定番は定番ではない
翌日、目を覚ますとまだ日が出ていなかった。とりあえずルルリエを起こさないようにベッドから降りた。
さて一応状況を把握しよう。確か昨日は村にやってきてそこで出会った商人の護衛をする事になったんだな。よし、覚えてる。
「御主人様?」
ルルリエが起きたようだ。
てか獣の姿の方が本当の姿だろうに違和感がねえな。その事を聞くと
「私は少々特殊でございまして、魔物の姿も人の姿も違和感なく動かせるように作られているのです」
意味が分からない。そう言う設定と言う事にしておこう。気にしたら負けだ。
昨日はルルリエがお金を払ってたけど俺は金持っているのか。ゲームの金が引き継がれていたら結構あ額があったと思うけど。でも昨日色々調べたけどお金なんかなかったよな。もしかして俺、無一文。いやいやいや。昨日はルルリエが払っていたし1円(1トス)もないはずがない。大体1円もないてなんてクソゲ?これもルルリエに聞くしかあるまい。
「ルルリエ、金ってどこにあんだ」
「お金ならメニューと唱えれば分かりますよ」
まさかのメニュー画面。これは通常なのかと聞けば俺だけのチートのようです。
メニューと唱えるとステータス、アイテム、スキル、称号、マップ、モンスターブックとともにお金の欄があった。まだ空欄のところもあるが今は関係ないだろう。
お金と書かれた欄を押した。すると金額と取り出しと預け入れがある。ATMか!
金額をみると約6,000,000トスあった。最後にセーブした金額と変わりない。とりあえずのお金は心配なさそうだ。だけど、このぐらいの金額ではハーレムなど夢のまた夢だろう。第一奴隷を買おうとしているのだから半年も持たないだろう。町に言ったら冒険者ギルドに行ってみよう。冒険者は命の危険が多いいがその分稼ぎもいい。ハイリスクハイリターンだ。まぁ俺はチートがあるからリスクは無いに等しいな。あるとすれば奴隷達を連れて行くことだろうな。さすがに一人で迷宮に籠るのは寂しいしハーレムメンバーを寂しがらせる訳にはいかないから安全マージンはしっかり取って傷一つ付けさせないがな(キリッ
まぁ傷を一つも付けさせないのは無理でも傷を残さないぐらい大げさに回復ぐらいはしてあげよう。うん、そうしよう。
閑話休題
とりあえず日も出てきたので朝食にしよう。
食堂にはすでに人がおり賑わっていた。早起きだなぁ、と思ったが電気などが無いこの世界だと日とともに起きて日と共に眠るのだろう。それでも早いとは思うがな。
朝食は少し硬いパンに普通としか言いようがないスープに申し訳程度のサラダのみだけだった。まぁ辺境だし仕方ないだろう。
約束の時間になるともう向こうは準備が終わっていてこちらを待っていた。
「すまんな、待たせた」
「いえいえこちらも今準備が終わったところですから」
そう言ってからすぐに護衛の話になった。しかし細かいところは昨日のうちに話したので何処に乗って警戒するのかというすぐ決まる事だけだ。本当だったら四人ぐらいで全方向に警戒するのだろうがあいにく二人しかいないのでルルリエに後ろを任せ俺は前と左右を警戒することになった。
………。
何もなく着きました。いや、何もないのはいいけどお約束の展開があると思うじゃん。出発する前に村人が「最近盗賊が出るらしいぞ」とかいかにもフラグとしか思えない事言ッてたし。なんかただ働き見たいで嫌じゃん。もうフラグなんか信じないぞ。…たぶん。