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ファミレスと不愉快な部員達

 

 入部させられたその日からオレはいつどうやって部活から逃れるかをこの休日を費やして考えた。しかし注意すべき万条がいる限りオレの計画は強行手段によって妨害されるであろう。ならば、もうこちらも強行手段を決行するしかないのであろうか。


 翌週の昼休み。オレは朝、学校へ登校し教室に入った。すると早速オレは万条からこう言われていた。

「昼休みに集合ね!絶対だからね!」

しかし守る義理があるだろうか。ないに決まっている。ということでこのような論拠もない怠惰的結論に遵守し、昼休みは部室に行かなかった。絶対にと言うのでそれに対抗する気持ちもあった。絶対などというものはたいてい絶対ではないからだ。そうしていつものベンチで昼寝をしようとしていた。その時、携帯電話がなる。メッセージがきていた。万条からであった。内容は、


部室に来い!


であった。もちろん、オレはこれを見なかったことにした。何故ならば、オレの携帯は電池が切れていた。という設定であるからである。と思っているとまたメッセージが来た。と思ったらまたメッセージが……。しつこいな。だから交換したくなかったんだ。オレは携帯電話の電源を切って、再びベンチの上で仰向けに寝転んで昼寝をはじめた。



しばらくしてから目が覚めて気付くと眠りについていたらしい。授業を受けるために恐る恐る万条にバレないように教室に戻った。


「よっ」


谷元が話しかけてきた。


「うわ。なんだお前か。おう、谷元」


「え?なんか疲れてそうな感じだな」


「まぁな」


「なんかあった?」


「変な奴がうるさくて困っている」


「そっか。上手くやってるみたいだな」


「おい、聞いてたか?」


「またお前は」


「ていうか谷元。もう授業始まるぞ。席戻れって」


「あ、教科書出すの忘れてた!」

全く。オレの周りはうるさい奴しかいないな。特に万条とか万条とか万条。あ、あと万条もいたな。え?あと万条もいるんじゃない?あ、うん、わかってるからもういいよ。


「はぁ……」


溜息をついた後、携帯が鳴った。メッセージが万条から来ていた。内容は、


 昼休み何で来ないの?放課後は絶対ね!


であった。うるさいと思っていた途端にこれだからたまったものじゃない。


   

 

 放課後になった。入部したことによって万条に毎時間勧誘されることもなくなったので放課後までは快適に過ごせるようになった。そして付き纏われないせいかあっという間に時間はすぎるように感じた。その日、オレは掃除当番であったので万条はそれを知って、


「ハッチー!!先に部室行くよ!」

と、言った。教室で大きな声出すなよ。そうして万条は教室を出た。おっ!これはしめた!この後、部室に行かなくても追いかけられることもない。


「あ、これは今日帰れそうだ」


オレはつい喜びのあまりそう小さく呟いた。


「なんだって?」


すると、後ろから何やら声が聞こえた。オレは後ろを振り返りながら嬉しそうに言った。


「だから今日は帰れそ……」


「なんだって?」


「え?」


オレの笑顔とは対照的にそこには怒りを含んだ顔の咲村先生がいた。


 またこのパターンかよ……。


「えっと……今日はなんとか帰れそうだ。なんて言ってないですよ!」


「なるほど。解説ありがとう。それはそうとお前。昼休み行かなかったみたいだな?」


何故、それを知っている……。万条か。あいつ……。


「まぁ、そういう説もあるらしいですね」


「そういう説しか聞いてないぞ。とりあえず、部室行ってこい」


「いや~でも今日は……」

咲村先生は右手で握り拳を作っているのが見えた。


「痛てっ!」


「私まだなんにもしてないぞ。それとも本当に痛くなりたいか?」


咲村先生は指を鳴らしながら言った。


「すいませんでした」





 咲村先生の無言の暴力を垣間見た後、部室へ仕方なく向かいドアを開けたら立花と万条と知らない誰かが椅子に座っていた。誰だ?


