9話 色々残念だった
お待たせしました最新話です。
途中から別の人間の視点になります。ご注意ください。
黒髪と紅い瞳をした女性は確かにベリエライア魔族連合国の王、魔王と言った。
そしてよろしく勇者とも言っていた。
つまり彼女はこの世界に勇者が召喚されたことを知っているということだ。タンニーンの上で王都で宣伝をした訳だがそれにしても、それを元にしたとしたら情報が早すぎる。
だがまあ、何故知っているのかはこの際どうでもいい。
本題は彼女からもアルールと似た嫌な感じがするのだ。つまりそれが意味することは一つしかない……彼女もまた転生者の可能性が有るということだ。
俺が少なからず警戒していると、俺から返事がないことに魔王が若干焦りだす。さっきまで鷹揚に頷きドヤ顔をしていたのだが、今はチラチラとこちらを上目遣いで見てくるのだ。
返事まだかなーっていう感じがでまくっている。
流石に返事をしないとまずいと感じたので口を開きかけたが、それより先に痺れをきらしたらしい魔王が口を開く。
「おっほん聞こえてなかったみたいなので、もう一度言おう。妾はベリエライア魔族連合国の王、魔王エナリア=スーサイドだ。よろしく頼む勇者殿」
……いや聞こえてたよ?でもさ、俺にとっては厄介事な転生者疑惑じゃなくてもさ、普通いきなり魔王が変装して押しかけて来たりしたらさ一般人はイレギュラー過ぎてフリーズするのは仕方ないとは思わないのか?この魔王は。
「えーと、大丈夫です。聞こえてました」
俺はかろうじて返事をすると魔王はドヤ顔から一転して涙目になりながら、
「じゃあ、なんでお返事くれないんですか!?無視されたのかと思って若干、いえ凄く悲しかったじゃないですか!!」
なんか怒りだした。
口調も違うしこっちも困惑しっぱなしだ。長い話になる予感がし、彼女を落ち着かせるため彼女を椅子に座らせ、俺はベッドに座る。沈静の効果はあまりなかったが。
「すみませんでした。いきなりの事なので咄嗟に言葉が出なかっただけです」
「本当ですか?本当に本当ですか!?」
「え、ええ」
「なら許してあげちゃいます。光栄に思ってもいいんですよ!!」
先程とは違うドヤの張り方だ。
もう警戒も薄れてしまった。これが彼女の策ならば大したものだ。
絶対に素だろうが。
そういえば俺の方の自己紹介がまだだったことを思い出す。
「俺、いえ自分は威神御影です。あと勇者じゃないです」
「え……?じゃあ貴方はどちら様ですか?」
「自分は勇者召喚とやらをされた親友に巻き込まれた人間です」
「で、でもでも。話だと勇者さんは男の人って聞いてたのでてっきり。というか嘘ついてませんか?さっき階段から下りて来たときは貴方しか男の人はいませんでしたよ!」
「えーっと、嘘なんて言ってませんよ。勇者の親友は上の階にいます。俺達は親友の部屋で食事をしたあとこの部屋に移動したので親友は部屋を出ていないので勘違いされたのかと……」
……俺が説明するとなんとも言えない静寂が訪れる。
魔王はその意味を理解しだすと顔は真っ赤に目線はグルグルと回りだし、相当テンパってらっしゃるようだ。
「じゃあ本当に人違い?」
「はい」
「ごめんなさい!ごめんなさい!私ったらなんて勘違いを!それなのに疑ってしまって本当にごめんなさい!なんてお詫びをしたらいいのやら……」
第一印象は魔王然とした印象だったのに、本当はダメな子なようだ。
最初の印象からか大人びた感じに見えたが、こうして改めてキツツキになっている彼女を見ると大分幼く見える。
俺と同年代か若干下ぐらいだろう。最初は威圧的だった紅い瞳も良く見ると若干垂れ目でクリクリしており人懐っこい印象だ。
身長は低く、ローブを着ているため体格は分かりづらいが、少なくとも涼子よりは出るとこは出ている。榊やアルールほどではないが。
長い黒髪は俺が日本人からか幼い印象を加速させる。
