。

そして気付いてないだけで主人公もアルールを知っています。

あと主人公の前世の詳細はもう少し引っ張ります。

気付いていらっしゃる人もいるとは思いますが、話の都合上どうしてもやりたいことがあるのですみません。


補足として神達はその属性の神としては1柱しかいないので、個別の名前はありません。

決して考えるのがめんどくさい訳ではありません。

本当だよ・・・・

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