立花が待ちくたびれたように言った。


「やっと来たな。遅いぞ」


「不可避だった」


 オレは知らない奴の方を見る。

 女だ。黒髪。束ねられていない腰くらいまで伸びた長い髪。顔立ちは大人びており、色白で透明感があるが、目はどこか威圧的である。それに腕を組んで座っている。やけに気が強そうな奴だな。もしかしてこの前、万条や咲村ハラスメント先生が言ってた大花ってやつか?

 オレは万条に聞いてみた。


「この方はどちら様?」


「そっか。ハッチーは昼休みに来てなかったからまだ紹介してなかったね。この前のチラシを見て来たんだって!」


 あのチラシに宣伝効果があったのか。


すると、そのチラシを見てやってきたらしい奴は自己紹介を始めた。


「ワタシは冨永(とみなが)ヒイラギだ」


冨永?大花ってやつじゃないのか。また部員が集まってきたのかよ。とりあえず名乗っておくか。


「オレは八橋」


その冨永という奴は、オレをゆっくりと下から上へへと見た。そして、一言放った。


「まあ、よろしく」


まあって……なんだよ。なんかやけに高圧的じゃないか?


「で、万条。ここは楽しいことをするといっていたが、具体的には何をするのだ?」


「特に決まってないよ!ていうかユイでいいよ!」


「そ、そうか。では、ユ、ユイ。これからの予定は何か決まっているのか?」


「いや~それがまだなのであります……」


オレはその会話を黙ってきいていた。


「なるほど、では決めようではないか」


「うん!」


万条の返事のあとに、冨永という奴はいきなり部屋にあったホワイトボードを動かし始めた。


「では、道楽部の活動内容を決めよう。案があるものは意見を言ってくれ」


いきなり仕切ってるな。昼休みに何があった……。

立花は、それに答える。


「はい!オレはみんなで一緒にどこかいきたいな」


立花はそう答えた。すると、冨永は近くにあったホワイトボードに書き始めた。


「なるほど。ではユイはあるか?」


「ワタシはなんか思い出の残ることかな!」


「二人とも、曖昧だな。おい、そこのさっきから黙っている部屋の隅の埃の様なお前は何かないのか?」


オレに当たりきつくないか?