総じて魔王をやっているのが不思議なほど可愛らしく幼い少女だった。
「大丈夫です。勘違いは誰にもあることなのでお詫びなんていりませんよ」
いつまでもキツツキしておくのも可哀相なので返す。
だが納得がいっていないのだろう彼女は頬を膨らませている。
「でもでも、私の気が収まらないです。何かないですか?何でも言って貰ってかまいません。私魔王ですから大体のことならなんとかできますから!」
上目遣いに涙目で何でもときたか。
若干、グラリときたが相手は転生者の疑いがあることを思いだし、冷静になる。
「気軽に何でもなんて言っては駄目ですよ。貴方みたいな可愛らしい女性がそんな事を言ったら勘違いする人間もでてきてしまいます」
言うのもなんだが全然俺らしくない言葉だ。だが何と言うかこうして軌道修正してやらないと駄目な気がした。多分周りの人間がこうして軌道修正してようやくまともに魔王業が出来ているのだろうなと思った。
俺が可愛らしいと言うと彼女はまた顔を真っ赤にしてイヤンイヤンと首を振り出す。
「大丈夫です。誰にでも言うはずないじゃないですか。それに私魔王ですから大体そういうやからは倒せますから。知ってます?魔王って魔族で一番強くないとなれないですよ!」
えっへんと胸をはる彼女。
駄目だ、彼女の前だと調子が狂う。何と言うかアルールとは違い本音でぶつかってきているからだろう。
しかし魔族で最強か。幻惑の魔術も相当な物だったし、気軽に解いたという事は彼女にとってそれぐらいは容易い物なのだろう。
魔族で最強かは分からないが相当手練れな事は分かる。分かるが残念な子なせいでどうしてもそうとは思えない。
「本当に大丈夫ですよ。あと自分達は初対面ですよね?なのになんで自分にそんな事言ったのですか?」
「なんででしょうね?なにか懐かしい感じが貴方から感じるからでしょうか?」
ウーンと唸る彼女。やはり俺と同じく既視感を覚えているのだろう。しかし俺とは違い嫌な感じではないようだ。
若干違和感を感じるが、考えた所で彼女が分からない事に俺が分かるはずがない訳で。
「そういえば最初と違って口調が違いますがどうしてですか?」
この話に答えなどでないと思い、さっきから気になっていた疑問を口にする。
そうすると彼女も気付いたらしくワタワタしだす。
だがすでに遅いと感じたのか直ぐに平常に戻る。
「あのですね?深い理由はないんですが、私魔王でしょう?だから威厳がないといけないんです。私小さいですから、だから偉く見せるために口調を変えたんです。そしたら何と言うか頑張れるんです。だけど本当は疲れるからしたくないんですけどね」
えへへとはにかむ彼女は年相応で、俺もこっちのほうが良いと思った。
「そうなんですか。人の上に立つのって大変なんですね」
「そうなんですよ!あれしろーだ、これはやっちゃだめーって大変なんです。好きで魔王をやってる訳じゃないのに……」
「じゃあなんで魔王なんてやってるんです?」
不躾だと思ったが、彼女からも聞いて聞いてオーラが出ていたので大丈夫だろう。
「それがですね、ちょっと張り切り過ぎちゃったんです。ベリエライア魔族連合国には毎年武闘大会があるのです。その大会に優勝すると魔王に挑戦することができて、普通はありえないんですが魔王を倒すと魔王になれちゃうんです」
「で、張り切りすぎて優勝して先代魔王を倒してしまったと」
「本当は適当にやるつもりだったんですけど。私、こうみえて興奮すると周りが見えなくなっちゃうんです」
えへへと彼女は頬を掻くが、はい知っています。先程凄く暴走していました。
口調といい暴走といい彼女は型にはまると一直線なのだろう。
「でも、私一つだけ夢がありまして……それが叶ったら魔王は辞めるつもりなんです」
「魔王って簡単に辞めるものなんですか?」
「多分普通は無理です。ですけど私は魔王ですから。いざとなったら強行突破です!」
