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第四話 生徒会


「どうして、あの件に手を出したのかしら?」

「……どうして、ですか?」


 ええ、と楓は頷いた。生徒会長のデスクに置かれた資料を、一枚めくる。

「状況は聞いてるわ。確かに、危ない場面だったかもしれない。貴方が手を出さなければ、結莉も何か、怪我の一つだってしてたかもしれない。でも」

 そこまで語って、彼女は一呼吸を置いた。斎の目を覗き込むようにして、続ける。

「貴方は、どうして彼女を助けたのかしら? だって、相手は武器を持ってるのよ。しかも三人。他にも、助けを呼ぶとか、逃げるとか、あったでしょう?」

「……それでは、意味がなかったので」

 斎は頷くようにして、続けた。


「助けを呼んだところで、細峯先輩が怪我を負う可能性はありました。あるいは、何事もなく制圧できたかもしれませんが……僕は先輩の実力を伺ったことがなかったので」

「まあユイなら、三人ぐらいは平気だと思うわ。ただ……貴方の言うとおり、ちょっとばかり軽く怪我をしたかもしれないけど」

 ふうん、と頷きながら、楓はペンを走らせていく。

「逃げるという選択肢は最初からなかった、と。……なるほどね。そこがユイの評価するワケ、か」


 ユイというのは、恐らく細峯結莉のことを指すのだろう。そう思いつつ、斎はただ黙って聞いていた。

 恐らく彼女は、助けられたというフィルターによって、自分を過大に評価しているのだろう……と、斎はそう思っていた。

 実際、あの程度のことは、ある程度訓練された人間ならば難しくない。ここは機甲学校であるわけだし、目立つほどのものではないはずなのだ。

 ――などと思いを巡らせていると、ペンを走らせ終えた楓が、改めてこちらに向き直った。

「それじゃ、次ね。さっき、貴方をどうするか、一応私たちで話し合ったんだけど」

 と話しつつも、楓は結莉へと目を配る。その目線の向こうで、結莉は小さく頷いた。


「私からの要望はひとつだ。斎、風紀委員会に入れ」

「へ?」

 わけがわからず、結莉と楓の間で、斎は視線を往復させる。

 そんな様子に、楓ははあ、とため息を吐きながら、肩を竦めた。

「……まあ、こんな調子でね。風紀委員会は成績上位者しか入れないから、転入してきたばかりの彼には無理、って言っても聞かなくて。第一、二年はもう二人もいるじゃない」

「もともと、そんなものはただの慣習でしかないだろう?」

 ふん、と鼻息も荒く胸を張ると、楓は困った風な、あるいは呆れたような――それかもしくは、微笑するような、そんな複雑な顔で小さく笑った。


「で、私たちは反対。生徒のほうから不公平だ、って文句が出かねないから」

「ちなみに、俺も反対ね」

 さっと手を挙げて意思を表明したのは、春寺とかいう、例の軽薄そうな男だった。

 それに、結莉が片眉を挙げて反応する。

「貴様、確かさっきは中立と言ってたろう」

「いやー、まあ、とはいえさ。風紀に人が余ってんのは確かなわけだし? 足りてるのに追加する理由は特にないし?」

 わざとらしく肩をすくめる春寺に、楓は「はあ」と小さくため息を吐いた。


「ひじりん」

「ヤー」

 楓が何者かの名前を告げる。と、春寺の隣に座っていた、なぜかメイド服姿の女性が即座に首肯して、椅子に立てかけていた日本刀に手をかけた。

 反射的に春寺が反応し、立ち上がろうとする。だがそれよりも早く――音もなく抜刀したメイドが、その首元に白刃を押し付けていた。

「ちゃんと理由を話さないと首チョンパですよ、部長」