「いや、オレは別に……」


と言いかけた途中で冨永は、顔をしかめて言った。


「いいから言ってみろ」


こ、恐い。女子だよね?恐いよ……。


「………よ、予定が決まらないなら、予定がないという予定を入れればいいんじゃないかなぁ?」


「それでは今の会議が意味ないじゃないか、お前バカなのか?」


「むぅ」


この冨永とかいうやつ万条とは違った意味で恐すぎる。


「えっと。じゃあ冨永はなんかあるのか?」


「ああ。ある!」


「それは?」


「ファミレスに行きたい!」


「は?ファミレス!?」

なにを言うかと思えば、ファミレス?予想外すぎる。


「ああ」


「いいかもね!最近ワタシ行ってないし」


「確かに。悪くないかも」

どうやら、万条と立花は賛成のようだ。


「別にそんな大袈裟な」


「では、まずお互いを知るということも含め、ファミレスでおしゃべりというものをしないか?」


「えー、行くのか?ここでも良くないか?」


それに無駄な金は使いたくない。


「あ?」


冨永はこちらを向いてすごい剣幕で言った。

えー、こいつやっぱ恐すぎ………。


「はい。行きます。すいません」


冨永は時計を見て、決まりのいい顔をして言った。


「では、今から行こう」


「うん!」


「ところで、その前にみなはファミレスに行ったことはあるのか?」


「もちろん、あるよ!よく中学生の時の帰りとか行ってたよ~」


「オレもそんな感じかな。高校になってからはあんまり行ってないなあ」


「お前はどうなんだ?」


「オレ?」


「そうだ、バカ面をしたお前だ」


「え?どこどこ?」


「お前だ」


冨永はオレを指差して言った。


「オレかよ。失礼だな。立花かと思った」


「おい八橋。お前の方が失礼だぞ」


「ていうか行ったことあるよ、冨永はないのか?」


冨永は図星を突かれたようにすこし恥ずかしがった。


「あ、あるわけないだろう!どうせ友達いなそうなお前は一人で行ったのだろう!」


「とっ、友達いなそうだと?何を言っている。大正解だ。でも確かに友達全然いないけど1人いる。その時もそいつと行った」


ご察しの通り、谷元である。


「ハッチー、友達いたの?」


と、何故か万条が驚いた。続けて立花が、


「それは意外だな」


と笑いながら言う。


「ひどい言いようだな……」

むしろひどい人間性だ。


「ていうか、ヒイちゃんはファミレスに行ったことないの?」


「その、ひ、ヒイちゃんとやつはやめてくれないか?ない。誰かと行ってみたかったのだ」


冨永は少し恥かしそうに言った。おそらくあだ名というものに慣れていないのだろう。こいつ、友達少なそうだな。ってオレが言えないか。


「なんでー?ヒイちゃんはヒイちゃんじゃん」


「そ、そうか。ならいい」

いいのかよヒイちゃん……。


「てか冨永こそ友達いるのかよ?」


「いないぞ。何が悪い」

即答かよ。潔いな。


「いや、悪いなんて一言も言ってないぞ」


「そうか。まあいい。では行こうか」



 

     ○



 ファミレスというのは賑やかであり、若者のたまり場としてもってこいの場所だ。例えば高校生とか。道楽倶楽部の部員とか。入店して店員が尋ねてくる。


「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

冨永が答える。


「あ、えーっと、3に……4人か」

冨永は悪意をぱんぱんに詰めてそう言った。


「おい、いま明らかにオレが最初意図的に省かれてたよな?」


「そんなことはないぞ。あれ?八橋はどこいった?」


冨永は頭を左右に動かし、きょろきょろし始めた。


「まあ、そんな大胆にやられたら降参だわ。探すの手伝おうか?」


「何か変な声が聞こえ、且つ八橋がいないが気にせずにいこう2人とも」

そう言って3人は行ってしまった。


みんな酷いな……。


「まあ、声が聞こえるだけましか」






そして、各自座り注文をすることになった。万条がとんでもないこと言った。


「みんなドリンクバーでいい?とりあえず」


 と、とりあえずだと!?そんなとりあえずで頼んでいいほどドリンクバーはリーズナブルなものではないぞ。ブルジョワでない限りそんな簡単には頼めない。

だが、立花と冨永はあっさりと承諾した。


「いいよ」


「うむ」

なんだ、こいつらはただのブルジョワか。


「良くない、オレはいらない」


「え~。ハッチー!なんでよ?」


「飲み物は水でいい、飲み放題とは言うが飲むのには限界がある。飲み放題分の料金に見合ったほど飲める自信もないしな」


「お前、空気を読め」


「冨永。空気は読むものじゃない。吸うものだ」


「しょうもないな。お前は」


すると、万条は店員を呼び、注文をはじめた。


「あ、ドリンクバー4つ!以上で」


「かしこまりました」


かしこまっちゃった。あれ?もう一人くるのか?万条、立花、冨永、オレ、どう考えても四人だ。そしてオレは頼んでない。おかしいな。


「誰か他にもくるのか?」


「またまた、八橋の分だよ」

立花は笑って、小バカにしたように言った。


「いらないって言ったんだが。万条、聞いてた?」


「あ。ごめん、聞いてたけど無視しちゃった!」


 ……聞いてたけど無視しちゃった!だと?


