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異世界から転生したけど出戻りしました。  作者: 阿弥陀
1章 出戻り英雄譚の始まり
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11話 稽古(1)

ひじょーに申し訳ありません。

イマサラタウンな新話投稿。仕事の忙しさと思っていることと書き出した文の差異によるスランプ。

ですがちょいちょい書いてはいるので頑張ります。

庭園に着いた俺達はまずキリアに挨拶をし、アルールと別れ少し暴れても平気なぐらいの広さのある芝生の上に移動する。

そして朝起きぬけにしたストレッチよりも入念に柔軟をする。

ちなみに俺達の格好は制服姿……という訳ではなく、学校指定の体操服とジャージだ。

向こうでは丁度週末だったこともあり、体操服を洗濯するために皆持って帰っていたため、制服で鍛練をしなくてすんだ。

皆基本的に学校では良い子(はっちゃけないとは言っていない)なので都合がよかった。

ネット小説などの主人公は制服姿で無双するものもあるが、さすがにこんな動きにくい服で暴れるなど俺には無理だ。

すぐほつれたり破けたりするだろうしな。

暫くストレッチをして準備を終え、二人を集め俺は稽古の内容をいう。


「じゃあ、まずお前達には一人ずつ俺と実戦型式での稽古をしようと思う。理由としてはこの世界での戦いは俺たちのいた世界とは違い魔物との戦いだ。つまり命をかけた戦いということだ。俺はお前達には死んで欲しくない、だから俺はお前達を殺すつもりでやる」


言い終えると俺はすぐさま道具袋から一本の刀を勇士に、鋼でできた籠手を涼子にそれぞれ取り出し投げ渡す。

お手玉しながら得物を受け取る二人は納得がいかなそうだ。


「なんだ不満か?」


「いや不満じゃないんだけど、いきなり殺すとか言われてもピンとこなくて」


「そうよ、って言うか死んで欲しくないとか言って殺すつもりとか矛盾してない!?」


「つもりだつもり。あくまで実戦を体感して欲しいだけだからな。あとそんなに臭いを嗅がなくても大丈夫だぞ涼子。それあんま使ってないから」


不満タラタラで臭いも嗅いでいた涼子に言ってやる。武具って汗とかで蒸れて匂うからな気持ちはわかる。だから疑いの目でしきりに嗅ぐのはやめてくれ。


「でも御影。御影だって命のやり取りの実戦はしたことないんじゃないの?」


勇士が最もな質問をしてくる。向こうの世界でも異業と戦いをしてきているがそれ以前に()()二人には威神の起源について教えてないからな。

答えを待つ二人を尻目に俺は自分の得物を袋から取り出し左腕に付ける。

それは籠手ではあった。しかし見た目は特異だった。親指以外の指から一本ずつ第一関節から肘に向って伸びる四本の鋼糸と呼ばれるワイヤーが付いていて、肘から折り返して腕部分に巻き付いている。

そして鋼糸は拳を握り込むと丁度ピンと張るようになっている。

一見すると琴かギターなど弦楽器が腕に付いているかのような特異な籠手であった。

その名も…


「なんで御影が四弦の籠手をもってるの!?」


「それって御影ん家の家宝じゃなかったっけ?」


説明ありがとう涼子、勇士。そう四弦の籠手という、まあ見たまんまの名前だな。


「ああ初代が使っていた四弦の籠手は家宝だ。お前達が前に見たときはもっとボロボロだったろ。これは俺の四弦の籠手だ」


威神に入門するときレクリエーションの一環でいくつか家宝を見せ威神の成り立ちを教えるのだ。

しかし、そこで明かされない事実もまた存在する。威神の起源もそうだ。


「威神の当主は免許皆伝すると家宝にもなっている初代の武具を自分にあった新しい物を与えられるんだ。当主にしか教えられない技のいくつかにはこいつらを使った技があるからな」


言いながら俺は拳を開閉しながら鋼糸の張り具合を調節する。

徐々にしっくりしてくると次に拳を振り、動きがおかしくないか確認する。そうしていると勇士も涼子も俺が本気だと言う事を感じ取ったらしく、俺が渡した得物を合わせ素振りをしたりしている。

俺が四弦の籠手の調節を終えて暫くすると二人も納得がいくコンディションになったらしく決意した顔をこちらに向けてきた。


「よし、終わったみたいだな。ここからは改めて威神流の師範代としていかせてもらう。まず威神いかみ流とは何か二人は知っているか?」


すぐさま稽古が始まると思っていたらしい二人は面を食らっている。しかしこれはここから先この世界で生きてくためには知っていて欲しいことなのだ。

死と戦いが蔓延るこの世界ではな。


「えーと、そう言われるとあんまり聞いたことないな。ただ戦国時代を生き抜いた御影の先祖が開いたら流派ってのは聞いたな」


「そうね。改めて言われるとそれぐらいしか知らないわね。あと異様な技があってそれらが普通の武術より一線を画しているって事ぐらいかしら」


「ああ、俺ら当主の家は門下にはそれしか言わないからその認識であってる。ここからは言うなれば威神の闇だ、心して聞いてくれ。まず、戦国時代までの戦乱の世に必要な技術はなんだと思う?」


俺の問いに二人は暫し悩んだ後、勇士が先に答えてきた。


「やっぱり、戦乱の世を生き抜くための技術、つまり戦う力や技じゃないかな?」


「半分は正解だ。だがもっと根本的に戦国時代には何があった?何をすれば良かった?もっともっと簡単な事があるだろ二人共」


そう言うと涼子がハッとした表情になる。そして顰めっ面になる。そうだそれで合ってる。


「お、涼子なんか気づいたか?言ってみろ」


「つまり御影はこう言いたいんでしょ。戦国時代には合戦があってそこで最も効率の良い方法はつまり…人を殺せば良いってことでしょ…」


「正解だ涼子。つまり威神流の原初は殺人の技だ二人共。人をどう効率的に殺すかそれを突き詰めたのが威神(いかみ)…いや威神(いしん)だ。最もお前達には戦乱の世の後、人殺しで食えなくなった威神が一般にも広められる程度に門下を広げたあとの技しか教えていないから安心しろ。お前達の威神(いかみ)は己を守る技だ」


「じゃあつまり、御影が言う当主にしか教えられないって言う技っていうのは…」


さっきの答えはそう言う事だ勇士。そうだ俺は。


「俺の技は当主の技、威神(いしん)の技だ。つまり人殺しの技だ。そして俺は今日お前達に使う。だから心しろ、お前達に振るわれる物は知っている物とは違う物だと。そして死なないよう足掻け、足掻いて抗え、理不尽な死の技にな!!」


ゴクっと喉を鳴らす二人を尻目にまずは勇士からだと告げ、俺は構えを取る。だが威神(いしん)には型は存在しない。威神(いかみ)にはあるがな。

個人個人癖というのがありそれを型に嵌めて矯正するのではなく、個人の癖を残したまま技を振るう。それは扱う人物によって同じ技でも千差万別になる。

そうやって威神(いしん)は差を持って相手に対策を立て辛くする。

全ては確実に相手を殺すために…

涼子がアルールのほうに離れていき、勇士は俺の前に来て構えをとる。

そうして俺と勇士は対峙する。




まあ装備の説明だけなんですけど。考えるのは楽なのですが文に表せないもどかしさ。本当は稽古描写も入れたかったんですが、あまりに投稿してなかったのでここまでで投稿。次回も気長に待って頂ければ嬉しいです。

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