「ちょ、まっ、嘘、嘘です! 話すからやめて食い込ませないで銃刀法って知ってる!?」

「ひじりん」

 再び声をかけられ、今度は一瞬躊躇してから「ヤー」と応答。そのまま、再び刀を納め、元の席へと戻っていく。そして最後に、「……ちっ」と舌打ち。

「今『ちっ』って言ったよこの子!? もうやだ怖い! ボクお家に帰りたい!」

「お前が素直に話さんからだ。ふざけてないでさっさと話せ」


 青くなった春寺に、容赦なく結莉が追撃し、次いで浴びせられたその破壊力の篭った視線に、降参とばかりに両手を挙げた。

「あー、あれさ。最初は興味なかったんだけど、実際見てみるとね。ちょっと面白いと思って」

「なに?」

「要するに、執行部で使いたい、ってこと?」

 疑問符を浮かべた結莉に代わり、指を立てて結論を言ってのけた楓に、春寺は「そゆこと」と首肯した。


「しかし……なら、風紀委員会と執行部の兼任なら――」

「いや」

 と、首を振ったのは、例の刀のような雰囲気を纏った男だった。

「……風紀委員は、生徒会の役員にはなれん。これは校則で定められている。生徒会長といえど覆すことはできない。そういうことだな」

 と、未だ腕組みの姿勢を維持したまま、静かにそう告げた。と、この場にいる半数近くが、驚いたような顔をして、春寺へと視線を集中させた。

「そうだったのか……」

「それは、知りませんでした。……よくご存知でしたね、春寺さん」

 前半は結莉、後半は、例の無表情な小柄の少女だ。褒められた側は「いやあ、褒めてもなにもでないよ」と手をひらひらさせていた。


「まあ、前例がないことだしね。ついでに言えば、風紀委員は他の役職に関しても、兼任することはできないわ」

 と、苦笑しつつ付け足したのは楓だ。

 まあともあれ、と楓は首を振った。

「風紀委員にせよ、執行部にせよ同じことよ、春寺君。まあ分かって言ってるんでしょうけど……第一」

 と、斎の方を指差して。

「彼の意思を、まず尊重すべきじゃないかしら?」

 その言葉に、全員が押し黙った。「むう」やら「確かに」やらの呟きが聞こえ、次いで、斎へとその視線が集中する。


 つまるところ、こういうことなのだろう。風紀委員会に入れ、という結莉と、それに反対する――恐らくだが、この学校での重要な役割にあるであろう、生徒たち。

 面倒なことになった、と斎は思った。目立つつもりなどなかったのだ。いや、正確に言えば、目立ちたくなかったのである。

 しかし結果として、これだ。

 自分を、ごく普通の生徒、などと自信を持って発言できるだけの経緯を、持っているわけではないのも確かだ。が、しかし、そういう風に過ごせるとは思っていた

 さる友人が聞けば、「そりゃァ……お前ェ、無理ってもんじゃね?」などという言葉が返ってくるのは間違いないであろうが。


「……先輩」

 そんな自分の本心を押し隠したまま、言葉を紡ぐ。

「自分の選択によって、自分や……他の誰かに、何らかのペナルティが課せられることは?」

「ないわ」

 楓からの返事は、即答だった。

「たとえ断ったとしても、貴方や、他の人に対する圧力やペナルティなんてものは、一切ありません。そしてさせません。それは私、生徒会長である四方院楓の名に掛けて誓います」

「そうですか」

 その言葉は誠実だった。信用できる、と思った。

 分かる――これは嘘でも、その場限りの言葉でもない。生徒会長としての名に相応しい、確かな誠実さだ。

 で、あるならば。

「なら、俺は――」

 自分の本心を、迷わず告げるべきなのだろう。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 ――かくして、帰り道。