 ま、万条許さない。こうなったらいろんな飲み物のんでやる、コーラとかオレンジジュースまぜちゃったりしてね。ちなみに一番、まずい組み合わせはコーヒーとオレンジジュースだ。そう、あの皆さんご存知のオレンジコーヒーだ。是非、嫌いな人に作ってあげてみてね。ということで。


「オレ、飲み物取ってくるよ。何がいい?」


「ワタシも手伝う!」


それは困る。コーヒーとオレンジジュースを混ぜたものを万条に渡すつもりなんてないが困る。


「オレ一人でいいよ」


「いいって!」


 ちっ。ここまで来たらこいつは退かないだろうな。

万条に飲ませてやりたかった。オレンジコーヒー。美味いんだよ?騙されたと思って飲んでみなよ。騙されてるからさ。


「ワタシはウーロン茶を」


「オレも」


そして、オレと万条は飲み物を取りに行く。取りに行く途中で万条が、


「イタズラしない?」

と、小悪魔な笑顔で言った。

一緒に来たのはこの為かよ。しょうもない。この小悪魔にイタズラしたかったよ。


「そんなことするのなんて中学生までだろ」


そう、中学生までである。いや、高校生までだな。


「えー」

と言いながら万条はコーラとジンジャーエールを混ぜていた。それでイタズラをしたつもりなのであろうか。


「それは普通に美味しいと思うぞ」


「そうなの?じゃあ、何がいいかな?」


「まあ、オレンジジュースとコーヒーなんかまずそうじゃないか?試しに飲んで確かめれば?」


万条は自分のグラスにそれを作った。


「うわっ。なにこれ」


万条は険しい顔をしてそれを見ていた。


「飲んでみたら?」


 飲め!飲め!


「え~。でもこれ、見た目がすごい……」


「でも本人が飲んでみないとイタズラしようもないと思うぞ」


「確かに……」


 飲め!飲め!


「じゃあ飲んでみる!いくよ!」


愚かしいことに、しかしオレにとっては喜ばしいことに、万条はオレンジコーヒーを一口飲んだ。バカめ。


「うわっ!なにこれ!不味い!」


万条はすぐに他のグラスに水を入れてそれを飲み干した。

よし。オレの仕事はおわった。


「こ、これ凄く不味いね。よくこんなの……。もしかしてわざと?」

 

 ギクッ。


「まさか、思い付きだよ」

そう以前に谷元と来てオレがオレンジコーヒーの餌食となってその不味さを知っていたわけではない。


「怪しい……」


万条はオレの顔をじっと見てきた。


「まあ、どうするの?2人に飲ませるの?」


「1つだけにしてどっちかに飲んでもらおう」


「さいですか」


 もし冨永が当たったら少しかわいそうな気もするが。ファミレスにトラウマができるかもな。

 そして机まで持っていった。オレと万条はそれぞれジンジャーエールとオレンジジュースである。心が痛む。恨むならこの大悪党の万条を恨んでくれたまえ。


「持ってきたよー!」


「有難い」


「ありがとう、少し遅かったな、イタズラとかしてない?」


 立花。いい推測だ。大正解だ。

万条はその問いに対して動揺したせいか、


「え?う、うん。したないよ」


おいおい。したないって。してるでしょ。バレバレだぞ。


「そっか。ありがとう」


そして立花は綺麗にオレンジコーヒーを避けた。この時点でオレンジコーヒーの餌食は冨永になったようだ。万条は冨永の反応をさりげなく窺う。おそらく立花も気づいたのであろう、同じように冨永を窺がっていた。そして冨永はついにそれを飲んだ。


