2話 説明してよ聖女様 前編
またまた説明回。それも続く、次回に持ち越す。すみません。
P.S.6/12 誤字修正
「ようこそ『グランディア』へ勇者様」
光が収まると、そう鈴を転がしたような声が聞こる。
あたりを見渡すと俺達は円形の台座の上にいるようで、その周りにはローブを着た人達がおり、そして台座の前の階段に女性が立っていた。
そう先程言ってきたと思われる女性、いや見た目的に同年代の少女。
彼女の服装は純白のドレスなのだが動き易さを重視したデザインなのかスカート部分が案外短く膝上までしかない。脚は長めの黒ストッキングを履いており、絶対領域が眩しい。そして何よりその彼女は服を着こなし、装飾品に負けるどころかそれを飲み込み昇華させるほどに見目好い少女だった。背は高校の女子の平均的な高さながらも、ドレスについているであろうコルセットで窮屈になるほど豊かなな胸をしていて、金糸で豊かな髪は軽いカールが掛かっており、顔立ちは幼さを残しつつも大人の女性になりかけの、子供と大人両方の良いとこどりをしている。瞳は碧く、綺麗な瞳は煌々と輝いており、力強さを感じる。
総じて男心をくすぐる見た目の彼女に勇士ハーレムで美少女を見慣れているであろう勇士ですら目を奪われている。
だが何故、俺はこんなにも彼女から嫌な予感がするのか。彼女とは会ったことは前世でもない。なのに会ったことがあるかのようなデジャビュを感じる。若干呆けていた勇士だが何か返さないとまずいと思ったのか返事をする。
「俺の名前は剣勇士、周りの4人は俺の友達です。それで質問なのですが勇者とは一体何なんですか?そしてあなたは?ここはどこでしょうか?」
呆けていたわりに勇士の言葉遣いは丁寧なものの語尾や口調から若干刺がある。しかし相手の事情も知らないうちから怒鳴ることもできないのらしく押さえたらしい。
「初めてまして剣様。私はフィーリア=アルールと申します。気軽にアルールとお呼びください。勇者とはこの世界に召喚される、神に選ばれた異世界の人間。そしてここは『グランディア』という世界の国の一つでブランメール聖王国といいます。私はこのブランメール聖王国で巫女を勤めています。しかし何故5人も召喚されているのでしょう・・・・本来この魔法陣は一人だけを勇者として選定し召喚するものなはずなのですが・・・・」
刺のある勇士の言葉にも怯むことなく、朗らかに返してきた彼女に俺が答える。
「それは魔法陣とやらから勇士が出れないし、それがやばいくらい光ったから慌てて俺達が入ったからだ」
そう惚けて言うと勇士ハーレムズも同調してウンウンと頷く。
「・・・・本来この魔法陣は外部干渉を防ぐ物が含まれているはずなのですが、異世界に干渉することによって不具合が起こったのですね・・・・手違いとは言え巻き込んでしまいすみませんでした」
「巻き込む?何言ってんだ。勇者とやらに選ばれた勇士は問題ないって言うのか?」
「いえ、そういう積もりではないのですが、不愉快になられたのならば謝罪します」
「そうか・・・・ならいい。勇士が自己紹介したし俺も言っておく威神御影だ」
「じゃあついでにアタシも、金井涼子よ。よろしく」
「アルールさん、私の名前は水鳥香織です。よろしくお願いします」
「私は~榊恵美って言いま~す。アルールさんよろしくね~」
そうそれぞれ言い終わるとアルールは、
「自己紹介もすんだ所ですし、本題に入らせていただこうと思います。勇者様がたにはこの世界を救っていただきたいのです」
異世界召喚の定番の台詞を言ったのだった。
こういう召喚物特有の説明は作者自身もっと簡潔にしたいのですが、構成力のなさから長々しい物になっています。
詰まらないとは思いますがもう少々お付き合いください。