「ははっ!叶うといいですね夢」
「はい!」
さっきは調子が狂うといったが本当は違う。
本当は素をさらけ出す彼女につられて俺もつい和やかになってしまうのだ。話が途切れ俺達は無言になる。しかし決していやな静寂ではなく心地が良い。チラッと彼女に目を向ける。何やら嬉しいそうにしている。そして俺が見てくるのに気が付いた彼女はこちらを向き目線が合う。そうすると彼女は一層嬉しそうに微笑む。
「ふふっ、いきなりなんですが御影さんって呼んでもいいですか?」
そう言えば自己紹介はしたが名前は呼ばれてなかったな。別に構いので「ええ、構いませんよ」と返す。
「じゃあ私の事はエナリアって呼んでください、御影さん。私スーサイドって呼ばれるのあんまり好きじゃないんです」
「分かりました。ではエナリア様でいいですか?」
そう返すが、俺の返事が不服なようで彼女は頬を膨らます。
「様、いらないです」
「ではエナリアさんで」
「エ・ナ・リ・ア」
「駄目ですよ、エナリアさんは魔王なんですから軽々しく呼び捨てになんてできません」
アルールは予想だが貴族だろう。しかし最初に聖女として自己紹介されたため今更様など付けるのもおかしいのでつけてないが、彼女の場合はどんなにダメな子でも、最初に魔王と自己紹介されたので抵抗がある。
よく俺の喋り方が明け透けしているせいで目上に敬称を付けないとか、敬語やら使えないと勘違いされるが、実際は縦社会の武術の家の出だ。
そういう所は厳しく教育されている。だが敬語は苦手でよく変な喋り方になってしまうが。
しかし彼女はさん付けでも不服らしい。
「エ!ナ!リ!ア!プライベートなんですからさまとかさんとか付けられると寂しいです!」
どうあっても付けられたくないらしい。
彼女はつんとそっぽを向いている。つまり俺がエナリアと呼ぶまで返事はしないと言うことだろう。
しかしなんだそっぽを向いているのが妙に可愛い。何て言うか頬を突きたくなる。
妙な気を起こしそうになったので折れた。
「で、では。エナリア」
するとすぐさまこちらを向き、パーっと満面の笑みになる。しかし何やらまたそっぽを向いてしまった。
「えーと?エナリア?どうしたんですか?」
「呼び捨てにするまでに時間がかかったので、やっぱりエナって呼んでくれるまで反応しませーん」
「流石にそこまでは砕ける訳にはいきません。ご容赦を」
流石にそれは俺としても呼び捨てにするより難易度が高い。
基本この世界で愛称を呼ぶのは、身内かよっぽど親しくなければいけない。
「じゃあそのよそよそしい敬語をやめてください。エナと呼ぶか敬語をやめるかの二択です。これは絶対ですからね!」
最初に無理な要求をして次に本命の要求をする作戦だったようだ、しかたない。
「わかった、エナリア。これでいいか?」
すると彼女は、いやエナリアはまた満面の笑みになり「はい!」と言うのだった。
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そのあといろいろ話をした。
結局、何故ここにいるのかというと。
この国に来た理由は、大規模な魔術の使用をこの国で確認されたため、何事だと転移の魔術でやって来たらしい。
すると前々から言われていた勇者の召喚に成功したと言うことだった。
一安心すると、夕方俺が階段から降りて来るのを見て、ふと勇者がどんな人物か気になったため魔術で変装してきたらしい。見たら直ぐに退散するつもりが俺に見破られ、間者や暗殺者に間違われ敵対されても困るので咄嗟に魔王モードで対応したらしい。
良く素がでなかったと改めて良く我慢できたと嬉しそうにしていた。メイドも催眠の魔術かけ、休憩室で眠らせただけで朝には起きるとのことで大丈夫らしい。
そんな他愛のない話をしつつ、流石に時間も遅いのでお開きにする。
