世界の常識
しょ神殿を出てからそろそろ三時間は経ちそうである。
始めての戦闘で自分の愚かさに気付いて一度神殿に戻った。そこでこの世界の常識や戦闘方法など基本的な事を尋ねていた。
分かった事をまとめる。
この世界は『フリーライフファンタジー』で間違いないがゲームでは書かれていないことも多いにあった。まず世界の名前は『アルカディオ』らしい。アルカディオには人以外に獣人やエルフ、ドワーフにドラゴニュート、魔人もいるそうじゃないか…。
イヤッフゥーーーーーーーーー。マジでありがとうございます。てことはけも耳ッ娘にキュートなエルフに男勝りなドワーフに誇り高いドラゴニュート娘、お姉さま系魔人娘。サイコーじゃないですか。あんなことやこんなこと…ムフフッ
………………………ハッ
アルカディオでは他種族と大変友好的らしい。ただし魔族は世界の共通の敵であったり、他種族を見下す者も少なくないらしい。まぁそんなこと関係ないけど。
お金はトスといい、1トス10円くらいだそうだ。貨幣はすべてコインで獣貨1トス半銅貨10トス銅貨100トス半銀貨1000トス銀貨5000トス半金貨10000トス金貨50000トス半白金貨100000トス白金貨500000トスだそうだ。まあ、白金貨を手に入れるにはだいぶ先になるだろうがな。
国は人の王国『』獣の王国『』エルフの里『』ドワーフの王国『』魔人の大陸『』が中心の大国らしい。ドラゴニュートは大国ほどの数はいないらしい。他にも国や種族はいるがそれは後々。
てかここで説明していると話が進まないから他のものも後々でいいだろう。
とりあえず神殿を出よう。さっきは突然だったが今回はスキルの使い方を練習したから大丈夫だろう。
―――――――三十分後―――――――
ザシュッ
うん…。弱いです。いやべつに苦労するよりはいいよ。ただ最初が最初だけにさ、拍子抜けだよね。もう面倒だから村まで突っ切っていいかな。いいよね…。
――――――一分後―――――――
着きましたキルトに。やはり大分外れにある村らしい。人は少なく何か期待できるものはなさそうだ。無視してもいいが初めての人だ少し聞き込みをしよう。
まず話しかけるにしても人は選ばなければなるまい。村人でもいいがあれはRPGのみだろう。村長なんて論外だ。それこそこの村にとって有益なものが無ければなるまい。ならやはり…
チラッ
先ほどからこちらを見ているあの商人だろう。なんか癪に障るが我慢するしかあるまい。
「よう、聞きたい事がある」
「はい、なんでしょう」
笑顔を絶やさない商人。先ほどまでの分かりやすい顔から一気に読めなくなった。
「ここから一番近い街を知らないか」
にんまりと顔をゆがめる商人。
「ええ、もちろん知っていますよ。ただ…」
「ただ?」
「簡単な事でございます。その街まで護衛をしていただきたいのでございます」
「フム、いいだろう。しかし妙だな」
そう、妙なのだ。たぶんこいつはこちらに来るためにも護衛をつけていたはずだ。なのにその護衛がいない。片道だけ頼む馬鹿はいない。それを問うと。
「それでしたら死にましたよ。森の主を倒すといってもう三日です。彼らは携帯食しか持っていかず、森には魔物のみ。魔物の肉は人間には有害でございます。それを考えれば死んだと考えてよろしいかと」
だそうだ。案外この世界の死は軽いようだ。それが顔見知り程度ならなおさら。だがしかしただでは行かん。というより奴隷商にへの伝手が欲しいのだ。
「お前の知り合いに奴隷商はいるか」
「はい居りますとも。しかし、お連れの方を見る限りなかなか良い奴隷商から買われたのではありませんか」
「いや、こいつは…」
「?」
やばい怪しまれる。とっくに怪しいが。
「えっと、その…。こ、こいつは山奥に居る奴隷商から買ってな。それも最後の商品で、その商人も歳でな。こいつが売れたら引退するつもりであったらしくてな。この前行ってみたらいなくなってしまったんだ」
「なら今回の報酬はそれでいいですかな」
「ああ」
何とかごまかせたみたいだ。
出発は明日の五時だそうだ。早いな。とりあえずまだ夜には早いから村を見て回り暇をつぶした。
――――――その日の夜――――――
ベットが固い。やはり田舎だ。とりあえずルルリエを抱き枕にして寝た。
それはもう最高でした。何がって?あれに決まっているじゃないですか。
ルルリエ空気ですね。