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一週間前から始まる物語

…彼氏がほしい。

本日クリスマス1週間。残念ながら、彼氏がいない。


「はぁ〜〜」

今日最後の授業が終わり、部活に行く生徒は慌ただしく準備をして、補習の人は予習をして…そんななかで私は、机に突っ伏して大きなため息をついた。

「どうしたの?」

「っえ?あぁ〜、特に何も」

私の数少ない友達の中の親友の美結は私の机の前に座り、私の顔をのぞきこんだ。

「そうは見えないよ、莉歩。何かあったら、私に言いなさいよ。」 「ありがとう、美結。」

それから、何分だろうか…辺りが静かになって私は、勇気を出していってみた。

「もうあと1週間でクリスマスだよ!!私、彼氏いないんだよ。華の高校一年生になったのに、最初のクリスマスに予定がないなんてやだよぉ〜」

「焦らない、焦らない。焦った恋は、うまくいかないよ!!」

「そうだぜ!恋は、お互いの気持ちが……どうなるんだ?」

そう言って登場したのは、私の男友達の1人、翔だった。

「もう、良いこと言うかと思えば…、ホンッと役ただず!!」

「なんだよ、それ。」

「だって、そうじゃない。説得力がまるでないじゃない」

「そーだけどさぁ、役ただずはねぇだろ。なぁ、莉歩。」

「うん、役ただずはないよ。せめて、勢い任せのバカみたいな?」 「それも、何気ひでぇよ…」

*

「っで?クリスマスが独り身でつらい?」

いまにも、笑いだしそうな表情の翔が話の内容を確認してきた。 「まぁ、そんなとこかな。」

「彼氏じゃなくてもいいじゃんかよ!!俺たち3人でクリスマス越そうぜ!!」

「えー、やだよぉ。っあ、でも美結が嫌いだからじゃないよ。ただ、せっかくの特別な日なのにいつものメンバーって寂しいじゃん。美結、ごめん。」

「いいよ。だいたい、なんでクリスマスなんていうリア充のためのイベントがあるんだか…」

「「「はぁ〜」」」

**

あのあと、もう少し話をしてから私たちは解散してそれぞれが帰宅していった。

勉強机の椅子に腰かけて、おもいっきりのびをした。視界に入った携帯はメールがきていることを知らせるためのランプが点滅していた。携帯を開いて見ると、翔からのメールだった。『クリスマス、俺は仕方なく美結と過ごすことになった。莉歩は、クリスマスほんとにどーする?』 まさか、翔に心配されるとは思ってなかっただけにショックだっ。でも、いちばんショックだったのは翔が美結と過ごすこと。だって、仲間はずれじゃん!!よし、こうなったら本当に彼氏つくるぞ!!

***

彼氏をつくると決意したあの日から、二日過ぎた今日私は、すごく浮かれていた。なぜなら、

「ねぇ、美結!!と、翔。聞いて、私彼氏できました!!」

仲良くクリスマスの予定を話していた二人は、私の言ったことが信じられないような顔をして、お互い目をぱちくりしていた。

「ねぇ、聞いてる?」

ようやく、いつも通りになった二人は今度は質問攻めしてきた。 「彼氏って、夢じゃなくて!?」

「どこのどいつだ、それは!?」

「クリスマスの予定は、その人と過ごすってこと!?」

焦りまくる、二人を目の前にして、私はただなだめることしかできなかった。

「えーと、とりま落ち着いて…。彼氏ができたのはホントだから。お相手は、先輩のかたで名前は秘密ということで…。クリスマスは、もちろん先輩とです!!」

自慢気に語る私を目の前にして、またも目をぱちくりする。その態度に、ちゃんと話を聞いてくれたのか不安になる。だけど、二人の態度を見ればどう受け止めてくれたのか分かってくる。なぜなら、二人のぱちくりした目の中には光るものがあったからだ。

「莉歩。おめでとう!!」

「まさか、本気で彼氏つくるとは、行動力が違うぜ!!」

「どういたしまして。」

「「……」」

なぜか、二人が黙る。

「どうしたの?」

聞いても、なかなか答えない。 「美結?翔?」

名前を呼んでも、二人は依然黙ったままである。不思議がっていると、美結がやっと口を開いた。 「莉歩、彼氏ができたことはホントに祝福したいんだけど…、前にも言ったけど急ぎ足の恋なんて破局するのもあっという間なんだよ?ホントにそれでいいの?」

「やだなぁ〜縁起の悪いこと言わないでよ、美結。先輩は、大学にいっても大事にしてくれるって言ってたよ。」

「なんか、うそくせぇなぁ〜。そいつ。絶対、別に彼女いるぜ。これ、男の勘。」

「翔は、黙ってて!!」

「へーい、俺はもう帰りますよ。美結、クリスマスのことはまた電話で〜」

「うん、分かった。」

そう言って、翔は帰っていった。それから、私は美結に大丈夫かと心配され続けた。私は、そんな心配してくれている美結の言葉を遮るようにして、別の話をすることにした。

「ところでさ、美結はクリスマス翔と過ごすんだよね。」

「うん。」

そう言って、美結は笑った。

「なんで、笑ってるの?」

「えっ?秘密だよ〜」

「なんか、怪しいよぉ。なんか、隠してる?まさか、翔と過ごせることがそんなに嬉しいの?」

「まさか、でも嬉しいかも。さっ、もう帰ろう?」

「え〜、まだ話中途半端だよ。せめて、あと1つだけ質問を!!」

「ん〜、いいよ。」

「じゃ、2つめは?」

「約束が違うよ、莉歩。」

「えへへ。じゃ、聞くよ。」

「うん、どんと聞いて!」

「じゃ、遠慮なく…。」

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