「もう遅いし、今日は色々あって疲れた。すまんがここら辺でお開きでいいか?」
「そうですね……仕方ありません。私も久しぶりに普通に喋れたのではしゃいでしまいました」
エナリアは手を出し無言の催促をする。
俺はその手を取るとエナリアを立たせてやり、扉へとエスコートする。
「じゃあ、お休みエナリア」
「はい!お休みなさい。明日は多分魔王として対面すると思います。なのでお互いぼろが出ないよう頑張りましょうね!」
俺は苦笑しつつ手を解き「ああ」と言ってエナリアを見送ったのだった。
ちなみにぼろとは明日は初対面ということにして、エナリアは魔王モードで。俺は敬語に敬称。そして魔王モードを見ても笑わないでくださいと言う可愛らしいお願いだった。
そして廊下の角を曲がりエナリアの姿が見えなくなるまで見送った後、俺は部屋に入り就寝し長いようで短い一日がようやく終わるのだった。
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AnotherViewエナリアSide
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私は御影さんの部屋を出ると廊下を歩きだす。名残惜しかったけど今は我慢。
後ろを振り返ると御影さんがまだ見送ってくれていてなんだか凄く嬉しかった。
私は廊下の角を曲がり階段を登っていく。
御影さんの部屋から数階登った所にある、ある部屋の扉の前で私は止まるのだった。
コンコンとノックをすると「はい」という声と共に扉は開かれる。
声も声の主も全く予想通りの人物だ。
彼女はフィーリア=アルール、この国の聖女だ。彼女は私の顔を見ると普段私の魔王モードと同じく被っている聖女モードを脱ぐ。
「いらっしゃいエナ」
「はい、いらっしゃいましたフィル姉」
そんな気軽な挨拶をし笑い合うと私は彼女の部屋に入った。
私は勝手知ったる彼女の部屋のクローゼットからお泊り用に置いてある私の寝間着取り出し着替える。そして着替え終わるまで待ってくれていたフィル姉と一緒にベッドの淵に腰をかける。彼女の部屋は所狭しとファンシーグッズで溢れかえっている。
聖女をやっていると色々と気が張って買いあさってしまうらしい。
私も魔王業はめんどくさい。なのにフィル姉みたいに自由に買物もできない。
なのでたまに遊びに来ると少し分けてもらうのだ。
しかし今日の話題はそれだけではない。
「ようやく勇者召喚に成功したんですねフィル姉」
「そうね~長かったわね。まあ成功というか今までは単に反応が掴めなくて座標の指定ができなかっただけなんだけどね」
私達はふふっと笑い合う。それもそうだ、ついに念願が叶ったのだから。
「あそうだ、そういえば彼には会った?」
フィル姉はふとそんなことを聞いてきた。
「うん、会ったしお喋りもしたよ。あっ!そうだもうひどいよ~フィル姉。彼が勇者だと思ったら違うんだもん、初対面でよろしく頼む勇者殿とか言っちゃったじゃない!」
「あれ?言ってなかったっけ?彼は用意周到にも座標を掴ませないために隠蔽にジャミングとか色々な魔術を使ってたんだもの。だから変性した魂を基点に彼を巻き込んで召喚したわけ。でも流石にちょっとムカついたわね。そんなに私達に会いたくないのかしらって」
「そんなことないと思うよ。だってお喋りしたけど雰囲気は全然違ったけど分かったもん彼だって」
「まあ雰囲気が違うのはお互い様だものね。私達だって降りてきてここにきて変わったもの」
「そうですね……こんなにも柵が多いとは思いませんでしたもん。でもようやく彼が行ってしまった理由も分かった気がします」
感慨深いがまだ耽っているには早い。
本当に彼があの人か確かめなければならいからだ。
「でも反応ないから彼が近くにいることによって魂が変性した人間を探したら直ぐに見付かるんだもん。ちょっと抜けてる所は相変わらずで嬉しくなっちゃった」