 談合を終え、生徒会室を出た斎は、その場で待っていたアンジーと合流し、下校の途へと着いた。閉館の音楽が流れ始めた校舎へと背を向け、校門へと向かう。

 そこには誰の姿もなかった。どうやら、クリスは先に帰ったのだろう。

 彼女はあまり、家を長く空けてはいられない立場の人間だ。ここで自分を待っているわけにもいかない。そう思えば、疑問もなかった。


「あの……」

 おずおずとかけられた声に振り向く。アンジーが、こちらを見ながら、もじもじと両手の指を重ね合わせていた。

 無論、生徒会室から出たときに「問題なかった」ということは既に伝えてある。というよりも、出てくるなり心配顔で見つめられれば、そう答えるより他にもなく。

 事実、大丈夫ではあった。学校生活に支障はないだろう。ただ、細峯先輩には悪いことをしてしまった……などと斎が考えていると、目の前の少女が、何を思ったか、いきなり頭を下げた。


「今日は本当にありがとう、イツキ。何から何まで、私は迷惑をかけっぱなしで……」

 その声色には、どこか苦悶が滲んでいた。恐らく、ずっとそればかりを考えていたのだろう。

 悪いことをしたな、と思いつつ、斎は首を振った。

「いや。前も言ったけど、俺のやったことだから。迷惑なんて思ってないよ」

 出来る限りの平静さと優しさをこめた声で言うと、「そっか」と顔を上げて、ようやく彼女は微笑んだ。

 再び、並んで歩き出す……と、アンジーが、不意に斎の顔を覗き込むように、前に先回りした。後ろ歩きで進みながら、尋ねてくる。


「そうだ。イツキはさ、どうしてここに来たの?」

「どうして?」

 再びアンジーの顔を見つめると、アンジーはむず痒そうに頬を掻いた。

「んーとね……そう。パイロットになろうと思った理由。イツキも、ドラグーンのパイロットになろうと思ってここに来たんでしょう?」

「……まあ、ね」

 ドラグーン・アサルト。かつて開発され、現代の主力でもある、人型駆動兵器のことだ。多くの人間は、このドラグーンに憧れ、パイロットになるべく日夜の訓練に励む。そのための養成学校が、この機甲学校だ。


 かつてファンタジーでしかなかった人型兵器は、今や宇宙最強とすら目されているのだ。若い少年少女たちであるのなら、ある意味、憧れても当然なのかもしれない。

 しかし、ただの憧れだけで、歩き続けることは出来ない。夢を叶えたところで、所詮、それは殺人のための兵器でしかない。夢を追う彼らは、人殺しのための技術を、その牙を、ただ磨き続けてきただけだったと気づくときが、必ず来る。

 ……それでもなお続けるとすれば。それは、彼らがなぜパイロットを目指したのか、という理由だ。機甲学校に入るほどの厳しい訓練と試練を通過した少年少女たちの、その原動力。