「う……」


 二人はその反応を見た。万条は笑いを抑えていた、立花はニコニコしていた。

こいつら、たち悪いな。オレが言えないか。


 しかし冨永は、万条のイタズラも空しく、


「う……美味い。これはなんという飲み物だ?」

と言った。


「え?オレンジジュースとコーヒーを混ぜたものなんだけど」


万条はあっけらかんと言った。

あ、あのオレンジコーヒーを美味いだなんて、なんて奴だ。


「そうなのか、わざわざ済まないな」


「あ、う、うん。良いよ!」


「これほど、無意味だと思える時間はないな」


「え?何か言ったか透明人間」


と、冨永はオレを見もせずに、言った。


「まだ見えてないのかよ。声は聞こえてて良かったよ」


「ていうか、みなはクラスどこなのだ?ワタシはB組だ」


「無視かよ。とうとう声も届かなくなりましたか」


「うるさいぞお前。ユイはどこなのだ?」


「ワタシはA組。オーちゃんはD組」


「オーちゃん?」

冨永は首をかしげて言った。


「ああ、オーちゃんは部員なんだ!今は来てないけど……」


「そうなのか。今度会ってみたいな。で、立花は?」


「オレはC組。みんなバラバラなんだな」

冨永はオレを見て、


「お前はいいか」


「おい、オレだけ扱いひどくないか。ていうか見えてたんだな」


「たしかにな、気を付けるよ、埃君」


「埃君って……」


「埃君はね、ワタシと同じクラス」


「お前も共犯者か万条被告人」


「だからワタシが見張ってる」


「いや、見張ってるっていうか無理矢理だろ」


「ハッチーすぐ帰るから追いかけるの大変なんだよー」


「いや、頼んでないから」


「いいじゃん!ただでさえ怠け者なんだからさ!」


「何が悪い。悪いところを言ってみてくれ。オレは聞かないけどな」


「意味ないじゃん!」


そのやり取りを見ていた冨永は小さな声で、


「羨ましい」


と言ったのが聞こえた気がした。オレは冨永に聞き返した。


「え?何て?」


「いや、何でもない。話題を変えよう。誰か話題を提供してくれ」


「なんで、冨永さんはこの部活に入ろうとしたの?」


「ワタシはユイと八橋を学食で見かけてなんだこの人たちはと思ったのがきっかけだ。その後も何度か見かけてこの前、チラシを見て行ってみようとおもってたが迷っていた。そしたら咲村先生に勧められたのだ」


あのハラスメントか……。ていうかこいつ一人で学食行けるのか。すごいな。


「入ってくれてほんとにありがとうね!」


「ワタシはそんな礼を言われるほどのことは」


「いや、ワタシは嬉しかったよ。入ってくれて」


「そ、そうか。それはよかった」

冨永は照れを隠しながら言った。


「この次の活動何する?」

と、今度は万条が余計なことを喋り始めた。


「そうだな、みな意見はないのか?」

オレは一つ聞いてみた。


「ていうか高校生ってなにやって遊んでるんだ?」

高校生の立花が容易に答えた。


「八橋も高校生でしょ、定番といえばカラオケ、ボーリングとか?」


「それは忙しいな」


「ワタシ達もそれらをやってみるのはどうだ?」


「論外だな、金と時間と体力を消費した後の見返りがないに等しい。まあ、疲労くらいか?得られるのは。特に金を消費するのが痛い」

と呟いた。


「ハッチーってケチだよねー」


「吝嗇家と呼べ。こっちの方がカッコいい」


「八橋。お前そんなにケチだとは。ケチそうな顔してるけど」


 どんな顔だよ。後でネットで検索してみるか。


「だから昼ご飯食べてないのか!」

万条はどうやら今更になって納得したようだ。


「そうだ」


「ちょっとまて。話が逸れている。お前話の腰を折るな。黙っていろ」


「………」


「じゃあ、とりあえずボーリングあたりやってみよっか?」


「ワタシは賛成だな」


「オレも」

立花がにこにこしながらこちらを見て言う。


「多数決ではすでに賛成3人だけど、八橋はどう?」


それ、もうすでに過半数以上じゃんか、これが多数派の専制か。少数派の居場所はいつもない。


「………」


「聞いてる?」


「………」


だって、黙れって言ったよね?


「こいつはバカで子供だな。しかもこいつが賛成するはずがない」


「あはは!確かにね!そういうことだからよろしくね!とりあえず、また明日話そうか」


「そうだな!」


「じゃあ、帰ろっかそろそろ」


「そうだな」


 オレたちはその後、ドリンクバーで3、4時間程滞在し、思っていたよりもドリンクバーを堪能したのだった……。


 



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