「……でも勇者達には申し訳ないことをしてしまいましたね」
「しょうがないじゃない。彼が隠蔽やらなんやら使わなければ関係ないはずだもの。彼の自業自得よ。まあどっちにしろ変性した魂二人にこっちの世界の子孫、天然物だもの。近々向こうの上からもこっちにアプローチがあるはずだし。ちょっと前倒しになっただけよ」
「だといいんですけど……」
「エナは優しいね、かーわい!」
「もうからかわないでよフィル姉!フィル姉だってやーい美人」
「なにそれ!褒めてるの?けなしてるの?」
「褒めてるんです~!」
そういえば可愛いとか美人とかで思い出した。
「他に召喚された女性達何気にレベル高かったよねフィル姉。遠目でみても分かったもん」
「……そうね。でも大丈夫よ。彼女達は勇者君にご執心だったし。例えライバルだったとしても……」
ふっふっふとちょっぴり黒く笑うフィル姉。
でもフィル姉は優しいから、本当はそんなに悪いことは考えていないはず。たぶん。
「明日は魔王として御影さんに会うのか~ちょっぴり残念」
話が途切れついポロっと呟いてしまった一言にフィル姉がぴくりと怖い顔になる。
「いま彼のこと御影さんって言わなかった?」
「え?う、うん言ったよ?お喋りしたとき呼んでいいって聞いたらいいよって言ってくれたから」
私が言葉を重ねる度にフィル姉はどんどん怖い顔が能面のように無表情になっていく。そして。
「ずるい!私はまだ威神様よ!何よ威神様って!様付けってどこの聖女よ全く!」
遂に臨界点を突破したフィル姉は枕をぼふぼふとベッドにたたき付ける。中の羽根が飛び散らないので手加減はしてるらしい。
「どこの聖女ってフィル姉しかいないじゃない……」
「そうよ~私です~!なんでこんな設定にしちゃったんだろ……」
「私の場合は早々にぼろが出ちゃっただけだけどね。でもだったらフィル姉も猫かぶんないで話ばよかったじゃない」
「私の場合はほかに宮廷魔術師とか勇者君とかいたからしかたないじゃない……」
「……ごめんなさい抜け駆けしちゃって」
フィル姉がそんなに怒るとは思わなかった。なので直ぐに謝る。
「別にエナを責めてる訳じゃないのよ!?ごめんね。でも私だってあの子達四人に対しては抜け駆けだもの同じよ」
「うぅ……皆ごめんなさい~」
「エナ謝りすぎ。そんな子はこうだ!」
フィル姉がそういうといきなり抱き着いてきて脇をくすぐってくる。
私がくすぐったいの苦手なの知ってるのにひどい!
私もお返しにフィル姉をくすぐる。
こんなおふざけも私達の仲では日常茶飯事なのだ。
―――――
二人でひとしきりわちゃわちゃしたあと乱れた服を直す。
「フィル姉最後の方なんだか色っぽかった」
「エナ、あんたも人のこと言えないからね」
服を直し終えると私達は急に真面目になる。
今日最後の本題についての打ち合わせをするからだ。
タイミングなんていつもこんな風に二人の気が乗ったらだ。
始めるなんて無粋なことは言わない。
言わなくても分かる。
だって二人は対なのだから……
「それで明日の夜にしようかと思う」
フィル姉が口を開く。言葉は短いが何を言いたいのか私には分かる。
「随分早いんだね」
だから私も短かく返す。
「そうね。でも早いほうがよいのはエナも分かるでしょ?」
「うん。でもどうするかはもう決まってるの?」
「ええ。だから力を貸してねエナ」
「分かった。頑張ろうねフィル姉」
重要な打ち合わせなんていつもこんな感じであっさり終わる。
そして私達は表情を崩すと、お休みを言うといつもと同じように一緒ベッドで寝るのだった。
なんちゃってイチャイチャ?回でしたがどうでしたか?
いやーこういう話は筆が進むのが早いですね、びっくりしています。
別視点は分かりやすかったでしょうか?ちょっぴり不安です。
ではここまでお読み頂きありがとうございます。また次回で。