 ただ。それが自分にあるのか、と聞かれれば、それは微妙なところだった。


「……そうだな。それが必要だから、かな」

 必要だったから学んだ。必要だったから見につけた。

 言われてみれば、ずっとそんな人生だ。

「そういうアンジーは? どうして機甲学校に?」

 んー……と頬に手を当てたアンジーは、少し悩むようにして、言った。

「ライトニング、って知ってる?」

 ぴくり、と斎の眉が動いた。


 ライトニング。あるいは、シリウス・ワン。

「……知ってる。むしろ、パイロットを目指していて、知らない人の方が少ないんじゃないか?」

 ――かのG.U(アメリカ)軍の持つ、最強のエースパイロット『シリウス』。そして、シリウスの駆る機体の名こそ、かの『ライトニング』だ。

 憧れる人間は、少なくない。彼女もきっとその一人なのだろう。

 それ以上を聞き出すことは出来なかった。なぜなら――


「お、さっきの二年じゃないか」

 背後から声に、唐突に呼びとめられて、斎とアンジーは足を止めた。

 振り返れば、そこには春寺、と呼ばれた軽薄な印象の先輩が立っていた。

 ただその印象も、さっきの一事で大分修正しなくてはならないかもしれない。軽薄なだけではない、という風な感じで。


「……なぜか妙に罵られたような気が」

「いや、気のせいですよ先輩」

「そうです、気のせいです部長。罵りの一つや二つ、気にしていては身が持ちませんよ」

 と、斎の言葉の後に続いたのは、例のメイド服姿の女性だ。

 前から思っていたが、なぜメイド服なのか。そしてなぜ片手に刀を提げているのか。無論メイド服なので、服装から学年を類推することは出来ない。

 女性は、おしとやか、という言葉がまさしく似合うであろう笑顔で続けた。

「不肖、この鹿堂聖、いつも部長のことを心で小馬鹿にしております故」

「ひどいっ!?」


「あ……相変わらずですね、お二人とも」

 と、二人の漫才|(?)に口を挟んだのは、隣のアンジーだった。どうやら、この二人とは知り合いのようだ。

「おや、アンジーちゃんじゃない。お久しぶりー」

「お久しぶりです、アンジェリカ様」

「せ、先輩! 後輩に様付けはやめてくださいって言ってるじゃないですか!」

 あわてたように、メイド服の女性を止めにかかるアンジー。

 しかしそれをすらりとかわし、まさに本物のメイドのごとく丁寧に腰を折る。

「しかしこの間、代案として用意させていただいた『アンちゃん』や『アン坊』といった愛称はお気に召さなかったようですし」

「普通に呼ぶって選択肢はないんですか!?」

 思わず突っ込んだアンジーに、ふるふる、と首を振るわせるメイド服。

「そんな、恐れ多い! アンジェリカ様を呼び捨てにするなんて……」

 どうやら、呼び捨ては駄目でもアン坊はオーケーらしい。


 なんとなしにその状況を見守っていた斎に、春寺が「ああそうだ」と思い出したように言った。

「そういや、自己紹介もまだだったな。俺は生徒会執行部部長、春寺嵩だ。んで……」

 春寺が示すと、未だアンジーと戯れていたメイド服の先輩が、こちらを振り向いて一礼した。

「私は生徒会執行部副部長、鹿堂聖と申します。よろしくお願いいたします」

「生徒会執行部……ですか?」

 どうやら生徒会とはまた違う組織らしい。耳慣れない言葉に、思わず斎も聞き返す。

「ああ……転校生じゃちょっと分からんか。えーと、まあ簡単に言えば……聖」

 と、傍らに立っていたメイド服の少女に声をかけると、はい、と小さく頭を下げ、少女が説明を開始した。


「生徒会は、三つの組織に分かれています。中心組織である生徒自治委員会と、生徒会役員の任免権限を持つ二つの組織。この二つの組織が、生徒会執行部と生徒会調停部です」

 なるほど、と思う。

 生徒による自治を尊重するがゆえ、生徒会に与えられる権限が絶大なものであろうことは、容易に想像がつく。

 だが絶大なだけでは暴走するがゆえに、対立する三局によって運営する、ということか。

 要するに三権分立の考え方だ。この学校独自のものなのだろう。


「つっても俺らは端役だからね。大して人材も集まらない割りに、面倒な仕事を押し付けられもする。要約するに、絶賛役員募集中、なんだけど……」

 と、春寺はアンジーの方に視線を向ける。しかしアンジーは、少し顔をしかめて首を振った。

「すいません、先輩。私に、そのような重役は向いていませんので……」

「うーん、残念。アンジーちゃんなら申し分ないんだけどなー可愛いし。唯一、俺と聖の意見が合った人材なんだけどなー」

 薄ら笑いと共に言った春寺に、冷たい目線を寄越すメイドこと聖。

「意見が合わないのは、いつもいつもいつも顔で選んでるからじゃないですかね駄目部長」

「そーそー、だから顔も能力も完璧なアンジーちゃんがいいなー僕は」

 懲りた様子もなく肩を竦める春寺に、聖はため息を落とす。


 と、「そうだ」と何からひらめいたのか、両手を打ち合わせた春寺は、斎へと振り返った。

「じゃあさ、斎くんはどうかな、執行部。斎君が入ってくれちゃったりしたら、アンジーちゃんも入ってくれないかなー? なんて」

「……そちらが本音だろう、貴様。相変わらずの狡さだな、シュウ」

 と、この声は、春寺の背後からだった。

 うおっ、と春寺が飛び退る。アンジーも、聖もまた、驚いたように眼を見開いていた。

 それもそうだろう。先ほどまでまるで気配がなかった。ここまで近寄るのに、この場にいた誰もが気づかなかったのだ。

 例の無口な、斎をして刀のようなと評しめた男性だった。相変わらず、まるで切れそうな気配を纏いながら、斎へと視線を向けてくる。

「って、タツかよ。ビビらせんな、ったく」

「油断している方が悪い」


 タツと呼ばれた少年は、あっさりとそう断じ、斎の前へと進み出た。

 そのまま、じっと斎の目を覗き込んでくる。後ろで春寺が「男同士見詰め合っても気持ち悪いだけ」なんて騒いでいたが、それを気にする様子もない。

「……気づかれていたか」

「何がです?」

 謎の呟きに返せる言葉も当然なく。素っ頓狂な返事をする斎に、ふっと彼は微笑んだ。

「……ふん。なるほど、面白い男だ」

「はあ……」

 彼は、そのまま握手を求めるように片手を伸ばしてきた。

「……俺は東郷龍平。生徒会調停部部長を務めている。好きに呼んでくれて構わん」

「はい、よろしくお願いします、東郷先輩」

 男同士握手を交わす。と、横合いから、春寺が声を上げた。


「ところでタツ、今日はゆーりんどうしたの?」

 ゆーりん、とは誰のことだろう、と斎が思っていると、隣にいたアンジーが「調停部の副部長」と耳打ちしてきた。

「……上谷なら、もう帰ったはずだが」

「もう帰ったのか……相変わらずパワフルだなあ、あの娘」

「……ああ。今日の集会についても、話を聞いていたか微妙なところだ」

「あー、まあ、あの子は細かい話、頭に入んないからねぇ」

 あっはっは、と朗らかに馬鹿判定された上谷何がし氏であった。そういえば、一言も口を挟まず、ぼうっと虚空を見ていた女性がいたような……いなかったような。

「恐らく悠里様は、夕食について思いを馳せていたのではないでしょうか」

 メイド服姿の聖が、優雅な仕草で人差し指を立ててそう告げた。

 なるほど、それで大体の人物像はつかめたような気がする……。


「……そもそもにして、だ。彼は既に、執行部入りの申し出を断っているはずだが?」

「いーんや、こいつが断ったのは風紀委員会行きで、執行部行きは断ってないもんねー」

 どこからどう考えても子供の理屈であるのだが、臆面もなく断言されると、あっさりと断りづらくなってしまう。「なあ?」なんて話題を振られると尚更だ。

「……まったく。四方院に眼をつけられたくなければやめておけ。それ以上は、奴が出張りかねんぞ」

「うげ……。会長ちゃんは、怒るとマジで怖ぇからな……」

 若干顔を青くした春寺は、降参、という感じで両手を上に挙げた。


 ふと、東郷は二、三歩前へと進むと、肩越しに斎を振り返り、告げた。

「……調停部に入りたければ、いつでも俺に言え。お前なら、いつでも歓迎してやる……」

 そうとだけ告げると、もう振り返ることもなく、まっすぐに去って行った。

 ひゅう、と春寺が口笛を吹く。

「珍しいこともあるもんだねえ。へぇ……」

「珍しい、ですか?」

 問い返すと、春寺はふっと微笑み……斎の背中を、ばんっ、と全力で叩いた。

「お前には期待してるってことだよ、ルーキー!」

なんだかぶったぎりな感じでごめんなさい。とりあえず第一幕、ということで。次幕では、ようやくロボットことアーマード・アサルトが出てきます。

HPではTIPSクリックシステム(単語をクリックすると説明が出る)というのをやってます。現在、41個ほど作ってますので、気になる方はそちらもどうぞ。ただ、まったく読んでなくても分かるように頑張りたいと思ってます。

10/31 今更ながら、風紀委員会の設定を変更したのを忘れていたので修正しました。

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